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『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』シリーズの集大成!花言葉や歌詞、細部にまでこだわりが感じられる号泣必至・感動の2時間 ※ネタバレ注意【感想・考察】

 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

 2018年にテレビシリーズが始まり、「京都アニメーション放火殺人事件」新型コロナウイルスなど様々な影響を受けてきた本作の劇場版がいよいよ公開となりました。

 完成して公開されただけで、既にたくさんの感謝の気持ちでいっぱいでしたがそのあまりの完成度せずにはいられません。

 シリーズの集大成として、ヴァイオレットの人生が最後まで描かれたかけがえのない2時間『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』について語っていきたいと思います。

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』とは

violet-evergarden.jp


『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』本予告第2弾 2020年9月18日(金)公開

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©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

あらすじ

 ──あいしてるってなんですか?


かつて自分に愛を教え、与えようとしてくれた、大切な人。

会いたくても会えない。

永遠に。

手を離してしまった、大切な大切な人。


 代筆業に従事する彼女の名は、〈ヴァイオレット・エヴァーガーデン〉。
 幼い頃から兵士として戦い、心を育む機会が与えられなかった彼女は、
 大切な上官〈ギルベルト・ブーゲンビリア〉が残した言葉が理解できなかった。
──心から、愛してる。

 

 人々に深い傷を負わせた戦争が終結して数年。
 新しい技術の開発によって生活は変わり、人々は前を向いて進んでいこうとしていた。
 しかし、ヴァイオレットはどこかでギルベルトが生きていることを信じ、ただ彼を想う日々を過ごす。
 ──親愛なるギルベルト少佐。また今日も少佐のことを思い出してしまいました。
 ヴァイオレットの強い願いは、静かに夜の闇に溶けていく。

 

 ギルベルトの母親の月命日に、
 ヴァイオレットは彼の代わりを担うかのように花を手向けていた。
 ある日、彼の兄・ディートフリート大佐と鉢合わせる。
 ディートフリートは、ギルベルトのことはもう忘れるべきだと訴えるが、
 ヴァイオレットはまっすぐ答えるだけだった。「忘れることは、できません」と。

 

 そんな折、ヴァイオレットへ依頼の電話がかかってくる。依頼人はユリスという少年。
 一方、郵便社の倉庫で一通の宛先不明の手紙が見つかり……。

スタッフ

原作:「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」暁佳奈(KAエスマ文庫/京都アニメーション)
監督:石立太一『境界の彼方』
脚本:吉田玲子『カレイドスター』『けいおん!』『アルテ』
キャラクターデザイン・総作画監督:高瀬亜貴子
世界観設定:鈴木貴昭『ストライクウィッチーズ』『ガールズ&パンツァー』『ハイスクール・フリート』
美術監督:渡邊美希子
3D美術:鵜ノ口穣二
色彩設計:米田侑加
小物設定:髙橋博行
撮影監督:船本孝平
3D監督:山本 倫
音響監督:鶴岡陽太
音楽:Evan Call『東京ESP』『ハクメイとミコチ』『天晴爛漫!』
アニメーション制作:京都アニメーション
製作:ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会
配給:松竹

キャスト

ヴァイオレット・エヴァーガーデン:石川由依
ギルベルト・ブーゲンビリア:浪川大輔

ピックアップポイント

「Sincerely」

Sincerely (アニメ盤)

©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

 映画の冒頭、いきなり我々の度肝を抜いたのは「Sincerely」の文字でしょう。

 言わずと知れたTRUEさんが歌うテレビアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のOPテーマのタイトルではありますが、手紙・メール等で使われる単語です。

 「心から」という意味を表す単語として文中で使われたり、結びの言葉で使われたりします。

 日本語で言うなら"敬具"にあたる単語ですね。

 この作品で心から伝えたいものを届けたいというニュアンスにも取れますし、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』をこの作品で結ぶという意味でまさにぴったりの言葉です。

 

第10話 「愛する人は ずっと見守っている」の60年後の世界

f:id:ulotti:20200920194655j:plain©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

