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『BNA ビー・エヌ・エー』差別と格差の中、自分らしく生きるための選択とは。激熱な最終回【あらすじ・感想】

 吉成曜×中島かずきで送るTRIGGERの最新作!

 『リトルウィッチアカデミア』『天元突破グレンラガン』『キルラキル』『プロメア』など数々の名作を送り出してきた二人が初めてタッグを組んだ本作。

 キャラクターの伸び伸びした作画はもちろん、メッセージ性の強いストーリーまで見所が盛りだくさんでした。

 そんな『BNA ビー・エヌ・エー』の魅力について語っていきたいと思います。

 

『BNA ビー・エヌ・エー』とは

bna-anime.com

f:id:ulotti:20200704084017j:plain©2020 TRIGGER・中島かずき/『BNA ビー・エヌ・エー』製作委員会


TVアニメ『BNA ビー・エヌ・エー』第1弾PV

あらすじ

 “人類”と“獣人”が共存する社会。
 獣化遺伝子・獣因子を持つ獣人たちは、近現代の自然の消失により住処を追われ、人類の前に姿を現した。

 各国が共存のための対応に追われるなか、日本では獣人が獣人らしく生きるための獣人特区『アニマシティ』が設置される。
 それから10年の月日が経ち、『アニマシティ』に17歳のタヌキ獣人・影森みちるがやってくる。

 普通の人間だったが、ある日突然タヌキ獣人になった彼女は「ここなら自由に生きられる!」と喜ぶが、ひょんなことからオオカミ獣人・大神士郎と出会い、『アニマシティ』にもこの街にしかない危険がたくさん潜んでいることを知る。
 頑固な性格で過剰に人間を嫌う士郎とは衝突を繰り返しながら、みちるは怪しい女のマリーや、市長のロゼ、獣人生活協同組合のジェムとメリッサなど、たくさんの人々に出会い、それまで知らなかった“獣人”たちの生き様を学んでいく。そして、タヌキの少女とオオカミ男に生まれた絆は、やがて世界を変える鍵になる。
 なぜ、みちるは獣人になってしまったのか。その謎を追ううちに、予想もしていなかった大きな出来事に巻き込まれていくのだった。 

引用元:『BNA ビー・エヌ・エー』公式HP STORYより

スタッフ

監督:吉成 曜『天元突破グレンラガン』『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』『リトルウィッチアカデミア』
シリーズ構成:中島かずき『天元突破グレンラガン』『のだめカンタービレ フィナーレ』『プロメア』
コンセプトアート:Genice Chan
キャラクターデザイン:芳垣祐介『ブラック★ロックシューター』『SHORT PEACE 「GAMBO」』『宇宙パトロールルル子』
総作画監督:竹田直樹
美術監督:野村正信
色彩設計:垣田由紀子
撮影監督:設楽 希
編集:坪根健太郎
音楽:mabanua『メガロボクス』
制作:TRIGGER

キャスト

影森みちる:諸星すみれ
大神士郎:細谷佳正
日渡なずな:長縄まりあ
アラン・シルヴァスタ:石川界人
バルバレイ・ロゼ:高島雅羅
マリー伊丹:村瀬迪与
石崎浩一:乃村健次
立木勇次:中 博史
ジェム・ホーナー:家中 宏
メリッサ・ホーナー:斉藤貴美子
ルドルフ・フリップ:多田野曜平
白水総理:大塚芳忠

