モンスター娘。
『モンスター娘のいる日常』、『セントールの悩み』、『異種族レビュアーズ』などここ数年でも数多くアニメ化されており、ある程度の理解はあるものの、種族によっては否定的な意見も出てしまうニッチなジャンルです。
そんなニッチなジャンルの中でも本作は更にニッチ。
直接的なえっちな行為はほとんどなく、真剣な医療行為を通じて、モンスター娘の魅力や、街全体の温かな雰囲気を描く名作『モンスター娘のお医者さん』について語っていきたいと思います。
『モンスター娘のお医者さん』とは
あらすじ
ここは魔族と人が共に暮らす街“リンド・ヴルム”。
新米医師のグレン先生、今日もキワドイ診察中――!?マーメイドのエラを奥まで診察したり
フレッシュゴーレムの太ももを縫合したり
ハーピーの産卵をお手伝いしたり
ドラゴンの鱗を隅々まで触診したり見た目も構造も性質も異なる彼女達を救うため、
全力で診察しているだけなのに、
なぜかいつもアブナイ♥雰囲気に……?
でも大丈夫、100%医療行為だから問題なし!ラミア族の助手・サーフェの尻尾の締め付けに
窒息しかける時もあるけれど、
今日も診療所は開かれる!史上初!モンスター娘の生態に迫る、
メディカルファンタジー開幕!!
スタッフ
原作:折口良乃/イラスト:Zトン『モンスター娘のお医者さん』(集英社ダッシュエックス文庫刊)
監督:岩崎良明『ゼロの使い魔』『ミス・モノクローム -The Animation-』『ぼくたちは勉強ができない』
シリーズ構成:白根秀樹『夢喰いメリー』『キルミーベイベー』『ラストピリオド -終わりなき螺旋の物語-』
キャラクターデザイン:加藤裕美『ギルティクラウン』『ファンタジスタドール』『ID-0』
美術監督:桑原 悟
プロップデザイン:岩永悦宜
色彩設計:勝田綾太
撮影監督:國重元宏
編集:木村祥明
音楽:TO-MAS『ももくり』『彼女と彼女の猫 -Everything Flows-』『フリップフラッパーズ』
音響監督:明田川 仁
音響制作:マジックカプセル
アニメーション制作:アルボアニメーション
キャスト
グレン・リトバイト:土岐隼一
サーフェンティット・ネイクス:大西沙織
ティサリア・スキュテイアー:ブリドカット セーラ 恵美
ルララ・ハイネ:藤井ゆきよ
アラーニャ・タランテラ・アラクニダ:嶋村 侑
スカディ・ドラーゲンフェルト:種﨑敦美
苦無・ゼナウ:河瀬茉希
イリィ:鈴代紗弓
メメ・ルドン:岡咲美保
ケイ・アルテ:ファイルーズ あい
ローナ・アルテ:M・A・O
ディオネ・ネフィリム:金元寿子
クトゥリフ・スキュル:ゆかな
ピックアップポイント
モンスター娘の生態がわかる医療行為と町全体の優しい雰囲気
本作は主人公であるグレン先生が、ラミア族の助手・サーフェと共に街に住む様々なモンスター娘の病気やケガなどを診療していくアニメ。
モンスター娘たちの敏感なところを丁寧に、優しく診ていくグレン先生に、多くのモンスター娘たちが好意を持ちます。
モンスター娘作品は数あれど、お医者さんという設定を通して描かれるのは他の作品にはない、ニッチな個性やフェチフェチしい姿。
ただでさえニッチであるモンスター娘というジャンルで、直接的なえっちな行為ではなく、医療行為としてより深くモンスター娘たちの特性や煽情的な姿を描くのは、原作者の強い"モンスター娘愛"を感じます。
個人的に、このアニメ凄いな…と感心したのが第2話「水路街のマーメイド」にて、マーメイドの少女・ルララのエラを触診するシーン。
ぬめりけのある液体でテカテカ光った手と、その指の入れ方を見ると卑猥なシーンにしか見えませんが、陸上で活動する時間が長いせいでエラが炎症を起こしているのをグレン先生が発見しています。
まず、マーメイドのエラに指を突っ込むという考え方が自分にありませんでしたし、真剣に触診として行っている行為と、その見た目やマーメイドの少女・ルララの喘ぎ声のギャップは、自分のまだ見ぬ世界の扉を開けてくれるようでした。
ついでにもう一つ紹介しておきましょう。
第8話「進撃のギガス」にて、巨神・ディオネの口腔内を診察しているシーンです。
もう何の説明するまでもなく、このシーンのフェチフェチしさは画像から伝わることかと思います。
この口の中からのアングルというのも凄いですよね。