 冒頭を飾るのはテレビシリーズで見たことのある館。

 病気の母・クラーラアンかけがえのない家族愛を描いたあの館です。

 しかし館にいる人物も、館の外観も微妙に異なる。

 舞台は第10話 「愛する人は ずっと見守っている」の60年後(※舞台挨拶第一回目の監督の発言より)。

 第10話の脚本を務められているのも本映画の脚本を担当している吉田玲子さんなので、知っている人なら冒頭からなるほどね、となったことでしょう。

 

 かつてはなかった電気のスイッチなども見受けられ、60年の間に文明の進歩があったことが感じられる細かいこだわりがありました。

 小物設定を担当し、惜しくも放火事件で亡くなられた高橋博行さんの手腕かと思うと残念な気持ちもある一方で、この作品が無事世に出たことが何よりだなという思いです。

 

 家にいるのはアンの孫、デイジー

 声優を務めるのはアンと同じく諸星すみれさん。

 涙もろい人なら第一声を聴いただけで泣いてしまうぐらい、第10話を強く想起させてくれました。

 デイジークラーラアンの手紙のやり取りをその目で見て、その手紙を代筆したヴァイオレット・エヴァーガーデンに興味を持ち、その足取りを追います。

 

 ちなみにデイジーの花言葉は、「純潔」「美人」「平和」「希望」

 戦争が終結し大分年月が経ち、発展した文明の中で生きるデイジー「平和」の象徴なのかもしれません。

 

こだわりぬいた音響

f:id:ulotti:20200920194732j:plain©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

 海への賛歌等、ヴァイオレットの功績が広く認められる描写がされる中で自分が感じたのは音響の美しさ

 

 歩く路面の素材によって変わる足音

 リアリティのある街の喧騒

 一挙手一投足にぴったりな布ずれ音

 水を叩く水音

 多様な虫の鳴き声

 義手の金属音

 ベネディクトのバイクのエンジン音

 

 元々音響への強いこだわりが感じられる作品でしたが、今回の劇場版はそれをより顕著に感じました。

 音響監督の鶴岡陽太さんについては今更語る必要もないでしょう。

 

 音があるところとは逆に無音の描写も素晴らしく、ヴァイオレットギルベルトに想いを馳せて手紙を書くの描写では十数秒無音の時間もありました。

 緻密な音響や、大胆な間の取り方は、視聴者をより作品の世界観に没入させてくれます。

 

ユリスからの代筆依頼

f:id:ulotti:20200920194900j:plain©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

 一年以上病床に伏し、自分の命が長くないことを悟っているユリス

 お見舞いに来てくれる両親には冷たく当たってしまい、親友・リュカにはお見舞いに来るなと言ってしまう素直になれない男の子です。

 声優を務めるのは水橋かおりさん。

 絶妙な薄幸具合を感じる演技が素晴らしく、ぴったりなキャスティングだなあとしみじみ感じました。

 

 そんなユリスから自分が亡くなった後に家族やリュカに渡す手紙の代筆依頼を受けたヴァイオレット

 あんまりお金を持っていないユリスのために、お子様料金の話をするくだりはヴァイオレット真面目さと、色々な経験の中で得た人間味・暖かさを感じるシーンでした。

 

 ユリスの手紙を代筆するため、何度かヴァイオレットユリスの元を訪れるのですが、お見舞いの花の色が変わっていることに気付きましたでしょうか(情報提供:若林さん ID: nanodayo_7)。

 最初はオレンジ色だったバラの色がに変わっているのです。

 オレンジ色のバラの花言葉は 「無邪気」「魅惑」「絆」「信頼」

 白色のバラの花言葉は「尊敬」「純潔」「約束を守る」

 "心配"、"同情"、"過保護"にうんざりしていたユリスにとって、少し変わったヴァイオレットとの間に生まれた信頼関係

 少しずつ身体は弱っていくけれど、必ず家族やリュカに最後の言葉を伝える約束を守る

 そんなユリス想いが花に表現されていたのかもしれません。

 

