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『天晴爛漫!』アメリカ大陸横断カーレースを通して描かれる出会いやキャラクター!西部劇の雰囲気が気持ち良い名作オリジナルアニメ!【感想・考察・評価】

 アメリカ大陸横断。

 様々な時代で描かれる非常に魅力的なテーマです。

 19世紀末から20世紀の西部開拓時代や、ルート66が開通してからの時代。

 そんなロマンが詰まったアメリカ大陸横断をカーレースで描きつつ、個性豊かなキャラクター達が暴れまわった名作『天晴爛漫!』について語っていきたいと思います。

『天晴爛漫!』とは

appareranman.com


「天晴爛漫!」PV第3弾!

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

あらすじ

 19世紀が終わりを告げ、

 20世紀の幕が上がろうとしている時代…

 天才だが社交性0のエンジニア『空乃天晴』と、

 凄腕だが臆病な侍『一色小雨』は

 ある事故で日本からアメリカに漂流してしまう。

 

 無一文の二人が日本へ帰るために選んだ方法は、

 「アメリカ大陸横断レース」に参加すること。

 スタートは西海岸ロサンゼルス、ゴールはニューヨーク。

 

 自作の蒸気自動車で荒野を駆け抜け、

 クレイジーなライバルと競い合い、

 アウトローや大自然から身を守り…

 

 果たして二人は

 過酷なレースに優勝し、

 賞金を手に入れ故郷へ

 

 帰ることが出来るのか!?

 

引用元:『天晴爛漫!』公式HP INTRODUCTIONより

スタッフ

原作:APPERRACING
監督・シリーズ構成・ストーリー原案:橋本昌和『TARI TARI』『ソウルイーターノット!』『ハルチカ 〜ハルタとチカは青春する〜』
キャラクター原案:アントンシク
キャラクターデザイン・総作画監督:大東百合恵
メカニックデザイン:竹内志保『南海奇皇』『エウレカセブンAO』『天狼 Sirius the Jaeger』
美術監督:杉浦美穂
撮影監督:並木 智
色彩設定:中野尚美
3D監督:市川元成
編集:髙橋 歩
音響監督:飯田里樹
音響効果:中野勝博
サウンドミキサー:安齋 歩
音響制作担当:久住善典、西村隆正
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
音楽:Evan Call『東京ESP』『ビッグオーダー』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
音楽制作:ランティス
ロゴ執筆:涼 風花
アニメーション制作プロデューサー:辻 充仁
アニメーション制作:P.A.WORKS
製作:天晴製作委員会

キャスト

空乃天晴:花江夏樹
一色小雨:山下誠一郎
ホトト:悠木 碧
ジン・シャーレン:雨宮 天
アル・リオン:斉藤壮馬
ソフィア・テイラー:折笠富美子
ディラン・G・オルディン:櫻井孝宏
TJ:杉田智和
ギル・T・シガー:津田健次郎
チェイス・ザ・バッド:稲田 徹
トリスタン・ザ・バッド:小野大輔
セス・リッチ・カーター:興津和幸

ピックアップポイント

レースを通して描かれる新たな出会いとキャラクターの掘り下げ

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

 ストーリーのメインとなるのは「アメリカ大陸横断レース」なのですが、大会が始まったのは第6話から。

 その後も様々な事件トラブルで大会は何度も中止の危機に陥り、レースをしている描写は尺的にはそれほど長くはありませんでした。

 

 だからこそ描かれたのは大会に臨む天晴小雨の想いや、他キャラクターの魅力。

 本作のオファーがKADOKAWAから来た時はゴルフで大陸横断をするというプロットだったということから、本作で一番描きたかったのは大会を通じて描かれる登場人物の心理描写だったということが伝わってきます。

 

 あまり一つの作品を他作品で例えるのは好きではないのですが、

 『ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン』に全体的に近しい雰囲気を感じました。

 舞台はどちらも19世紀末で、同じ「アメリカ大陸横断レース」なので設定上どうしても雰囲気が似るのは仕方のないところです。

 

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

 天晴小雨の関係性はもちろん、

 復讐を誓って旅をするホトト

 女性という当時のハンディキャップを乗り越えてレーサーを目指す景・夏蓮

 お金持ちで天晴の良きライバルのアル・リオン

 伝説のアウトロー「サウザンドスリー」のディランTJギル

 見た目とは裏腹に優しい心を持つバッド兄弟など、

 数多くのキャラクターが非常に魅力的に描かれます。

 

 最初は敵対関係だったキャラクターも、レースが進むごとに段々とお互い分かり合い、成長していく姿は"人生"という名のレースを見ているようでした。

 

19世紀末アメリカ、独特なキャラクターデザインから感じる絶妙な雰囲気

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

 『ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン』を読んだ時も感じましたが、この作品もいわゆる西部劇の時代を描いた作品の独特な良い雰囲気がある作品です。

