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『アイドルマスター シンデレラガールズ』アイドルに憧れる女の子が憧れられるアイドルへ、ゼロから始まるシンデレラストーリー【あらすじ・感想】

 ニュージェネレーションズ。

 765プロが主役の『アイドルマスター』が1段落付き、次に生まれたコンテンツが本作、『アイドルマスター シンデレラガールズ』。

 元々売れないアイドルだった初代と異なり、普通の女の子輝かしいアイドルになるまでのシンデレラストーリーが魅力の本作。

 成長著しい少女たちの物語について語っていきたいと思います。

 

『アイドルマスター シンデレラガールズ』とは

imas-cinderella.com

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©BNEI/PROJECT CINDERELLA


「アイドルマスター シンデレラガールズ」アニメPV

あらすじ

 歴史ある芸能プロダクション「346プロダクション」には数多くのアイドルが在籍している。

 そこで新たにスタートする「CINDERELLA PROJECT(シンデレラ プロジェクト)」!

 普通の毎日を送っていた女の子。

 アイドルの卵に選ばれた彼女達が、初めて見る世界で紡ぐシンデレラストーリー。

 みんなと一緒にお城へと続く階段を登っていく事が出来るのか。

 今、魔法がかかり始める―― 

スタッフ

原作:バンダイナムコエンターテインメント
監督:高雄統子『THE IDOLM@STER』『聖☆おにいさん』
アニメーションキャラクター原案:杏仁豆腐
シリーズ構成:高雄統子、髙橋龍也『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』『はてな☆イリュージョン』
キャラクターデザイン:松尾祐輔『ヤマノススメ』
美術設計:藤井一志
美術監督:杉浦美穂(スタジオ・イースター)
色彩設計:村上智美
撮影監督:佐久間悠也
編集:三嶋章紀
音響監督:藤田亜紀子
音楽:田中秀和(MONACA)
制作:A-1 Pictures

キャスト

島村卯月:大橋彩香
渋谷 凛:福原綾香
本田未央:原 紗友里
赤城みりあ:黒沢ともよ
アナスタシア:上坂すみれ
緒方智絵里:大空直美
神崎蘭子:内田真礼
城ヶ崎莉嘉:山本希望
多田李衣菜:青木瑠璃子
新田美波:洲崎 綾
双葉 杏:五十嵐裕美
前川みく:高森奈津美
三村かな子:大坪由佳
諸星きらり:松嵜 麗

おすすめポイント

 先日、『アイドルマスター』シリーズ15周年ということで、Youtubeにて「アイドルマスターチャンネル」が開設され、記念の生放送が行われるなど大きな盛り上がりを見せました。

 

 自分もそれに併せて、自分と『アイドルマスター』シリーズの出会いと別れを記事にしました。

 詳しくはこちらの記事をご覧ください。

www.tadahome.info

 

  765プロダクションよりも規模感アイドルの人数が段違いに多い、『アイドルマスター シンデレラガールズ』。

 メインのシンデレラプロジェクトは14人

 346プロダクション所属アイドルとして出てくる他のアイドルは41人

 個性豊かで我が強い、たくさんのアイドルの魅力や成長を描いた本作を以下の3つのポイントから語っていきたいと思います。

・ゼロから始まるシンデレラストーリー アイドルの理想と現実

・光と影 時計と花 行間が楽しめる徹底した絵作り

・40曲を超える主題歌・挿入歌 特に心に響いた3曲

ゼロから始まるシンデレラストーリー アイドルの理想と現実

 普通の女の子アイドルとして成長していく物語、それが『アイドルマスター シンデレラガールズ』最大の魅力です。

 歴史ある芸能プロダクション「346プロダクション」に在籍することとなった、島村卯月渋谷凛本田未央

 憧れのアイドルへの第一歩を踏み出せたことに期待で胸を膨らませます。

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©BNEI/PROJECT CINDERELLA

 一番最初の大きな仕事は、売れっ子アイドル城ヶ崎美嘉のバックダンサー。

 憧れの初めてのステージはぎこちないながらも無事に成功をおさめます。

 そんな彼女たちは「new generations」としてデビュー。

 しっかりと練習を重ね、デビューイベントのミニライブに挑むも、観客はほんのわずか

 美嘉のバックダンサーとして大きなステージ・アイドルの理想像を知ってしまったからこそ、美嘉の華やかなステージとのギャップ現実に大きく落胆します。

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©BNEI/PROJECT CINDERELLA

 

