エロアニメ。
本番シーンの作画に大変な労力を要し、かといってストーリー部分にはほとんどの人が興味を示さないという非常に難しいジャンルです。
そんな業界から巨匠・辰美監督が殴り込み。
豪華声優陣を引っ提げて、大人な内容で、かつ展開も非常に面白かった『ピーター・グリルと賢者の時間』について語っていきたいと思います。
『ピーター・グリルと賢者の時間』とは
©檜山大輔/双葉社・「ピーター・グリルと賢者の時間」製作委員会
あらすじ
ここは、剣と魔法の世界――
ヤケッパチ戦士ギルド所属のピーター・グリルは、見事に武闘祭を勝ち抜き、地上最強の男の称号を手に入れた!
これで、恋人ルヴェリアとの結婚も認めてもらえるだろう。しかし、大いなる力には大いなる代償がともなう…。
オーガ。エルフ。オーク。
地上最強の遺伝子を狙う様々な異種族の女たちが、
ピーターの子種を狙い、今まさに蠢きだそうとしていた。なぜ人は、事が終わってからこんなにも冷静になるのだろうか。
かつて誰も見た事がない、地上最強の賢者タイムがやってくる!
スタッフ
原作:『ピーター・グリルと賢者の時間』(双葉社 アクションコミックス)檜山大輔
監督:辰美『戦乙女ヴァルキリー2』『3Ping Lovers!☆一夫二妻の世界へようこそ♪ THE ANIMATION 』『あの団地の妻たちは… The Animation』
脚本:毛利のら『奇異太郎少年の妖怪絵日記』
キャラクターデザイン:石毛るい
アニメーション制作:ウルフズベイン
キャスト
ピーター・グリル:下野 紘
ティム・ロビンソン:浅水 健太朗
ルヴェリア・サンクトゥス:二ノ宮 ゆい
ミミ・アルパカス:竹達 彩奈
リサ・アルパカス:山村 響
ビーガン・エルドリエル:上原あかり
ピグリット・パンチェッタ:千本木彩花
ピックアップポイント
アダルトアニメ界の巨匠が地上波に殴り込み
©檜山大輔/双葉社・「ピーター・グリルと賢者の時間」製作委員会
監督を務めるのは数々のアダルトアニメを手掛けてきた辰美さん。
太めの体型や、肉厚な唇から「豚作画」として愛され、一目見ただけで辰美さんの作品だなあとキャラクターデザインでわかるのが大きな特徴。
もしかすると、あなたも知らないうちにお世話になっているかもしれません。
余談ですが、特にこの人だけは押さえておいた方がいいと思うアダルトアニメの監督をお伝えしておきます。
特にむらかみてるあきさんの作品を見たことがないのは人生の損失。
その高速ピストン描写はアダルトアニメであることも忘れて、1本のアニメーション・芸術作品として思わず見入ってしまうほど。
内容がマニアックなので万人におすすめはできませんが、とりあえず『黒愛』は必修作品です。
アダルトアニメの監督作品ということで潔いほどに、エロへの描写がスムーズ。
子種を狙う異種族の女性陣の誘惑にあっという間に屈服してしまう流れは見ていて爽快です。
ある意味では不倫・浮気というような捉え方もできる作品なのですが、そういった不快感を感じさせないギャグテイストも非常に良く効いています。
モザイクが多い通常Ver.と、モザイクが減った大賢者Ver.が配信されており、AT-XやBD・DVDにはさらに規制が緩和された超賢者Ver.も配信・収録されています。
自分は地上波で通常Ver.を見ており、この記事を書く際に大賢者Ver.も確認しましたがかなりモザイクが減っていてびっくりしました。
正直なところ超賢者Ver.も非常に気になっています。
豪華声優陣による大人な演技
©檜山大輔/双葉社・「ピーター・グリルと賢者の時間」製作委員会
いや、本番シーンも描かれない規制だらけの作品見るんなら、最初からエロアニメ見ればいいじゃん。
こういった意見をお持ちの方もきっといることでしょう。
自分も若いころはそう思っていました。
しかし、大人になって性欲も失われてくると本番シーンとか見るの、重すぎるんですよね。
そこに至るまでの過程と結果が見たいのであって、別に本番シーンはいらなくなってくる、これが大人です。
そして何より地上波でえっちなアニメを見る最大のメリットは、一線で活躍する女性声優さんの大人な演技が楽しめること。
『アイカツフレンズ!』の日向エマ役で知られる二ノ宮ゆいさん、
『ノブナガ先生の幼な妻』の斎藤帰蝶役で知られる上原あかりさん、
キャラ名を出すまでもないトップクラスの女性声優、竹達彩奈さん、山村響さん、千本木彩花さん。
