『牙狼シリーズ』でも牙狼が出てこない、こだわらない作品もありなんだ。
今までの『牙狼シリーズ』とは全く異なる世界観で描かれる『GARO -VERSUS ROAD-』。
何もかも新しすぎて、毎話毎話困惑と新鮮な驚きに包まれつつも、最後まで見ると確かに『牙狼シリーズ』だと思える本作の魅力を紹介していきたいと思います。
『GARO -VERSUS ROAD-』とは
©2020「VERSUS ROAD」雨宮慶太/東北新社
【毎週木曜放送中】「GARO -VERSUS ROAD- 」ダイジェスト映像/GARO PROJECT #169
あらすじ
日々の生活を淡々と消化している普通の青年達のもとに、突然謎のVRグラスが届く。
VRグラスをかけると、巨大なゲームフィールドに大勢のプレイヤーが集められていた。
その頭上には美しく輝く金色の鎧が浮かび上がっている―—。
ゲームの勝者には現実世界でも幸運が舞い込み、プレイヤー達はゲームにのめり込んでいく。
スタッフ
原作:雨宮慶太
エグゼクティブ・プロデューサー:二宮清隆
企画:田中文
監督:綾部真弥、永江二朗、田口桂
脚本:江良至、平松正樹、和田清人、内田裕基
音楽:栗山善親、寺田志保
特別協力:サンセイアールアンドディ
制作:東北新社
制作協力:ファインエンターテイメント/オムニバス・ジャパン
製作:東北新社
キャスト
空遠 世那:松大航也
天羽 涼介:勇翔 (BOYS AND MEN)
南雲 太輔:時人
香月 貴音:とまん
星合 翔李:清水尚弥
奏風 大:門下秀太郎
日向 蓮:Reiji (TOK¥O TRICKING MOB)
おすすめポイント
2005年から始まった『牙狼シリーズ』。
主人公が交代したり、劇場版になったり、アニメになったり、様々な続編を世に送り出してきましたが、今回はVRゲームを題材とした作品になっています。
15周年記念作品ということで全てが一新した設定になっており、今までの一切の作品を見ずとも楽しめるオリジナルストーリーです。
そんな『GARO -VERSUS ROAD-』の魅力を以下の3つのポイントから紹介していきたいと思います。
・ゲーム内の死は現実の死、究極のデスゲームの中で問われる"自分が生きる意味"
・ゲームの中でこそ表現される生々しいリアリティ、素晴らしいキャストの迫真の演技
・毎作おなじみJAM Projectの主題歌「Versus Road 〜非現実的サバイバル〜」
ゲーム内の死は現実の死、究極のデスゲームの中で問われる"自分が生きる意味"
ある日突然自宅に届いたVRゴーグルをかけると、ゲームフィールドに飛ばされ、そこには100人のプレイヤーが集まっていました。
1位になると「牙狼」の称号を得られると説明され、急に始まるバトルロイヤル方式のデスゲーム。
最初のゲームは、ホラーという化け物が放たれたゲームフィールドで、100人いるプレイヤーが半分の50人になるまで生き延びろ!というもの。
ゲーム内に閉じ込められる作品や、バトルロイヤルを余儀なくされるアニメ・漫画はたくさんあり、まあよく見る設定かなと思っていました。
しかしまず最初に大きな驚きがあります。
普通、ゲーム内に閉じ込められる作品であれば、登場キャラクターがゲームに詳しいですよね。
バトルロイヤルを余儀なくされるアニメ・漫画であれば、バトルロイヤルを勝ち抜いて得られるものに興味があるキャラクターが多く登場しますよね。
このVRゲームに選ばれた人は、全員たまたま選ばれた人たちなんです。
いや、たまたま選ばれたにしては偏りがあって、最初の100人中半分ぐらいのプレイヤーがヤンキーとかチンピラとかそういった類の人たちなんです。
ゲームのシステムを理解するどころか、100人中50人になるまで待っていられないとばかりにプレイヤーがプレイヤーを襲う地獄絵図。
そんな中で主人公格たちのキャラクターたちが無双し、なんとか1回戦を勝ち抜きます。
©2020「VERSUS ROAD」雨宮慶太/東北新社
第2回戦はバトルロイヤル方式ではなく、ダンジョンを探索するRPG的なゲーム。
僕も顔を知っているほど大人気俳優の栗原類さんが出てきて、ちょっと嬉しくなったのを覚えています。
基本的に肉弾戦が中心の本作において、頭を使った頭脳プレイが試されるゲームでもあり、裏切りや工作、人間の裏の顔の恐ろしさがリアルに描写されます。
特に栗原類さんが演じるUMIさんと、とまんさんが演じる香月貴音さんのやり取りは人間の汚い部分を目の当たりにさせられ、普段アニメしか見ていない自分にはかなり衝撃的な展開でした。
ゲームが終わると一旦現実世界に戻ることが出来ます。
しかしながら、ゲーム内で死ぬと現実でも死に、ゲームに参加しないとそれはそれで死んでしまう、救いのないデスゲームになっています。