 プロデューサーの元を離れていく、卯月未央

 そんな3人の背中をプロデューサーはすぐに追うことが出来ませんでした。

 プロデューサーは過去に、アイドルへ意見をし過ぎてやめさせしまったというトラウマがあるからです。

 それでも、3人の心からの声を聴くため、説得に向かうプロデューサー。

 それぞれに真っ向から向き合う、心を開いた親身なやりとりに、

 3人は再び「new generations」として改めて活動を再開します。

 

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©BNEI/PROJECT CINDERELLA


 「Rosenburg Engel」「CANDY ISLAND」「凸レーション」「*」もシンデレラプロジェクトから続々デビュー。

 1話完結でありながら、1人1人の個性豊かなアイドルが、何を考えどうしたいのかしっかり描かれる素晴らしいお話と共にシンデレラプロジェクトは進んでいきます。

 

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©BNEI/PROJECT CINDERELLA

 

 ある時、346プロダクションのアイドルによる合同サマーフェスの開催が決定します。

 初めての全体曲や、プロデューサー抜きでの練習

 それでも、シンデレラプロジェクトとして一致団結し、トップアイドルへの道を一歩一歩地道に進んでいきます。

 そんな彼女たちを襲うアクシデント

 リーダーとしての重たい責務に倒れる美波、フェスを直撃する豪雨

 観客の誰もがもうだめかと思う中、シンデレラプロジェクトの連携、フェスを成功させたいという強い想いが、奇跡を起こしフェスは大成功に終わります。

 

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©BNEI/PROJECT CINDERELLA

 

 フェスの成功もあり、どんどんと活躍の幅を広げるシンデレラプロジェクトのアイドル達。

 ところが、そこにアイドル事業部門の統括重役として美城常務がやってきます。

 美城常務は、346プロの効率が悪いやり方を問題視し、全てのプロジェクトを白紙に

 アイドルを選抜して画一的なアイドルの育成を目指すプロジェクトの方針を打ち出します。

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©BNEI/PROJECT CINDERELLA

 

 一人一人の個性を大切にすべきと考えるプロデューサーは対案として、

 「シンデレラの舞踏会-power of smile-」という企画を打ち出します。

 「舞踏会」に賛同するアイドルもいれば、自分の実力を伸ばしたいという気持ちで美城常務のプロジェクトに賛同するアイドルも。

 それぞれのアイドルが今自分に出来ることは何なのか自分の目指すアイドル像は何なのかを考え、それぞれの選択をしていきます。

 "みんな一緒に"が大きなテーマだった765プロダクションとはここでストーリーに大きな差が生まれます。

 

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©BNEI/PROJECT CINDERELLA


 そんな中、1人だけ新たな目標を見つけられず、苦悩する卯月

 養成所に一人戻って基礎練習を続ける彼女は、笑顔を失ってしまいました

 そんな卯月を励ましたり、見守ったりする346プロダクションのアイドル達。

 アイドル達の想いや、ファンの想いを通して「アイドルに憧れる一人の女の子」の気持ちを思い出した卯月

 笑顔を取り戻した卯月は、最高の笑顔と共に再び1人のシンデレラとして輝き始めるのでした。

 

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©BNEI/PROJECT CINDERELLA

 

 そして迎えた「シンデレラの舞踏会」本番。

 かつて、アイドルを夢見る女の子でしかなかった彼女たちはアイドルの魔法を受けてシンデレラとして輝き、舞踏会は大成功に終わります。

 しかし、彼女たちのシンデレラストーリーはまだ始まったばかり。

 

 彼女たちの笑顔は、これからもっともっと多くの人を笑顔にさせる。

 

