楽しい時間はあっという間。
7年ぶりのアニメ化をした『とある科学の超電磁砲<レールガン>』もついに「天賦夢路」編が完結し、そのストーリーに一度幕を下ろしました。
1クール目の大覇星祭編は、過去に書いた記事に全て自分の想いを詰め込んでいるので、今回は2クール目の天賦夢路編について熱く語っていこうと思います。
『とある科学の超電磁砲T』とは
あらすじ
総人口230万人を数える、東京西部に広がる巨大な都市。 その人口の約八割を学生が占めることから、「学園都市」と呼ばれているその都市では、世界の法則を捻じ曲げて超常現象を起こす力――超能力の開発が行われていた。
特殊な授業カリキュラムを受け、能力を得た学生たちは、定期的な『身体検査システムスキャン』によって、『無能力レベル0』から『超能力レベル5』の6段階に評価されている。
その頂点に立ち、最強と謳われるのが、7人の『超能力者』たちである。そのひとり、御坂美琴。
電気を自在に操る『電撃使いエレクトロマスター』最上位の能力者にして、『超電磁砲レールガン』の異名を持つ彼女は、名門お嬢さま学校・常盤台中学に通う14歳の女子中学生。
後輩で『風紀委員ジャッジメント』の白井黒子。その同僚でお嬢様に憧れる初春飾利と、都市伝説好きな彼女の友人、佐天涙子。
そんな仲間たちとの、平和で平凡で、ちょっぴり変わった学園都市的日常生活に、年に一度の一大イベントが迫っていた。『大覇星祭』。 7日間にわたって開催され、能力者たちが学校単位で激戦を繰り広げる巨大な体育祭。期間中は学園都市の一部が一般に開放され、全世界に向けてその様子が中継されるにぎやかなイベントを前に、誰もが気分を高揚させていた。その華やかな舞台の裏側で蠢くものには、まったく気づくこともなく――。
スタッフ
原作:鎌池和馬+冬川基
キャラクター原案:はいむらきよたか
監督:長井龍雪『アイドルマスター XENOGLOSSIA』『とらドラ!』『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』
シリーズ構成:ヤスカワショウゴ『六畳間の侵略者!?』『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』『アンゴルモア 元寇合戦記』
アニメーションキャラクターデザイン:田中雄一『LAST EXILE』『SAMURAI 7』『スクールガールストライカーズ Animation Channel』
美術監督:泉健太郎
色彩設計:安藤智美
撮影監督:福世晋吾
編集:西山茂(REAL-T)
音響監督:明田川仁
音楽:井内舞子『あの夏で待ってる』『東京レイヴンズ』『selectorシリーズ』
アニメーション制作:J.C.STAFF
キャスト
御坂美琴:佐藤利奈
白井黒子:新井里美
初春飾利:豊崎愛生
佐天涙子:伊藤かな恵
食蜂操祈:浅倉杏美
ピックアップポイント
「インディアンポーカー」という設定が最大限に生かされたストーリー
本作の第1話~第15話で描かれた「大覇星祭」編に関してはこちらの記事をご覧ください。
「大覇星祭」編はドリーをめぐる物語に感情を揺さぶられまくってボロボロ泣いていましたが、「天賦夢路」編の序盤はコメディ要素強め。
「インディアンポーカー」、他人が見た夢を体験できるという不思議なカードの流行が学園都市に訪れます。
その夢の価値によってカードごとに評価がつけられ、かなりの高値で売買されるように。
しかも夢の中で経験したことはそのまま身に付くという睡眠学習のような効果まで確認され、需要は高まる一方。
特に面白かった回はなんといっても第18話『巨乳御手(バストアッパー)』。
とある科学の超電磁砲T 次回予告 第18話『巨乳御手(バストアッパー)』
サブタイトルから容易に想像できるかと思いますが、見るだけで胸が大きくなる「インディアンポーカー」のカードに踊らされる美琴と絹旗最愛を描いたお話です。
その結果がどうなかったかはぜひ皆さんの目でお確かめください。
その後も『巨乳御手(バストアッパー)』の話は尾を引き、第21話ではこの件を食蜂操祈にいじられ、お返しに胸を揉みしだく展開まで。
超電磁砲<レールガン>で求められているお話にぴったりな内容でした。
もちろんコメディばかりではありません。