 様々な国の人が入り混じり個性あふれる国民性や、国がどんどん発展していく過程の描写、砂ぼこりが舞う乾いた風。

 現代の日本にはないその雰囲気には強いあこがれを抱きます。

 

 今作が初めてメインでキャラクターデザインを担当になったとは思えない、大東百合恵さんの独特なデザインはその雰囲気をより強固なものにしてくれました。

 

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

 を基調とした独特な天晴のデザインは、日本人感を残しつつも常人ではない天才感を醸し出しています。

 逆に小雨はTHE・日本人というわかりやすいデザインで、天晴との対比がお見事です。

 

 アメリカ先住民族のホトト、中華系移民の景・夏蓮、ヨーロッパから来たアル・リオンたちサブキャラクターも、髪型・服装・小物を一目見ただけで出身地や性格まで伝わってくるように描かれています。

 

 アウトロー無法者たちも数多く出てくる作品ですが、一人一人個性が強い。

 かなり明るめな色もふんだんに使われており、画面を見ているだけで楽しい作品でした。

 

 そんな個性豊かなキャラクター達ですが、キャスティングも豪華でぴったり

 特に自分が感動したのは、圧倒的な演技幅の広さを感じさせるホトト役の悠木碧さんと、悪の限りを尽くすギル役の津田健次郎さんの悪辣な演技でした。

 

スピード感溢れるオープニングとブルージーなエンディング

 ランティスでがっちり支えられた音楽面。

 オープニングテーマは、

「I got it!」/ Mia REGINA


Mia REGINA / I got it! Music Video [short ver.]

作詞:ささかまリス子 作曲・編曲:神田ジョン

 歌うのは『装神少女まとい』の「蝶結びアミュレット」、『citrus』の「Dear Teardrop」、『可愛ければ変態でも好きになってくれますか?』の「無謬の花」などでお馴染みMia REGINAさん。

 作詞はMia REGINAのメンバーでもある、ささかまリス子さん。

 作曲及び編曲はPENGUIN RESEARCHのメンバーでもあり、数々のアーティストに楽曲を提供するアニソンシーンを代表するギタリスト、神田ジョンさんが担当しています。

 

 ゴリゴリのギターサックスが目立つ、ハイスピードなジャズとロックの融合が見られる楽曲で、レースをテーマにした『天晴爛漫!』にぴったり。

 口笛の音も耳に心地良いです。

 

 歌詞はそのスピード感をより増すような気持ちの良い繰り返しが多い英語で、とにかく前に進めというメッセージを超えて、暴走するぐらいツッコめというアッパーな内容になっています。

 ぜひライブで聴きたい1曲です。

 

 個人的には前回のあらすじからオープニングに入っていく導入の気持ちよさと、オープニングが終わった後の小雨の一人語り提供も大好きで、毎話毎話オープニングを見るのが非常に楽しみでした。

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

 

 エンディングテーマは、

「I'm Nobody」/ 森久保祥太郎


森久保祥太郎 - I'm Nobody(TVアニメ「天晴爛漫!」エンディング主題歌) Music Video short ver.

作詞:森久保祥太郎 作曲・編曲:井上日徳

 歌唱及び作詞は、声優としてはもちろん、DJ、音楽活動、舞台なども非常に盛んに行っている森久保祥太郎さん。

 作曲・編曲はKinKi Kidsさんや小泉今日子さん、光GENJIさんなどにも楽曲を提供している井上日徳さんが担当されています。

 

 エンディングテーマはオープニングとはうってかわって、そのお話をじっくり味わうようなブルージーカントリーな楽曲。

 何泊もしながら行う長いレースの束の間の休憩の様子が想起されます。

 

 歌詞は、自分の可能性を信じて突き進む天晴の性格にぴったり。

 

明日を塗り替えろ 鮮やかに

まだ何者でもない Don't look back!!

 

出典:「I'm Nobody」/ 森久保祥太郎

 まだ何者でもない天晴が、わき目もふらず自分の大好きなメカニックに打ち込む姿は本作の魅力の一つでもあります。

 インタビューでも森久保祥太郎さんは、未だ自分自身も何者かになったわけではなく、これからも先に進んでいきたいと話していました。

 そんなメッセージはこの歌を聴く自分たちも強く感じるところで、作品と併せて何かに夢中になって真っすぐ突き進むカッコよさを今一度実感することが出来ました。

 

おわりに

  オリジナルアニメ故の先の見えないドキドキ感と、西部劇の独特な雰囲気、個性豊かなキャラクターと、非常に魅力的な要素が詰まった作品でした。

 車についてあまり詳しくないのですが、エンジン音や、荒野を駆けるタイヤの音などレースに関係する部分も非常に細かく考証がなされていたと感じました。

 アニメでこの時代の作品を描くことはあまりない気がするので、西部劇やルート66関連の映画も見てみたいなあと思いました。

 

 天晴と小雨の関係性が大好きだった!

 

 アウトローたちが個性的で面白かった!

 

 など意見や感想があればコメントしていただけると嬉しいです。

 

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 また次の記事で!