 そんな未来が見える素晴らしい最終回でした。

光と影 時計と花 行間が楽しめる徹底した絵作り

 ぬるぬる動くライブの作画はもちろんですが、『アイドルマスター シンデレラガールズ』最大の魅力は、別にあると思っています。

 それは、撮影による光と影の具合や、時計や花と言った小物によるメッセージです。

 例えば第7話「I wonder where I find the light I shine…」のこちらのカット。

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©BNEI/PROJECT CINDERELLA

 

 凛の気持ちに寄り添おうとしているプロデューサーの気持ちとは裏腹に、凛が抱くプロデューサーへの不信感が、光と陰で絶妙に表現されています。

 こういった表現が『アイドルマスター シンデレラガールズ』では徹底して行われています。

 もはや、会話を聴かずとも何が起こっているのかぱっと見で分かるレベル

 より感情移入しやすくなる光の表現に注目することで、より一層この作品の深いところまで味わうことが出来ます。

 

 他にも346プロダクションを正面から撮ったこちらのカット。

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©BNEI/PROJECT CINDERELLA

 建物上部に時計があるかと思います。

 『アイドルマスター シンデレラガールズ』では、

 アイドル達の心境の変化に応じて、時計の針の位置が変化します

 

 「シンデレラ」と言えば12時になると魔法が解けてしまう

 そんなゴールともスタート地点ともいえる場所を指標として、アイドルとしての成長が見られれば針は前に進み、後退すれば針も巻き戻る

 時間の描写とはまた別に、様々なシーンで描かれる時計にも要注目です。

 実は「時計の針が動くのは1話につき1回まで」というルールもあり、それを知って見ると見ないとでは、見える景色が変わってくるかもしれません。

 

 重要なシーンでもさりげないシーンでも、その場面に応じた花ことばを持つ花が頻繁に登場します。

 ぜひ、アニメを見る際は細かいところの演出までしっかり確認して1話1話を十分堪能しながらご覧ください。

 

40曲を超える主題歌・挿入歌 特に心に響いた3曲

 本当にどの曲も名曲ばかりで、全ての曲を紹介したい。

 しかしながらそれも叶わないので、自分が大好きな3曲のみを厳選して紹介します。

 1曲目は、

「GOIN'!!!」/ CINDERELLA PROJECT(作詞:森由里子 作曲:宮崎まゆ 編曲:宮崎誠)


【アイドルマスター】GOIN’!!!(歌:CINDERELLA PROJECT)

 第13話第22話で流れた挿入歌。

 作詞は『ドラゴンボール』の「魔訶不思議アドベンチャー!」、
『ゼロの使い魔』シリーズの「ホントノキモチ」、「I SAY YES」などアニソン界を代表する作詞家の森由里子さん。

 作曲は『プリティーシリーズ』や、他の数々のアニメにも楽曲を提供している宮崎まゆさん。

 編曲は「START!!」や「スマイル体操」でおなじみの宮崎誠さん。

 

 タイトルの通り、前に進む気持ちがたくさん詰まったCINDERELLA PROJECTで歌う全体曲です。

 合同サマーフェス成功の象徴ともいえる楽曲であり、このライブステージがあったからこそ2クール目の346プロダクションの躍進があったと言っても過言ではありません。

 繰り返しの歌詞が随所に散りばめられており、1フレーズ1フレーズが非常に印象的です。

 

 『アイドルマスター シンデレラガールズ』は全体を通して、

 アイドルと観客が一緒に盛り上がれる楽曲が非常に多いのが特徴です。

 「GOIN'!!!」はまさに一緒に盛り上がれる曲の代表的な存在で、第13話のライブシーンでは観客の揃ったコールを味わうことが出来ます。

 サビ前半では入っていなかったコールが後半には入っているなど、楽曲に順応した観客の姿も描かれます。

 

 そして何と言ってもライブシーンの作画

 "シンデレラ"らしいキラキラした雰囲気を保ちながら、それぞれのキャラクターの個性に溢れるダンスの様子は何度見ても泣いてしまいます。

 第12話の合宿回を丸々練習に費やしたのもこのステージのため。

 全26話通して最もライブの細部まで描かれた、繰り返し見たくなる素晴らしい映像です。

 