株を上げたディートフリート

f:id:ulotti:20200920194950j:plain©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

 家督とヴァイオレットギルベルトに押し付け、不遜な態度をとっていたこともあってテレビシリーズでは良い印象の無かったディートフリート

 劇場版ではブーゲンビリア家の宿命や、墓参りギルベルトとの思い出を語るシーンなど彼の優しさや、彼は彼なりに最善の選択を取って来たんだということがわかる描写が多くありました。

 ディートフリートギルベルトの関係性が、ユリスその弟の関係性を描くことで間接的に描かれるような形にもなっており、その見事な構成にも舌を巻きます。

 さすがにディートフリートの口からギルベルトに対して、「生まれてきてくれてありがとう」とは言わせられないですからね。

 

カマキリ

f:id:ulotti:20200920195037j:plain©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

 ギルベルトが生きているかもしれないとエカルテ島に向かうホッジンズヴァイオレット

 ギルベルトと思わしき人物と先に一人で話そうとホッジンズが学校に入り、ヴァイオレットが門の前で待つシーン。

 学校の男の子の一人が驚かせようと、右腕が取れたカマキリホッジンズヴァイオレットに見せる描写があります。

 ホッジンズカマキリに驚きますが、ヴァイオレットは一切驚かない。

 むしろカマキリが子供からギルベルトの話を聴くための舞台装置的な役割を果たします。

 子供から話を聴くだけだったらもっと別の方法があるような気がしますが、何故子供が右腕が取れたカマキリを持ってくる描写にしたのでしょうか。

 

 自分が感じたのは"死への価値観"です。

 子供にとっての"死"は意外と軽いもの。

 本作でもエカルテ島の儀式の後、子供たちが

 

「ライデンの人たち、みんな死んじゃえばいいのに。」

 

 と軽くとんでもないワードを口にしていて、ギルベルトが何とも言えない表情をするシーンがあります。

 ヴァイオレットが驚かなかったのは、"死"に慣れているからでしょう。

 それでもギルベルトが生きていることや、ユリスの死に涙するヴァイオレットは、身近な人間の"死"には敏感になる感覚が戻っているのかもしれません。

 "子供"、"ヴァイオレット"、"ホッジンズ"、3人のリアクションの差を描くことで、それぞれの"死への価値観"が描かれたメッセージ性のあるシーンです。

 

ギルベルトとホッジンズの話

f:id:ulotti:20200920195109j:plain©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

 ついに見つけたギルベルト

 ホッジンズがどうしてヴァイオレットの前に顔を出さなかったのか問うシーンは本作の大きな見どころの一つでしょう。

 

 自分がヴァイオレットを武器にしてしまったこと。

 自分がいるとヴァイオレットを不幸にしてしまうこと。

 ジルベールとしての人生があること。

 

 舞台挨拶でも語られていましたが、ここのギルベルトのセリフに説得力がなければ、ギルベルトが視聴者に嫌われるのは必至。

 絞り出すような浪川大輔さんの演技には思わず自分も共感してしまい、涙が止まりませんでした。

 ヴァイオレットと共に生きることを諦めているような、言葉の裏では本当の望みがあるような二面性も確かに感じられ、これが芸歴35年の力だなあと改めてその実力を実感しました。

 

降りしきる雨、扉越しのヴァイオレットとギルベルト

f:id:ulotti:20200920195138j:plain©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

 一度はギルベルトと会うのを諦めさせようとしたホッジンズでしたが、ヴァイオレットの想いは止まらず、ギルベルトを探し続けます。

 そしてようやく見つけたギルベルトの住んでいる家。

 降りしきる雨の中、扉越しで話すヴァイオレットギルベルトの会話は非常に切ないものでした。

 

