シャーロック・ホームズ。
言わずと知れた、世界でもっとも有名な架空の名探偵。
『名探偵コナン』、『ミルキィホームズ』、『歌舞伎町シャーロック』などアニメだけで考えても彼がモチーフになったり登場したりする作品は枚挙にいとまがありません。
ということで今回は、そんなシャーロックホームズのライバルであるモリアーティにフォーカスをし、イギリスの階級制度を破壊するために様々な殺人計画を練っていく名作、
『憂国のモリアーティ』について語っていきたいと思います。
『憂国のモリアーティ』とは
あらすじ
19世紀末。産業革命が進む中、着実に勢力を拡大し栄華を極めたイギリス。
しかし技術の進歩と発展とは裏腹に、古くから根付く階級制度によって、人口の3%にも満たない貴族たちが国を支配していた。
当たり前のように特権を享受する貴族。明日の暮らしもままならないアンダークラス。
人々は生まれながらに決められた階級に縛られて生きている。ウィリアム・ジェームズ・モリアーティは、そんな腐敗した階級制度を打ち砕き、理想の国を作り上げるために動き出す。
シャーロック・ホームズすら翻弄した“犯罪卿”モリアーティ。
犯罪による革命が、世界を変える――
スタッフ
原作:構成/竹内良輔 漫画/三好 輝(集英社「ジャンプSQ.」連載)
監督:野村和也『戦国BASARA弐』『ジョーカー・ゲーム』『風が強く吹いている』
シリーズ構成:雑破 業(1クール目)、岸本 卓(2クール目)
キャラクターデザイン・総作画監督:大久保 徹『戦国BASARA』
色彩設計:野田採芳子
美術監督:谷岡善王(美峰)
撮影監督:田中宏侍、髙橋文花
3D監督:熊倉ちあき(IKIF+)
編集:植松淳一
音響監督:はたしょう二
音楽:橘 麻美『青春×機関銃』『ダーリン・イン・ザ・フランキス』『ソラとウミのアイダ』
アニメーション制作:Production I.G
キャスト
ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ:斉藤壮馬
アルバート・ジェームズ・モリアーティ:佐藤拓也
ルイス・ジェームズ・モリアーティ:小林千晃
セバスチャン・モラン:日野 聡
フレッド・ポーロック:上村祐翔
シャーロック・ホームズ:古川 慎
ジョン・H・ワトソン:小野友樹
ピックアップポイント
モリアーティ視点で描かれるホームズとの物語
モリアーティと言えば、名探偵ホームズの永遠のライバル。
どの作品でも緻密な殺人計画を企てる悪の象徴的キャラクターですが、本作ではモリアーティ目線で物語が描かれます。
最大の注目ポイントは何と言ってもモリアーティが殺人を企てる動機。
古くから根付く階級制度によって少数の貴族が国を支配し、平民を下僕のように扱うのが当たり前になったイギリスを憂い、その貴族の悪事を暴いて殺すことによって、階級制度を破壊しようとしているのです。
まさに『憂国のモリアーティ』。
だからこそ、無差別に殺人を企てるわけではなく、殺されて然るべき悪人の貴族のみを狙った、美学のある殺人を計画します。
第1クールでは6つの事件に関与。
キャラクターの個性はもちろん、この世界のイギリスがいかに腐敗しているかの表現、そして最後まで真相がわからない緻密に練り込まれた計画と、1つ1つの事件が見所十分。
第1クールではイギリスを変えるというところまでには至りませんが、その序章として非常にワクワクする展開が続きました。
美青年勢揃い
怖いほどに美しいモリアーティですが、周囲の人物も美青年揃い。
三兄弟として描かれるモリアーティはもちろんのこと、何と言ってもシャーロック・ホームズがとにかくカッコいい。
個人的にシャーロック・ホームズと言えば真面目なイメージがありましたが、本作のホームズは破天荒。
事件解決のためなら悪事だって働きかねない勢いで、タバコもたくさん吸うし、指にはいかつい指輪をはめています。
貴族らしく理路整然と理詰めで追い詰めていくモリアーティと、徹底した現場観察で証拠を集めつつ勢いで押していくホームズの対比がたまりません。
流石は世界を代表するライバル関係。
他にも「ロンドンで2番目に危険な男」、セバスチャン・モランや、フレッド・ポーロックなど魅力的なキャラクターが盛りだくさん。
