『ハナヤマタ』。
2014年の夏に放送され、当時見ていたオタク全員が鳴子を購入するレベルの社会現象となったアニメです。
今回、6年の時を経てavexさんの「全話見Blu-rayシリーズ」の販売をきっかけに再放送されました。
何度も見ることで、少女たちの成長をより強く実感できる名作『ハナヤマタ』について語っていきたいと思います。
『ハナヤマタ』とは
あらすじ
容姿も普通、頭も普通、美術や体育…何だって普通。
そんなフツウだらけのぱっとしない14歳、関谷なる。
おとぎばなしに出てくるような"ヒロイン"に憧れて、
いつかこんな世界から連れ去ってくれる誰かを待っていたけれど、
中学2年生になった今も、あいかわらずフツウの毎日。
そんなある日、なるは月光の下に和装で舞う金髪の少女に出逢う。
「私と一緒に、よさこいしませんか?」
突然の出来事に戸惑うなるだけど、異国の少女ハナに導かれ、
次第に『よさこい』という非日常の世界へと踏み出していく。
まだ子供だけれど、ちょっぴり大人。
花々しい少女たちの物語が今、幕を開ける――。
スタッフ
原作:浜弓場双(芳文社「まんがタイムきららフォワード」連載)
監督:いしづかあつこ『さくら荘のペットな彼女』『ノーゲーム・ノーライフ』『宇宙よりも遠い場所』
シリーズ構成・脚本:吉田玲子『君と僕。』『城下町のダンデライオン』『魔術士オーフェンはぐれ旅』
キャラクターデザイン・総作画監督:渡辺敦子『GA 芸術科アートデザインクラス』『東京レイヴンズ』『ヘヴィーオブジェクト』
音楽:MONACA
音楽制作:DIVEⅡentertainment
アニメーション制作:MADHOUSE
キャスト
関谷なる:上田麗奈
ハナ・N・フォンテーンスタンド:田中美海
笹目ヤヤ:奥野香耶
西御門多美:大坪由佳
常盤真智:沼倉愛美
おすすめポイント
普通の女の子の成長物語
主人公の関谷なるは、ごくごく平凡な女の子。
何が優れているわけでもなく、何が劣っているわけでもない、どこにでもいるありふれた少女です。
このままじゃいけない、変わらなくちゃいけないとは思っていても自分で動き出すわけではない。
いつか誰かがこの世界から連れ去ってくれると信じて、ただただその時を待つだけでした。
そんななるが、ある日ハナと出会い、「よさこい」の世界へと一歩踏み出します。
振付は覚えられないし、すぐに転んでしまうし、最初は失敗だらけの日々。
友だちとの関係もうまくいかないし、周りに迷惑をかけてしまうし、もう「よさこい」なんてやめてしまおうと思ったこともありました。
それでも掛け替えのない仲間たちと共に、やろうと思ったことを最後までやり通す、強い意志でなるは忙しい日々を駆け抜けていきます。
言われるがままに始めた「よさこい」でしたが、なるにとっての「よさこい」は自分を表現する手段へ、仲間との大切な絆の象徴へと変わっていきます。
誰かが自分を変えてくれるという待ちの姿勢から一歩踏み出したなる。
様々な苦難を乗り越えて目的地にたどり着いた時、なるは本当に立派な女の子に成長していました。
頑張る女の子の姿に思わず泣いてしまうのはもちろん、自分も一歩踏み出してみよう、そう思える本当に素敵な作品です。
それぞれの問題を抱えた個性的な女の子たち
なる以外の女の子もそれぞれ別の問題を抱えています。
元気で明るい金髪美少女・ハナは、一見何の悩みもなさそうに見えますが人前で悩んでいる姿を見せない女の子。
よさこい部を結成するも、なかなか部員が集まらなかったり、ちょっと特殊な家庭環境だったり。
なるから見れば自分とは違う特別な人でしたが、なると同じように悩みながらも一歩ずつ進んでいく健気な女の子です。
好きな花はブルースター。
花言葉は「幸福な愛」「信じあう心」。
なるの小学生からの親友・ヤヤは、なるが憧れていた「持ってる」女の子。
バンドでドラムを担当し順風満帆な学校生活を送っているように見える一方で、自分から離れて成長していくなるを受け入れられなかったり、バンドが解散したり、悩み多き女子中学生です。
素直になれないツンデレな性格も非常に魅力的。
好きな花は赤いバラ。
赤いバラの花言葉は「愛情」「美」「情熱」。
なるの幼馴染でお姫様のような女の子・多美は、お嬢様育ちで学生らしく遊んだこともありませんでした。
バレエ・ピアノ・茶道・華道など何でもできる一方で、本当に自分がやりたいことを親に告げられないという大きな悩みを抱えています。
好きな花は百合。
百合の花言葉は「純潔」「威厳」「無垢」。
なるの通う由比浜学園の生徒会長・真智は、真面目でいなければならないという性格・生い立ちと、姉との確執に悩む女の子。
真面目なキャラクターとは裏腹に、甘いものやアイドル、可愛いものが好きという魅力的な一面も持ち合わせています。
好きな花はひまわり。
ひまわりの花言葉は「憧れ」「あなたを見つめる」。
「持っていない」なるから見れば、「持っている」女の子たちはもしかしたら違う世界に生きている人に見えていたかもしれません。
けれど、「持っている」女の子たち一人一人にも悩みがあり、それを乗り越えていく事で成長していく姿は、なる自身にも大きな影響を受けました。
キャラクターそのものの魅力はもちろん、なるが成長していくうえで、なくてはならない大切な仲間です。
ちなみに、なるの好きな花は桜。
花言葉は「精神の美」「優美な女性」。
畑亜貴×田中秀和による伝説の名曲「花ハ踊レヤいろはにほ」
「よさこい」に欠かせないのはやはり音楽。
オープニングでもあり、劇中でよさこい部が使用する楽曲は、
「花ハ踊レヤいろはにほ」/ チーム“ハナヤマタ”[関谷なる(上田麗奈)、笹目ヤヤ(奥野香耶)、ハナ・N・フォンテーンスタンド(田中美海)、西御門多美(大坪由佳)、常盤真智(沼倉愛美)]
ハナヤマタ OPテーマ「花ハ踊レヤいろはにほ」(short ver.)
