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『とある科学の超電磁砲T』第15話「やくそく」大覇星祭編完結!涙なしには見られない3人のエピローグ ドリーを小原好美さんが演じてくれて本当に良かった…【あらすじ・感想】

 大人気作品には大人気作品たる所以あり。

 7年ぶりのアニメ化となる、『とある科学の超電磁砲』第3期である本作の、大覇星祭編が完結しました。

 「とある」シリーズの大きな魅力である"敵側陣営の行動理由"と完璧なエピローグが描かれたこの第15話は、自分が小原好美さんのオタクということもあって、忘れられないお話になりました。

 

『とある科学の超電磁砲T』とは

toaru-project.com

 

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©2018 鎌池和馬/冬川基/KADOKAWA/PROJECT-RAILGUN T


TVアニメ『とある科学の超電磁砲T』本PV

あらすじ

総人口230万人を数える、東京西部に広がる巨大な都市。 その人口の約八割を学生が占めることから、「学園都市」と呼ばれているその都市では、世界の法則を捻じ曲げて超常現象を起こす力――超能力の開発が行われていた。

 特殊な授業カリキュラムを受け、能力を得た学生たちは、定期的な『身体検査システムスキャン』によって、『無能力レベル0』から『超能力レベル5』の6段階に評価されている。
 その頂点に立ち、最強と謳われるのが、7人の『超能力者』たちである。

そのひとり、御坂美琴。
 電気を自在に操る『電撃使いエレクトロマスター』最上位の能力者にして、『超電磁砲レールガン』の異名を持つ彼女は、名門お嬢さま学校・常盤台中学に通う14歳の女子中学生。
 後輩で『風紀委員ジャッジメント』の白井黒子。その同僚でお嬢様に憧れる初春飾利と、都市伝説好きな彼女の友人、佐天涙子。
 そんな仲間たちとの、平和で平凡で、ちょっぴり変わった学園都市的日常生活に、年に一度の一大イベントが迫っていた。

 『大覇星祭』。 7日間にわたって開催され、能力者たちが学校単位で激戦を繰り広げる巨大な体育祭。期間中は学園都市の一部が一般に開放され、全世界に向けてその様子が中継されるにぎやかなイベントを前に、誰もが気分を高揚させていた。その華やかな舞台の裏側で蠢くものには、まったく気づくこともなく――。

引用元:『とある科学の超電磁砲T』公式HP Introductionより

キャスト

御坂美琴:佐藤利奈

白井黒子:新井里美

初春飾利:豊崎愛生

佐天涙子:伊藤かな恵

食蜂操祈:浅倉杏美

スタッフ

原作:鎌池和馬+冬川基

キャラクター原案:はいむらきよたか

監督:長井龍雪

シリーズ構成:ヤスカワショウゴ

アニメーションキャラクターデザイン:田中雄一

美術監督:泉健太郎

色彩設計:安藤智美

撮影監督:福世晋吾

編集:西山茂(REAL-T)

音響監督:明田川仁

音楽:井内舞子

OPアーティスト:fripSide

EDアーティスト:岸田教団&THE明星ロケッツ

アニメーション制作:J.C.STAFF

第15話「やくそく」

あらすじ

 『才人工房(クローンドリー)』で能力開発を受けていた幼き日の警策は、同じ施設で治療を受けていたドリーの世話を任されていた。

 ある日、ドリーの生命維持装置に疑念を抱いた警策は、彼女の「治療」の真実を知ってしまう。クローンとして生み出されたドリーは、実験のために命を削られていたのだ。

 実験を中止してほしいという訴えもむなしく、捕らえられドリーと引き離されてしまう警策。

 学園都市に抱いた深い怒りと憎しみを糧に、復讐を誓って戦い、敗北し続けた彼女がたどり着いた計画は、またも失敗に終わる。

 その先に待っていたのは、ドリーを巡るもう一人の少女「みさきちゃん」との出会いだった――。

引用元:『とある科学の超電磁砲T』公式HP Storyより


とある科学の超電磁砲T 次回予告 第15話『やくそく』

スタッフ

脚本:ヤスカワショウゴ

絵コンテ・演出:佐山聖子

総作画監督:冨岡寛

作画監督:菅原裕幸、北原章雄、小渕陽介、清水博幸、奥田哲平、伊藤知美、佐野はるか、重松佐和子、田守優希

おすすめポイント

 いきなり『とある魔術の禁書目録』のスピンオフである『とある科学の超電磁砲』の3期の15話の感想を書くということで、どこまでの知識を前提に書けばいいのか、非常に難しいところだなあと頭を悩ませています。

 悩ませた結果、わざわざ感想を読みに来てくださる程の、本作の大ファンの皆さんであれば特に説明はいらないでしょう、という結論に落ち着きました。

 