おすすめポイント

 獣人と人間の間にある差別格差を描きながら、「自分らしく生きる」とは何かを描く本作。

 特に自分が好きだった第5話「Greedy Bears」の感想はこちらの記事で熱く語っています。

www.tadahome.info

 複合的に面白い要素が詰まった『BNA ビー・エヌ・エー』を以下の3つのポイントから紹介していきたいと思います。

・なくならない差別と格差。「自分らしく生きる」とは

・TRIGGERらしさ全開!生き生きと描かれるキャラクター達の見所満載な作画

・2020年春アニメで最もカッコいい、誰もが好きになってしまう主題歌

なくならない差別と格差。「自分らしく生きる」とは

 元々普通の人間だった影森みちるは、ある日突然タヌキ獣人になってしまいます。

 仲の良かった人間たちにも差別され始めてしまうみちる。

 獣人が自由に生きられる街、「アニマシティ」にたどり着き、みちるの新しい日々が始まります。

 それぞれが獣人であることを自由に表現しているこの街なら、きっと自分も自由に生きられるだろうと胸を高鳴らせます。

 

 ところが、「アニマシティ」においても様々な差別がありました。

 獣人の中でも"オス至上主義"という考え方が強く根付いており、女性や子供は人身売買の対象となっていて、とても自由と言えるような状態ではありません。

 それでも貧富の格差がある以上、生きるためには取らないといけない選択肢があることもまた一つの事実です。

 

 またある時、獣人でありながら人間のふりをしているシロイルカ獣人・ニナと出会います。

 SNS上では人気だった彼女と人間界に行き、パーティに参加するも獣人だと判明した瞬間に差別的な目を向けてくる人間たち。

 うわべだけだった人間からの同情に大きく落胆します。

 

f:id:ulotti:20200704103201j:plain©2020 TRIGGER・中島かずき/『BNA ビー・エヌ・エー』製作委員会

 

 そして自分がとても関心を惹かれたたのが渡り鳥獣人問題

 獣人たちに人権を与えて、もっと自由に生きられることを目指していたはずなのに渡り鳥たちは出入国する際にパスポートを取って手続する必要があるのです。

 人間の決めたルールに獣人が合わせなければいけないという不自由さ権利を与えられることが自由になるとイコールではないということを考えさせられます。

 

 そして終盤、「アニマシティ」が設立された本当の目的が獣人を人間に戻すことにあることをみちるは知ります。

 獣人を人間に変える薬を売って大儲けしたいという製薬会社の陰謀が「アニマシティ」には渦巻いていたのです。

 しかしその一方で、獣人がただの人間に戻ることで、根本的な差別はなくなるはずだという正義の心もその政策にはありました。

 

 「自分らしく生きる」ために、獣人は人間になった方がいいのか。

 「自分らしく生きる」ために、本当に必要なことは何なのか。

 

 「アニマシティ」に暮らす中でみちるがたどり着いた答えは何なのか、ぜひその目でお確かめください。

 

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TRIGGERらしさ全開!生き生きと描かれるキャラクター達の見所満載な作画

 差別が溢れる社会の中で、みちるは自分らしく生きる人物の象徴でもあります。

 元々はただのタヌキ獣人だったみちる。

 ある時はハイエナに変身し、猛スピードで駆け抜ける。

 ある時はに変身し、自由に空を飛び回る。

 力を入れたいときは腕を膨らませたり、着地するときはしっぽを膨らませたり。

 自由自在に画面を動き回るみちるの姿はとても生き生きとしていて作画的にも非常に魅力が多い作品です。

 

 本作で最も特徴的なところは何と言っても色使い

 コンセプトアートを担当したGenice Chanさんの織り成す独特な世界観の印象が凄まじく、今までのTRIGGER作品には見られない色使いも多く見られます。

 日本はもちろん、海外をもターゲティングしているTRIGGERらしい、世界中の人が受け入れやすい絵作りを目指しているのかなと感じられました。

 

f:id:ulotti:20200704104318j:plain©2020 TRIGGER・中島かずき/『BNA ビー・エヌ・エー』製作委員会

 

 注目してほしい作画回は何と言っても第5話最終話

 最終話の絵コンテは吉成曜さんと今石洋之さんが務めました。

 原画には半田修平さん、五十嵐海さん、すしおさん、金子雄人さん、芳垣祐介さん、吉成曜さん、今石洋之さんなどなどTRIGGER作品を支えてきたスーパーアニメーターたちが勢ぞろいしています。