 何と言っても特筆すべきは雨の表現

 登場人物の気持ちを表すように天候が変化するのは脚本の基本中の基本ではありますが、本当にとんでもない雨でした。

 屋根や地面を打ち付ける雨音は激しく、弾ける雨粒は美しく儚い

 ヴァイオレットギルベルトの相容れられない二人の深い悲しい気持ちが如実に表現されていました。

 序盤で美しく完璧なヴァイオレットが描かれていたからこそ、感情的でボロボロになったこのシーンのヴァイオレットが際立ちます。

 大きな雨音の中、心の丈を叫ぶホッジンズ

 子安武人さんの叫び声は流石としか言いようがありません。

 

いけ好かない機械

f:id:ulotti:20200920195408j:plain©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

 ギルベルトとの再会が叶わなかったヴァイオレット

 そんなヴァイオレットの元に、ユリスが危篤という連絡が入ります。

 ユリスが亡くなった日に家族への手紙を渡さなければならない、未だ書けていなかったリュカへの手紙を完成させなければならない、しかしエカルテ島から戻るのには約3日を要する

 ヴァイオレットは信頼するC.H郵便社の面々にユリスの仕事を任せることになるのでした。

 

 最も意外な展開だったのが、リュカへの手紙を代筆するような時間も体力もないギリギリのシーン。

 C.H郵便社のアイリスたちが選んだ選択は"手紙"ではなく、"電話"でした。

 "手紙"の文化が廃れていく最大の要因であり、アイリス自身も「いけ好かない機械」と呼んでいた"電話"。

 最後の最後で"電話"に頼ったこの展開は、時代の流れを象徴するものであり、同時にこの作品で最も伝えたいことは、

 "言葉を伝えることの大切さ"

 なんだなという強いメッセージを感じました。

 言葉を伝える手段の一つとしての手紙の素晴らしさもそうですが、どの時代にあっても不変な本当の気持ちを伝える大切さが身に沁みます。

 

 ユリスから家族やリュカへのメッセージについては語ることも恐れ多い

 アンへの手紙や、今まで多くの人の想いを紡いできたヴァイオレットだからこその言葉選びが感じられて、映画館を沈没させる湖ができる程泣いてしまいました

 

「みちしるべ」

みちしるべ (アニメ盤)

©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

 ギルベルトとの再会を諦め、手紙を残して島を去ろうとするヴァイオレット

 ヴァイオレットからギルベルトへのたくさんのありがとうが詰まった手紙の中には"あなたのあいしてるがみちしるべ"というワードが。

 そして流れる挿入歌、テレビシリーズではエンディングテーマとして使われていた茅原実里さんが歌う「みちしるべ」

 ここで流れてくれたら最高だなという場面でばっちり流れてくれて、涙が止まりません

 "晴れの日も雨の日にも「愛してる」を伝えて…""ひとりじゃない"等、テレビシリーズの楽曲ですが劇場版の内容ともシンクロする歌詞が多く見られます。

 

 全てを諦めていたギルベルトヴァイオレットの手紙を読み、一心不乱に駆けだすという展開。

 ヴァイオレットにとってのギルベルト「みちしるべ」であるように、ギルベルトにってのヴァイオレット「みちしるべ」になるというエモすぎる関係性です。

 

 舞台挨拶で石立監督が、

 

 「手紙の最後の一文は映画内で言葉にしていませんが、その一文がギルベルトが走り出す原動力となった一文。ぜひ考えて見て欲しい。」

 

 とおっしゃられていました。

 ここに関してはぜひ皆さんの考える答えをコメント等で教えていただけると嬉しいです。

 

"グッドサイン"、"指切り"

f:id:ulotti:20200920195627j:plain©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

 映画を彩るポーズとして強く印象に残っているのが"グッドサイン""指切り"

 "グッドサイン"ヴァイオレットユリスユリスリュカデイジーとエカルテ島の郵便局員が行っています。

 これは想像に過ぎませんが、ユリスからヴァイオレットに伝わった"グッドサイン"の文化が、ヴァイオレットからエカルテ島の人々に伝わり、その後60年以上島で使われ続けるポーズになったと思うと絶えない想い意思のつながりを感じます。

 