3回戦に残ったのは18人。
今度は再び、人数が減るまで戦い続けることになります。
首輪をはめられ、首輪についている起爆スイッチを押されると首が吹き飛ぶルールになっており、本家『バトル・ロワイアル』へのリスペクトを感じるゲームでした。
その後も4回戦、5回戦とゲームは進んでいき、一人、また一人と人が死んでいきます。
死と向き合う中で、自分は誰のために戦うのか、何のために戦うのかの自問自答を繰り返します。
命乞いをするもの、潔く死を受け入れるもの、様々な最期を迎えるキャラクター達を見て、
"自分が生きる意味"とは何なのか。
"守りし者の意味"とは何なのか。
考えさせられる作品になっています。
牙狼はほとんど出てきませんが、牙狼の魂はたしかにそこにある。
『牙狼シリーズ』の中でもかなり異端なのに、しっかりとシリーズに通ずる信念が通っている非常に魅力的な作品でした。
ゲームの中でこそ表現される生々しいリアリティ、素晴らしいキャストの迫真の演技
アニメ以外では『仮面ライダーシリーズ』、『スーパー戦隊シリーズ』、『ウルトラシリーズ』、『ガールズ×ヒロイン!シリーズ』そして『牙狼シリーズ』しか見ない自分。
もちろんこれらの作品でも素晴らしい演技が見られるのですが、『GARO -VERSUS ROAD-』は死を目前にした生々しい演技をたくさん味わうことが出来ました。
基本的にすべて肉弾戦で戦いが完結する本作。
殴られた跡や、止まることなく流れ続ける血液、吹き飛ぶ生首など一周回ってリアルじゃないのかもしれないと思うほど人間の「生」を実感する描写が非常に多かったです。
特殊メイクや演出も、普段そこまで実写を見ない自分にとっては凄く新鮮で刺激的でした。
そして何と言っても俳優さんたちの演技力。
涙を流しながら、唾をまき散らしながら、床をのたうち回って痛がったり、命乞いをしたり、アニメではどうしても表現が難しい"リアル"がそこにありました。
そんな激しい、人間の気持ち悪さを全面に出しながらもどこか素直にかっこいいと思えるキャストには思わず脱帽です。
©2020「VERSUS ROAD」雨宮慶太/東北新社
従来の『牙狼シリーズ』と比較してもかなり、リアリティを重視した描写が多かったと思います。
これはVRゲームという非現実な世界だからこそ、見る人の心を動かす人間の生々しい「生」のリアリティが必要だという思惑なのでしょう。
グロテスクな描写が苦手な方にはちょっと刺激が強すぎる作品かもしれませんが、普段アニメをずっと見ていて、
もっとリアルな刺激が欲しい!
と思っている方にはとても良い刺激になる「生」を実感できる作品かと思います。
毎作おなじみJAM Projectの主題歌「Versus Road 〜非現実的サバイバル〜」
『牙狼シリーズ』と言えばやはり、JAM Projectの主題歌。
本作の主題歌は、
「Versus Road 〜非現実的サバイバル〜」/ JAM Project(作詞・作曲:影山ヒロノブ 編曲:栗山善親)
近未来感を感じさせるシンセサイザーやエフェクトが盛り盛りの楽曲。
「仮想現実」、「VIRTUAL WORLD」、「REAL」など作品にぴったりな歌詞も多く使われています。
近未来感があるのに『牙狼シリーズ』の楽曲らしい、力強い熱さもある絶妙なバランスが素晴らしいですね。
今までの主題歌には「牙狼」というワードがほとんど使われてきていたと思うのですが、この楽曲では使われていません。
ゲームに勝ち残ったものが「牙狼」の称号を得るという特殊な作品であるからこそ、猛る想いを強く持ったものなら誰でも「牙狼」になれるというメッセージが込められているのかもしれません。
序盤はチンピラたちが暴れまわる中で流れたりしてちょっとおもしろいと思っていたのですが、最終回まで見るとこの楽曲に込めた想いがより一層伝わってきました。
【発売日未定】【Amazon.co.jp限定】TVシリーズ『牙狼<GARO>』ベストアルバム 牙狼<GARO>黄金歌集「牙狼奏」 (メガジャケット付)
- アーティスト:V.A.
- 発売日: 2020/12/31
- メディア: CD
配信情報
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おわりに
テレビシリーズとしては、『神ノ牙-JINGA-』以来1年半ぶりの新作ということで、待ち望んでいた本作。
『牙狼シリーズ』でありながら「牙狼」にとらわれ過ぎない、シリーズの歴史に名を残す素晴らしい作品でした。
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今後もアニメに関する記事を毎日投稿していきますので、ぜひご覧ください。
また次の記事で!