 自分は、『とある魔術の禁書目録』の原作のラノベも読んでおらず、『とある科学の超電磁砲』の原作の漫画も読んでおりません。

 それなりに理解しながら、アニメを見ているつもりではありますが、『とある魔術の禁書目録』は設定も人間関係も出てくる用語も複雑で、かつアニメ化のスパンが非常に長いため記憶の維持が難しく、原作を読み込んでいる人の2割も理解できていないかもしれません。

 

 もはや、『とある魔術の禁書目録』よりも人気なのではないかと思われる、『とある科学の超電磁砲』はストーリーが派手で展開がわかりやすく、いい意味でアニメだけ見て感動できる素晴らしい作品だなと思います。

 特に今回の大覇星祭編は、絶対能力進化(レベル6シフト)、御坂美琴と食蜂操祈の対立関係、心理掌握(メンタルアウト)による、黒子・初春・佐天の記憶喪失と、非常にキャッチ―で分かりやすい展開が詰め込まれており、毎週毎週ワクワクしながら放送を待ち望んでいました。

 

 新型コロナウイルスの影響もあり、途中OVAを挟む等、完結が危ぶまれた第3期ですが、感動の大覇星祭編完結を迎えた第15話「やくそく」を3つのポイントから見ていきたいと思います。

・研究者に媚びる警策看取と心から会話を楽しむドリー

・ミーちゃんともう一人のミーちゃんとドリーのやくそく

・挿入歌「ここにいたい」の破壊力

研究者に媚びる警策看取と心から会話を楽しむドリー

 『才人工房(クローンドリー)』で能力開発を受けていた、警策看取は学園都市でうまく生きていくために、研究者に媚びを売りながら笑顔を作って立ち回ります。

 そんな立ち回りが、逆の効果を生んでしまい、同じく能力開発を受けているドリーの面倒を任されます。

 外に出られないドリーにとって、警策看取、ミーちゃんはかけがえのない唯一の心を許せる友達で、そんなドリーに最初はいやいや面倒を引き受けた警策看取も、少しずつ心を許し始めます。

 「なんだか、この子といるときだけ愛想笑いじゃなくて本当に笑っていられる、そんな気がしていた。」

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©2018 鎌池和馬/冬川基/KADOKAWA/PROJECT-RAILGUN T

 ここの、警策看取とドリーのやりとりが本当にたまらないんですよね。

 ドリーを演じる小原好美さんの、二人の時間を心から楽しんでいるのが伝わってくるナチュラルな演技。

 

 小原好美さんといえば、『魔法陣グルグル』のククリや、『スター☆トゥインクルプリキュア』の羽衣ララ/キュアミルキー、今期アニメでいえば『かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~』の藤原千花等、脳が溶けるような世界一可愛い声が魅力ですが、『月がきれい』の水野茜のような、ナチュラルでどこまでも純粋なまっすぐな声が本当の神髄だと自分は感じています。

 全く嫌味なく、感情がそのまま声に乗って伝わってくるような演技が本当に素晴らしく、ドリーを小原好美さんが演じてくれて本当に良かったなあとしみじみ思っています(オタク特有の早口)。

 

 警策看取を演じる富田美憂さんの、研究者に媚びを打っている時の作った楽しそうな声と、ドリーと遊んでいる時の心から楽しんでいる声。

 この演じ分けが、ドリーの「治療」の真実を知り、学園都市でうまく生きていくという目標をかなぐり捨ててでも、研究者に実験の中止を訴える動機に強い説得力を持たせます。

 結果、訴えは届け入れられず、警策看取は統括理事会、学園都市に憎悪を抱き木原幻生の計画に加担したのでした。

 賢く生きようとしていた警策看取の根本的な考え方を覆すほどの、ドリーとの楽しい時間。今を時めく女性声優2人の名演が、この話により説得力を持たせてくれました。

ミーちゃんともう一人のミーちゃんとドリーのやくそく

 『とある科学の超電磁砲T』第10話「才人工房(クローンドリー)」で語られた、食蜂操祈とドリーのお話。

 仲の良い友達と離れたばかりだというドリーの話は、警策看取とのお別れを指していました。また、生命維持装置のせいで傷だらけの身体を見られたことで、たったひとりの友達がいなくなってしまったという勘違いも警策看取がタイミング悪く監禁されていたことが原因だということがわかります。

 食蜂操祈はドリーの研究のため、ミーちゃんを自分として認識させ、ドリーと二人の時間を過ごします。

 見返すとわかるのですが、第10話でドリーが食蜂操祈の"匂いを嗅いだ時"に、ミーちゃんが以前のミーちゃんと同一人物でないことに気付いているんですよね。

 第15話でのドリーと警策看取の子供時代が描かれたことで初めてわかる伏線、お見事でした。

 