『七つの大罪』のディアンヌは自分も含め多くの男子の性癖を歪めたであろう巨人族の女の子ですが、他のモンスター娘作品ではそこまで巨人族というのは出てきません。
割とニッチな種族で、しかも口腔内の診察。
少し嫌悪感を抱く人もいれば、性癖にぶっ刺さる人もきっと多いはず。
口腔内はちょっと…
という人も大丈夫。
巨神・ディオネの大きなおっぱいに埋もれていくシーンのような、この世の全ての男性の夢がかなう瞬間も多数あります。
モンスター娘たちが可愛いのはもちろんなのですが、この作品の土台を支えるのはグレン医師の病気や怪我に向き合うまっすぐな気持ち。
温和で優しく、モンスター娘たちに好かれても一切調子に乗ることなく、目の前の患者さんに全力で向き合う姿勢には好感しかありませんでした。
土岐隼一さんの不要な"男らしさ"を消した演技も本作にぴったり。
確かにこのお医者さんに病気や怪我を治してもらったら好きになってしまう、素直にそう思える素晴らしい主人公です。
主人公はもちろん、治療してもらうモンスター娘も、そうでないモンスター娘も、みんな非常に温かく、街の雰囲気が素晴らしい。
一人一人がその個性を生かして、街の人々と助け合いながら過ごしています。
綺麗で細部までこだわられた背景描写も相まって、「魔族と人間が共存する街」リンド・ヴルムはぜひとも暮らしてみたい本当に素敵な街として描かれました。
原作者もアニメ制作側も、本当にモンスター娘と同時にこの作品が大好きなんだなと感じましたし、その魅力が伝わるような作品作りのこだわりは、見た人一人一人の胸にしっかりと刻まれたことと思います。
個性豊かなモンスター娘たち
サーフェンティット・ネイクス、通称・サーフェ。
大西沙織さんが演じるラミア族の女の子です。
一途にグレン先生を想う女の子らしさや、他のモンスター娘たちに対してヤキモチを焼いているところが非常に可愛らしく、薬剤師としても優秀で、先生の診療に大いに貢献しました。
ティサリア・スキュテイアー、通称・ティサリア。
ブリドカットセーラ恵美さんが演じるケンタウロス族の女の子です。
お嬢様・ツンデレ・アホの娘という非常にわかりやすいキャラクター。
アニメ内では一番最初にグレン先生が診療したモンスター娘でもあり、ティサリアさんの可愛さでこの作品にグっと心をつかまれた人も多いはず。
ティサリアの侍女である、ケイとローナも非常に魅力的でした。
ルララ・ハイネ、通称・ルララ。
藤井ゆきよさんが演じる人魚族の女の子です。
思春期でお年頃、一人称はボク、金髪ショートカットに八重歯。
好きにならないはずがありません。
歌唱担当のShayleeさんの歌声も素晴らしく、水が豊富なリンド・ヴルムの背景とも相まって、ルララが歌うシーンではまるでネオ・ヴェネツィアに来たかのような幸せな気持ちになりました。
アラーニャ・タランテラ・アラクニダ、通称・アラーニャ。
嶋村侑さんが演じるアラクネ族の女の子です。
結構クモが苦手な人って多いかと思いますが、個人的にアラクネ族は大好きです。
たくさんある手や、一度絡まったら逃げられないクモの糸でなぶられたい男性も多いはず。
あと何故か、アラクネ族って巨乳のことが多い気がしますよね。
他人にちょっかいをかけるのが大好きな性格が可愛らしく、ストーリーでも非常に重要な役割を担っていました。
このブログの画像でもちょくちょく出てくる白濁液はアラーニャさんのクモの糸で、そういう意味でも非常にありがたいキャラクターです。
イリィ。
鈴代紗弓さんが演じるハーピー族の女の子です。
燃えるような赤毛が非常に美しく、冠羽と言われるハーピー特有のアホ毛も可愛らしい。
スラム街で育ち、奴隷商に捕まっていたという、本作でも一番バックボーンが重いキャラクターで、人間不信なところがあります。
だからこそグレン先生の優しさが光るシーンもあり、自身の活躍はもちろんのこと他のキャラクターやストーリーを引き立てる役割も担っていました。
羽が生え変わる前と後の差にも要注目です。
スカディ・ドラーゲンフェルト、通称・スカディ。
種﨑敦美さんが演じるドラゴン族の女の子です。
非常に可愛らしい女の子の見た目をしていますが、1000年近く生きており、「魔族と人間が共存する街」リンド・ヴルムを発展させた第一人者でもあります。
今までのモンスター娘たちもたくさん褒めてきて、みんな大好きだなあと思っていましたが、スカディさんの可愛さはピカイチ。