 

 爆発爆炎、エフェクト盛り盛りで、今まで出てきたキャラクターが勢ぞろいしコミカルにかっこよく描かれます。

 その圧倒的な作画で"自由"を表した最終回は1秒たりともまばたき禁止です。

 

2020年春アニメで最もカッコいい、誰もが好きになってしまう主題歌

 第1話冒頭、流れ始めたOPテーマを聴いた瞬間、

 あ、このアニメ勝ったな

 そう実感させてくれたOPテーマ、

「Ready to」/ 影森みちる(諸星すみれ)(作詞:rihoco 作曲:Jin Tanaka 編曲:R・O・N)


TVアニメ『BNA ビー・エヌ・エー』ノンクレジットオープニング映像 / 『Ready to』影森みちる(CV:諸星すみれ)

 もうただただかっこいい。

 アニソンシーンとは縁のなかったBACK DROP BOMBの田中仁さんが作曲され、多くの名アニソンを世に送り出してきたR・O・Nさんが編曲。

 アニソンらしくないのにアニソンっぽい絶妙なかっこよさです。

 

 『テンカイナイト』の「瞬間Diamond」で知られるrihocoさんの歌詞も『BNA ビー・エヌ・エー』の世界観にぴったりです。

 自分らしく生きるため、どんどんと変化していきながら正しい道を選び、前に進んでいくみちるの疾走感が歌詞からも映像からも感じられます。

 

 そしてまあ何と言っても諸星すみれさんのお声ですね。

 影森みちるさんを演じた諸星すみれさんだからこその説得力と透明感のある歌声

 自分が諸星すみれさんのことを好きすぎるという点を除いても、諸星すみれさん以外にこの曲を歌うことはできなかったでしょう。

 

 通常89秒で構成されることが多いOPテーマですが、「Ready to」のテレビサイズはなんと60秒

 もっともっと長く聴きたいのに…と思わされる絶妙な尺ですが、その60秒に全身全霊が詰まっていて毎週毎週OPを聴くのが楽しみで仕方ありませんでした。

 

 EDテーマは、

「NIGHT RUNNING」/ Shin Sakiura feat. AAAMYYY(作詞:AAAMYYY 作曲・編曲:Shin Sakiura)


TVアニメ『BNA ビー・エヌ・エー』ノンクレジットエンディング映像 / 『NIGHT RUNNING』Shin Sakiura feat. AAAMYYY

 前の項で紹介したコンセプトアートのGenice Chanさんが所属するGIANT ANTがED映像を手掛けています。

 独特な色遣いによる世界観の構成と、影・二面性を感じられる映像は「アニマシティ」の光と闇人間と獣人の裏と表を印象的に表しています。

 こんな素晴らしいEDが勝手に飛ばされちゃうのはNetflixのあんまりよくないところですね…

 

 日中よりも夜の描写が多い『BNA ビー・エヌ・エー』。

 色々な組織が暗躍し、ひっそりとでも着実に変わっていく世界をこのEDが端的に表しています。

 EDも60秒で構成されていて、日本の89秒構成は世界共通じゃないんだなあというのを改めて実感しました。

 自分の引き出しにはない、オシャレな音楽と映像何度も聴きたくなる中毒性があります。

 

Ready to

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  • メディア: MP3 ダウンロード
 
NIGHT RUNNING

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配信情報

 Netflixにて独占配信中です。

 今までのTRIGGER作品が好きな方はもちろん、初めてTRIGGER作品に触れる方も見やすい、綺麗に1クールにまとまった世界に誇れる一作です。

おわりに

 アニメとして面白く、それでいて考えさせられる作品が多かった2020年春アニメ。

 自分も「自分らしく生きる」ため、どんどんと変わっていく必要があるなあと感じました。

 

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 今後もアニメに関する記事を毎日投稿していきますので、ぜひご覧ください。

 また次の記事で!