 亡くなったドリーには経験と記憶を共有した妹がおり、警策看取と食蜂操祈はそのクローンに会いに行きます。

 そしてついに、ドリーと警策看取は感動の再会。自分から離れていってしまった警策看取を思い続けていたドリーの気持ちと、ドリーのために様々な苦難を乗り越え、やりたくないこともやってきた警策看取の気持ちを考えると涙が止まりません。

 そんな二人の様子を見てその場を去ろうとする食蜂操祈。それをドリーが呼び止めます。

 「夢の中で二人とずっと一緒だったから、二人と過ごした時間だけが私たちの思い出だから。」

 

 食蜂操祈はドリーをだまし続けたこと、認識を操作し、二人の間に割って入ったこと、ドリーを助けられなかったことを悔やみ、この償いはなんでも…と贖罪の言葉を口にします。

 そんな食蜂操祈をドリーがぎゅっと抱きしめ、

 「じゃあ、海に連れて行って」「3人一緒ならどこでもいい、ダメ…かな?」

 決して交わることのなかった、ミーちゃんともう一人のミーちゃんとドリーの新しいやくそくがここに結ばれたのでした。

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©2018 鎌池和馬/冬川基/KADOKAWA/PROJECT-RAILGUN T

挿入歌「ここにいたい」の破壊力

 2020年ベスト挿入歌がここに誕生しました。

 作詞・作曲は渡辺翔さん、編曲はキタニタツヤさん、歌はsajou no hanaさんということで、sajou no hanaメンバー全員で作り上げた楽曲です。


【sajou no hana】ここにいたい (TVアニメ「とある科学の超電磁砲T」15話挿入歌) スマートフォン視聴推奨

 きっと、音楽なしでも泣いてしまったとは思いますが、「ここにいたい」のおかげで本当に涙が止まりませんでした。

 印象的な歌詞をピックアップしていきましょう。

 

見渡してみて色がなじんだ

掛け替えないと言えず茶化した

こんな風に笑えるなんて

知らない僕だ

引用元:「ここにいたい」『とある科学の超電磁砲T 15話挿入歌より) 

 ちょっとプライドが高くて、それでいて楽しく心から笑っている自分を客観的に見ている冷静なところからも、二人のミーちゃんの感情がたった4行にギュッと詰め込まれた素晴らしい歌詞だなと感じました。

 この歌詞が、二人がドリーを見つけた瞬間にドンと聴こえてくるのでそれはもう涙腺がゆるゆるになってしまいますよね。

 

言葉に出来ない高い空が瞳に映り
悪くないってそう思うんだ
おとなしく端っこでいいや
そんな僕ここまで君は一緒に話し
連れ出してくれた
ここにいてもいいんだ

引用元:「ここにいたい」『とある科学の超電磁砲T 15話挿入歌より) 

 外の世界を夢見るキラキラしたドリー、初めてできた友達と一緒にいる時間を心から楽しく過ごすドリーを「言葉に出来ない高い空」と表現するのはさすが渡辺翔さんだなあと感服します。

 「悪くない」という言い方もプライドが高い二人のミーちゃんらしさが現れています。

 「ここにいてもいいんだ」というサビのラストフレーズと「ここにいたい」という歌のタイトルの文脈も素晴らしいですよね。

 ドリーにとって二人との出会いが、「ここにいてもいいんだ」という気持ちを生み出し、それが「才人工房(クローンドリー)」から出ることすら許されないドリーの生きる意味になっていたでしょう。

 人の記憶も感情も操れる食蜂操祈が、ドリーという能力を使わず心を許せる唯一無二の存在に出会ったことで「ここにいてもいいんだ」という気持ちを初めて実感し、この瞬間、この3人で過ごす時間が「ここにいてもいいんだ」という気持ちを与えてくれています。

 

 小原好美さんの演技と合わせて何度でも見返したい、本当に素晴らしい『とある科学の超電磁砲』を代表する名シーンになったと思います。

 『とある科学の超電磁砲T』の後期EDもsajou no hanaさんが担当するということで、今からワクワクが止まりません。

配信情報

 各種、見放題配信サービスにて絶賛配信中です。第10話を見返してから第15話を見ると余計にボロボロ泣けるので、一度見た方もぜひもう一度復習してみてください。

『とある科学の超電磁砲』を見るなら【フジテレビ公式FOD】

 

おわりに

 できるだけアニメはフラットな感性で見たいなと思っているのですが、推しが関わるアニメはどうしても好き好き~となってしまいますね。

 そんなひいき目抜きにしてもこの第15話は本当に素晴らしかったのでことあるごとに話題にしていきたいです。

 最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。もし記事が良かったなと思ったらSNSへのシェア、Twitterのフォロー等、ぜひともよろしくお願いいたします。

 今後もアニメに関する記事を毎日投稿していきますので、ぜひご覧ください。

 また次の記事で!