 2曲目は、

「S(mile)ING!」/  島村卯月(大橋彩香)(作詞:BNSI(八城雄太) 作曲・編曲:BNSI(Yoshi))


【アイドルマスター】「S(mile)ING! -LIVE MIX-」(歌:島村卯月)

 第24話で流れたエンディングテーマ。

 作詞は「Never say never」、「ミツボシ☆☆★」など『アイドルマスター シンデレラガールズ』の多くの楽曲で作詞を手掛けている八城雄太さん。

 作曲・編曲は「shiny smile」、「ふるふるフューチャー☆」など『アイドルマスター』でも明るく笑顔になれる楽曲を書かれていたYoshiさんが担当しています。

 

 『アイドルマスター シンデレラガールズ』で最も泣ける歌が「S(mile)ING!」になるとは、

 この第24話を見るまでは誰も思っていなかったでしょう。

 

 笑顔を失った卯月が、「アイドルに憧れる一人の女の子」の気持ちを取り戻し、一番最初の制服姿で歌うこの楽曲には、家にあるバスタオルを全てグチャグチャにするほど泣かされました

 

 この回のために手持ちマイクで新録した「S(mile)ING!」。

 既存曲で、ファンなら誰でも聴いたことがあるこの楽曲だったからこそ、CD音源とは違う心からの声の生々しさライブ感に鳥肌が止まりません。

 

 「シンデレラの舞踏会-power of smile-」が進むにつれ、目標を見つけていくアイドル達。

 そんな中で目標を見つけられず、私らしさを失ってしまった卯月が歌う、「S(mile)ING!」だからこそ、こんなにも心の奥底にまで染み渡ります。

 満面の笑みで心の底から楽しそうに歌う卯月、そんな気持ちを歌声にしっかり乗せた大橋彩香さんの演技に感服です。

 

 3曲目は、

「M@GIC☆」/ CINDERELLA PROJECT(作詞:森由里子 作曲・編曲:田中秀和)


【アイドルマスター】「M@GIC☆」(歌:CINDERELLA PROJECT)

 第25話で流れた挿入歌。

 作詞は「GOIN'!!!」と同じく森由里子さん。

 作曲・編曲は、OPテーマの「Star!!」や劇伴も担当してくださった田中秀和さん。

 

 「シンデレラの舞踏会」の一番最後で歌われる全体曲で『アイドルマスター シンデレラガールズ』という作品の最後をしっかりと締めくくった名曲です。

 

 これまでお姫様のような衣装が多かった本作ですが、この楽曲の時の衣装はまるで王子様のよう。

 もう彼女たちは、王子様に手を引かれる側ではなく、手を引く側に回っているのです。

 アイドルに憧れる存在だった彼女たちが、今度は憧れられる存在にまでなった成長に涙が止まりません。

 

 眩しい笑顔堂々としたダンス美しいフォーメーション

 まさに彼女達こそシンデレラ。

だって最高の味方がいるもん!

アリガトウ いま本当の魔法を

伝えるために歌うから

引用元:「M@GIC☆」/ CINDERELLA PROJECT

 この歌詞と共に、観客を映すズルい演出。

 アイドル観客が一体となってステージを作り上げてきた『アイドルマスター シンデレラガールズ』だからこそ、アイドルにしてくれる魔法はファン1人1人の応援なんだというメッセージが伝わってきます。

 

 本当はわかりやすいOPやEDを選曲しようかと思ったのですが、この3曲に対する思い入れが強すぎて語らずにはいられませんでした。

 ソロ曲も全体曲も本当に名曲揃いの本作。

 きっとあなたが大好きになる楽曲にも出会えるはずです。

 

おわりに

 この記事では全然紹介できませんでしたが、ユニット回も本当に素晴らしい本作。

 個人的には*(Asterisk)が大好きで、第11話、第19話についてもいつか語る機会があったら記事にしたいと思います。

 最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。もし記事が良かったなと思ったらSNSへのシェア、Twitterのフォロー等、ぜひともよろしくお願いいたします。

 今後もアニメに関する記事を毎日投稿していきますので、ぜひご覧ください。

 また次の記事で!