そして主人公は童貞ボイスに定評のある下野紘さんが担当しています。
こういった一線で活躍する声優さんたちが声を当てているからこそ、そこに生まれる背徳感が素晴らしい。
楽しんで演じている人もいるかもしれないし、仕事のために嫌々演じている人もいるかもしれない。
表には出てこないそんな感情を汲み取るのも、こういったアニメの見所だと思います。
まあ本当に大好きな声優さんがこういう作品に出た時は喜んでいいのか、悲しんでいいのか複雑な気持ちになるんですけどね。
両極端で癖になる主題歌
オープニングテーマは、
「つらぬいて憂鬱」/ ニノミヤユイ
【ニノミヤユイ】「つらぬいて憂鬱」Music Video(Full Size )
作詞:hotaru 作曲:Tom-H@ck 編曲:Tom-H@ck、KanadeYUK
歌唱を担当するのは本作のメインヒロイン、ルヴェリアを演じるニノミヤユイさん。
作曲・編曲はアニソン界のトップクリエイター、OxTやMYTH & ROIDとしても活躍されているTom-H@ckさん。
作詞はTom-H@ckさんとの共作が非常に多い、『Re:ゼロから始める異世界生活』の「STYX HELIX」や『ダイヤのA』の「Go EXCEED!!」で知られるhotaruさん。
歌っているのはまさに"賢者タイム"について。
めちゃくちゃアッパーでファンキーな曲調と、陰鬱な歌詞のアンバランスさが魅力です。
毎回毎回、メインヒロインのために他の女性に手を出すのはやめようと考えるのに、変わらず手を出し続けてしまうピーター・グリル。
そんな"変われない自分"というテーマがしっかりと描かれています。
ニノミヤユイさん自身も“陰キャのカリスマ”と呼ばれるほど、ネガティブ思考な方で、アニメにもアーティスト自身にも寄り添った楽曲です。
完全聖人になんてなれやしない いつも理想に挫折して
自分責めるポーズだけとって お安い免罪握りしめて甘えてる
出典:「つらぬいて憂鬱」/ ニノミヤユイ
自分ももっともっと、一つのことを突き詰めていきたいと思いながら理想は高く生きてるんですが、どうしても言い訳しながら失敗することが多いです。
きっと多くの方が共感できる歌詞になっているので、この曲を聴いて明日は頑張ろうと元気をもらえるかもしれません。
そしてまた失敗して、この曲に立ち返りましょう。
エンディングテーマは、
「ヨリドコロ」/ Hilcrhyme
Hilcrhyme「ヨリドコロ」Photo Video -Edited by TOC-
作詞:TOC 作曲:TOC、Br'z 編曲:Br'z
歌唱を担当するのは『実は私は』の「言えない 言えない」や、『虫籠のカガステル』の「Be ZERO」など日本を代表するヒップホップアーティストHilcrhymeさん。
作詞・作曲はHilcrhymeのMCであるTOCさんが務めています。
OPとは打って変わってコッテコテのヒップホップラブソング。
陰キャの塊と陽キャの塊。
人によってはこのMVを見たら目が潰れてしまうかもしれません。
きっとこの曲を聴いている9割以上の人は『ピーター・グリルと賢者の時間』を見ていないでしょう。
カップルで『ピーター・グリルと賢者の時間』を楽しんでいたらそれはそれで凄いカップルだなと思いますけどね。
曲だけを聴くと、一人の人を一途に思い続ける素晴らしいラブソングなのですが、エンディング映像では「君は僕のヨリドコロさ」と歌いながらも裸の女性キャラクターがたくさん登場。
その全てがヨリドコロになっているというある意味ピーター・グリルらしさがある楽曲になっています。
ぜひ、一般の方とカラオケにいった際はこの曲を歌って場を盛り上げ、内心『ピーター・グリルと賢者の時間』を思い出してニヤニヤしましょう。
おわりに
毎年毎年、夏クールはえっちなアニメが増えることが多いですね。
今年で言うなら『ド級編隊エグゼロス』、『モンスター娘のお医者さん』と並ぶ三大巨頭の一角でしたが、もっとも直接的な表現が多かったのはこの作品でしょう。
ちなみに本作で自分が一番好きなキャラクターはピグリットちゃんでした。
一番辰美監督の良いところが出ていましたし、褐色具合が非常にえっち。
自分はこのキャラクターが一番好き!
色々なアダルトアニメ見ようと思った!
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また次の記事で!