議会や民衆の前での堂々とした態度と、心を許した人の前で見せる甘えん坊であどけない態度のギャップに堕ちない人はいないはず。
種崎敦美さんのとろけるような甘い声に、僕のハートもドロドロに溶かされてしまいました。
他にも、フレッシュゴーレムの苦無さんや、サイクロプスのメメ、ギガス族のディオネ、下半身がタコのようなスキュラ族のクトゥリフさんなど魅力的なキャラクターが盛りだくさん。
きっとお気に入りのモンスター娘の女の子が見つかるはずです。
オープニングテーマ「カンパネラ響く空で」/ ARCANA PROJECT
歌うのは本作が初タイアップ、ディアステージとランティスが共同でプロデュースしたARCANA PROJECTさん。
作詞は『アイドリッシュセブン』や、『ひとりぼっちの〇〇生活』、田所あずささんの「RIVALS」など多くの作品に携わる安藤紗々さん。
作曲・編曲は『ラブライブ!』や『ミルキィホームズ』、StylipSさんなどに楽曲を提供、アニソン界を代表する作曲家、高田暁さんが担当されています。
タイトルのカンパネラは、「小さい鐘」の意味。
オープニング映像の冒頭ではリンド・ヴルムの鐘が映し出されており、カンパネラの意味を知っている人はこだわりを感じられたはず。
歌詞はどちらかというと、ARCANA PROJECTのこれからを歌うような内容ですが、Cメロ(落ちサビ?)はちょっとアニメともリンクしています。
ひとりひとり違うからこそ
一歩一歩すすめるのさ
出典:「カンパネラ響く空で」/ ARCANA PROJECT
個性豊かなモンスター娘たちがお互いに協力し合って暮らしている風景が目に浮かぶような気がします。
このあとのラスサビすぐに跳びポイントがあるので、ライブで披露されたときはしっかりと跳びましょう。
エンディングテーマ「やさしさの名前」/ 鈴木愛奈
鈴木愛奈 - やさしさの名前《Suzuki Aina - Yasashisa no namae》
歌うのは『はてな☆イリュージョン』の「ヒカリイロの歌 」、『いわかける! -Sport Climbing Girls-』の「もっと高く」など、ソロ活動も絶好調の鈴木愛奈さん。
作詞は『ドラゴンボールシリーズ』や『ゼロの使い魔シリーズ』、『アイドルマスターシリーズ』など数々の作品を提供してきた森由里子さん。
作曲はこの曲しか情報が無い戸田一義さん。
編曲もほぼこの曲しか情報が無いIKWさんが務めています。
子供の頃は民謡の世界で大活躍をしていた鈴木愛奈さん。
民謡の歌い方の良い味が特によくこの楽曲では生かされています。
声が可愛いとか見た目が良いとかそういう表面的な部分だけではなく、鈴木愛奈さんにしか歌えない歌い方がしっかりと確立しているのは、声優アーティストとしてのこれからも非常に楽しみです。
歌詞はグレン先生の診療を受けたモンスター娘たちが感じた、優しい気持ちを言葉にしたような暖かいフレーズがたくさん。
リンド・ヴルムの街全体の雰囲気も相まって、エンディングテーマとして聴くと優しい世界だなあとしみじみしてしまいます。
心に寄り添うような鈴木愛奈さんの歌声は本当に素敵です。
sunlight おひさまみたいな心が
もう みんなにうつればいいよね
そう heart's light たくさんの愛を
分け合えますように
だけど恋は私だけにね…
きっといつか
出典:「やさしさの名前」/ 鈴木愛奈
2番サビのここの歌詞は、サーフェの気持ちそのもの。
ヤキモチを焼いているような歌詞もたまりません。
愛に溢れた作品にふさわしい、素晴らしいエンディングテーマでした。
おわりに
アッと驚く展開や、恋に落ちずにはいられないハプニングがあったりするわけではないのですが、見れば見る程好きな気持ちが高まっていくこの作品。
『もんむす・くえすと!』の全グラフィックを集めるぐらいにはモンスター娘が大好きな僕ですが、この作品を見て新たなモンスター娘の魅力を感じることも出来ました。
モンスター娘に苦手意識を持っている方にもぜひおすすめしたいアニメです。
スカディちゃん可愛かった!
この作品でモンスター娘に目覚めた!
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また次の記事で!