 "指切り"は、ヴァイオレットユリス、そしてヴァイオレットギルベルトが最後のシーンで行っています。

 本当の気持ちを伝えるうえで、言葉よりもさらに上位の方法としての"指切り"

 ユリスとの"指切り"と共にした約束をあんなに一生懸命守ろうとしたヴァイオレットが描かれたからこそ、最後の"指切り"は二人の永遠の誓いを感じる非常に印象的なカットになりました。

 

「WILL」、「未来のひとへ」

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』主題歌「WILL」

©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

 エンディングで流れたのはTRUEさんが歌う主題歌「WILL」とエンディングテーマの「未来のひとへ」。

 「WILL」が流れることはもちろん考えていましたが、同CDに収録されている「未来のひとへ」まで劇場版で流れるとは想像しておらず、大変驚きました。

 

雨はあがり 雲は流れ 次の街へ

過ちは 色褪せぬまま残るのでしょう

それでも 私は歩いていく

 

出典:「WILL」/ TRUE

 雨が降ってもいつかは晴れるというような歌詞は色々な楽曲で見かけることがあります。

 そうではなく、過ちは次の街へ行くだけで残り続けるそれでも先に進むんだという歌詞は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』と全力で向き合い続けてきた唐沢美帆さんだからこそ出てくる言葉。

  ヴァイオレットにも、ギルベルトにも、聴いている私たち一人一人にも消すことのできない過去の過ちが必ずあるはず。

 その過去も含めて自分なんだと受け止め、前に進んでいこうという強いメッセージは『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』にもぴったりですし、私たちの人生にも寄り添う一生大切にしていきたい楽曲です。

 

 「WILL」には"指切り"というワードも歌詞に出てくるのですが、Movie ver.ではあえてそのワードが出ないようなアレンジになっています。

 ここにどのような意図があったのかも非常に気になるところです。

 

あなたが生きる

未来にはどれだけ

言葉が溢れているの

そこに 愛してるは あるのかな

こころが選ぶ

場所へと歩き出す

そこにあなたがいて

なんて小さな夢を見る

会いたい

 

出典:「未来のひとへ」/ TRUE

 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の世界はまだまだ通信技術も発展途中で、伝えたい思いが伝えられないこともしばしば。

 その一方、現在我々がいる世界は会いに行こうと思えばどこへでも会いに行けるし、SNS等で気軽に思いを発信できる、言葉が溢れる世界です。

 だからこそ、言葉の重みが軽んじられて容易く言葉で人を傷付けてしまいます

 そんな我々に言葉の強さ想いを伝える大切さを気付かせてくれる非常に素敵なフレーズ

 

 「未来のひとへ」は石立監督が非常に気に入っている楽曲でもあり、劇中に多くのエッセンスが取り込まれています。

 一曲丸々、どこまでも『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の世界に寄り添いながら普遍的な我々へのメッセージが感じ取れる楽曲です。

 ぜひ歌詞カードと全力で向き合って、

 あなただけが感じるこの楽曲と『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の繋がりを

 あなただけが受け取れるこの楽曲からのあなたへのメッセージを

 共に受け取りましょう。

 

おわりに

 本作の魅力はもちろん、京都アニメーションさんの作品全体が好きということや、アーティスト・TRUEさん作詞家・唐沢美帆さんのファンであるということも相まって、

 自分にとって本当に特別な作品となった『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

 きっとこの記事を読んでいる一人一人にとっても、それぞれこの作品に強い思い入れがあると思います。

 Twitterのハッシュタグで呟いて作品全体を盛り上げるのはもちろんですが、ネタバレ回避としてSNSで書き辛い意見や感想などあれば、ぜひこの記事にコメントしていってください。

 自分はこの作品を全肯定した記事を書きましたが、批判的な意見も大切な考え方。

 ぜひあなただけの想いを残していってもらえればなと思います。

 

 最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。もし記事が良かったなと思ったらSNSへのシェア、Twitterのフォロー等、ぜひともよろしくお願いいたします。

 今後もアニメに関する記事を毎日投稿していきますので、ぜひご覧ください。

 また次の記事で!