作詞:畑亜貴 作曲・編曲:田中秀和 振付:中村信幸
作詞に関してはもはや語ることも無いでしょう、アニソン界一の作詞家・畑亜貴さん。
作曲・編曲は『アイカツ!』、『Wake Up, Girls!』、『アイドルマスターシリーズ』など数々の作品で名曲を生み出した田中秀和さんが手掛けています。
ピアノとバンドサウンド、鳴子の音も入った、まさに青春のキラキラ感にあふれた楽曲。
「太陽曰く燃えよカオス」で爆発的に名前が知れ渡った田中秀和さんですが、この曲で不動の地位を勝ち取ったと言っても過言ではありません。
歌詞にも"いろはにほ"、"「ひぃふぅみぃ!」"、"つねならむ"、"乙女道"、"ちりぬるを"など和を感じるフレーズがたくさん盛り込まれています。
欲しいのは少しの踏みだすちからと
弱気な心を開ける魔法のキー
出典:「花ハ踊レヤいろはにほ」/ チーム“ハナヤマタ”
"仲間"という魔法のキーを手に、それぞれ一歩踏み出す挑戦をしたチーム“ハナヤマタ”の面々。
曲を聴くだけで、一人一人の軌跡を思い出せるような本当に素晴らしい名曲です。
2020年1月2日に『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』にてPastel*Palettesによるカバーもされ、人気が再燃したことも記憶に新しいです。
オープニングに負けず劣らず素晴らしいエンディングテーマは、
「花雪」/ smileY inc.
作詞・作曲・編曲:ゆうゆ
作詞・作曲・編曲、全てを担当しているのは初音ミクの「深海少女」や、『アウトブレイク・カンパニー』の「私の宝石箱」、『ケムリクサ』の「INDETERMINATE UNIVERSE」で知られるゆうゆさん。
smileY inc.さんは、ゆうゆさんと多美を演じている大坪由香さんのユニットです。
キラキラの中にも切なさを感じる、まさにゆうゆさんらしい楽曲。
多美は裕福な家に生まれ、まるでお姫様のように育てられており、まさにこの楽曲で言うところの"御伽ノ国ノ姫"。
同時に、自分の世界を誰かが変えてくれると待ち続けていた、なるの意味合いでも受け取れる作品に非常に寄り添った歌詞が魅力です。
"花 数多の軌跡"、"「花や、またね。」"など、『ハナヤマタ』をもじった言葉が違和感なく散りばめられています。
最終回ではチーム“ハナヤマタ”ver.も歌唱されるなど、『ハナヤマタ』を語る上で欠かせない楽曲です。
キャラクターソングも充実しており、かなり音楽に力を入れた作品です。
キャラクターソングのテーマ曲でもある「ヨロコビ・シンクロニシティ」はぜひとも聞いて欲しい楽曲の一つ。
おわりに
2014年の本放送時にBlu-rayは買っていたものの、一度も見返せていなかった本作。
2周目で見ると、よりなる達の成長が強く実感できて本放送の時よりも号泣してしまいました。
原作の漫画は2018年に最終回を迎えており、「全話見Blu-rayシリーズ」の売れ行きによってはもしかして2期もあるのかなと期待しております。
とはいえ、同じ浜弓場双さんの新作『おちこぼれフルーツタルト』が2020年秋アニメとしてまもなく放送開始。
『ハナヤマタ』と同じく羽織を羽織ったキャラクター達がどのような活躍をするのか非常に楽しみです。
やっぱり『ハナヤマタ』は名作だ!
『おちこぼれフルーツタルト』が楽しみ!
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また次の記事で!