第1クールではモリアーティとホームズにフォーカスした話が多かったですが、第2クールでどのような活躍を見せてくれるのか非常に楽しみです。
オープニングテーマ「DYING WISH」/ 畠中祐
畠中 祐 / DYING WISH -Music Clip Short ver.- (TVアニメ『憂国のモリアーティ』オープニング主題歌)
歌うのは『ナカノヒトゲノム【実況中】』の「not GAME」や、『ウルトラマンZ』の「Promise for the future」でおなじみ畠中祐さん。
作詞は特撮や『ハヤテのごとく!』で知られるマイクスギヤマさん。
作曲・編曲はアニソン界に革命をもたらしたスウェーデンの作曲家・Rasmus Faberさんが担当しています。
曲調は『憂国のモリアーティ』らしい、非常にダークな雰囲気。
ウィスパーボイスで歌うAパートと、真っすぐな意志のこもったBパート・サビのギャップが非常に素敵です。
歌詞は絶望の中に希望の光を見出すかのような内容。
イギリスを変革するという大きな目的の為に、殺人と言う犯罪行為をしているモリアーティの光の部分と闇の部分、どちらも感じられるフレーズが多く散りばめられています。
誰かの悲鳴を
磔ては嗤う
Bloody world 希望のない差別社会
幸福は咲かない
虐げられたまま
その手を 拱いているより さぁ
終わりを始めよう
出典: 「DYING WISH」/ 畠中祐
処されるべき悪い貴族が殺され、それでスッキリするかと思いきや、やはり殺人と言う行為に何処かわだかまりが残る本作の読後感が歌詞にもしっかりと現れています。
畠中祐さん自身は今のところ本作に出演はしていませんが、この歌を見事に歌い切った彼ならばきっと素晴らしい演技をしてくれるはず。
第2クールでの出演にも大きな期待がかかります。
エンディングテーマ「ALPHA」/ STEREO DIVE FOUNDATION
ALPHA(TVアニメ『憂国のモリアーティ』エンディング主題歌)- STEREO DIVE FOUNDATION - [Official Video]
歌うのは『境界の彼方』のDaisy、『GANGSTA.』の「Renegade」などでおなじみ、STEREO DIVE FOUNDATIONさん。
作詞・作曲・編曲はもちろんR・O・Nさんが担当しています。
STEREO DIVE FOUNDATIONさんらしい、電子音モリモリのカッコいい楽曲ですが、やはり目を引くのはエンディング映像。
子供の頃のモリアーティ達が、絵の具を使って壁にお絵かきをしているという一見平和で可愛いエンディング。
ただそこにある真意は、絵の具=血で汚れてでも理想の世界をつかみ取るんだというt強いメッセージ。
タイトルのALPHAも、先頭というニュアンスで、自分たちが世界を変えるんだという気持ちが込められているのでしょう。
自己犠牲のような必要悪
誰も知り得ない正義で
同じ罪を背負った同士と
断ち切り難い絆を誇れ
出典:「ALPHA」/ STEREO DIVE FOUNDATION
ここの歌詞を聴くだけで鮮明に思い出される第1話から第3話。
一蓮托生、引くことの許されない3人がエンディングでは無邪気にお絵かきをしているというギャップがたまりません。
メロディやリズム感が重視されていて、歌詞を聞き取ることが難しいSTEREO DIVE FOUNDATIONさんの楽曲ですが、一言一句が作品に寄り添っている本当に素晴らしい楽曲です。
配信情報
各種見放題サービスにて絶賛配信中です。
第1クールは何とたったの11話で終了。
これから話が面白くなるというところで、第2クールの放送を待つことになり、既に首を長くして待っている状況です。
モリアーティとホームズの直接対決はもちろんのこと、モリアーティの周囲の人間がこれからどう物語に絡んでくるのか非常に楽しみです。
来年の4月まで繰り返し本作を見て、モリアーティ愛を高めておきましょう。
わたしはこのキャラが好き!
早く原作のあの話が見たい!
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