「インディアンポーカー」の開発者、操歯涼子の物語や自分自身という存在を認識したサイボーグ・ドッペルゲンガーの登場。
ドッペルゲンガー vs. 美琴の悲しくて熱い超大規模戦闘は、『とある科学の超電磁砲<レールガン>T』の終幕にふさわしい展開的にも作画的にも素晴らしい一戦でした。
ドッペルゲンガーを通して描かれた、人間、サイボーグ、記憶、魂というようなテーマは美琴のクローン・妹達や、「大覇星祭」編のドリーと繋がるところもあって、今までのことも思い出さずにはいられません。
総じて、「インディアンポーカー」という設定をコメディ部分でもシリアス部分でも最大限に生かして構成された非常に完成度の高いお話で、毎週毎週放送が非常に楽しみでした。
集結する登場人物
「天賦夢路」編で主人公格の活躍を見せつけてくれたのが飯棲リタ、作楽木ナルハ、清ヶ太郎丸、薬丸医月の4人で構成される「屍食部隊(スカベンジャー)」。
『とあるシリーズ』をしっかりと追いかけてきている人であればもちろん分かったと思うのですが、『とある科学の一方通行』に先に出ているメンバーです。
昨年放送された『とある科学の一方通行』で、一方通行を前に何もできずに敗北し散っていった「屍食部隊」。
作戦失敗の大きなミスを挽回しようという思いと、レベル5に対するトラウマを抱いているからこそ、本作での立ち回り方が非常に面白かったです。
先に『とある科学の一方通行』が放送されていなかったら、これほど愛着の湧くキャラクターにはならなかったでしょう。
同様に、先ほども触れましたが『巨乳御手』では絹旗最愛が登場。
メインの活躍の場は『とある魔術の禁書目録』ですが、『とある科学の超電磁砲』にもちょくちょく登場する大人気キャラクターです。
前作のテレビシリーズ、『とある科学の超電磁砲S』でも出番がありましたが暗部の仕事をこなすクールな有能キャラとして描かれていました。
今回は本作の貧乳キャラ代表として、美琴と共に大いに暴れまわり、その可愛さに打ちのめされた人も多いでしょう。
『とある魔術の禁書目録III』での浜面とのやり取りに繋がる部分もあり、本編と外伝の密接なリンクは、もっともっとシリーズ全体を知りたくなる非常に素敵な構成です。
定番のfripSideと「ここにいたい」から連続起用のsajou no hana
『とある科学の超電磁砲』と言えば、何と言ってもfripSideによる主題歌。
オープニングテーマは、
「dual existence」/ fripSide
TVアニメ『とある科学の超電磁砲T』新OP映像(fripSide/dual existence)
作詞・作曲・編曲:八木沼悟志
構成は定番の出サビ→Aメロの流れ。
『とある科学の超電磁砲』のテレビシリーズの楽曲は全てこの構成。
音楽のサブスクリプション型サービスが主流となり、開始数秒がつまらないと次の曲へ送られてしまう現在に適した構成です。
もしかすると10年前の「only my railgun」からこういう時代を予測していたのかもしれません。
楽曲もいつものトランス系でハイスピードな、いわゆる『とある科学の超電磁砲』らしい楽曲。
マンネリ化してもおかしくないはずなのに、1曲1曲個性がしっかりあるのは新曲が出るたび本当に凄いなあと思います。
タイトルの「dual existence」は日本語で言うと二つの存在。
言うまでもなく、操歯涼子とドッペルゲンガーの関係性を表す単語ですね。
"存在"、"意識"、"夢"、"幻"など二人の関係を象徴するワードも多く並んでいます。
偽りの夢に 光探しても
真実には辿り着かないと理解っているから
出典:「dual existence」/ fripSide
ここはまさに「天賦夢路」編のテーマ。
オープニング映像でも「インディアンポーカー」が舞うシーンが描かれ、どこまでも作品に寄り添った楽曲だなあと、最終回まで見て改めて実感しました。
エンディングテーマは、
「青嵐のあとで」/ sajou no hana
TVアニメ『とある科学の超電磁砲T』新ED映像(sajou no hana/青嵐のあとで)
作詞・作曲:キタニタツヤ 編曲:キタニタツヤ、渡辺翔
作詞・作曲はsajou no hanaのベース、プログラミング、ギター、ボーカル担当のキタニタツヤさん、
編曲にはキタニさんに加え、同じくsajou no hanaのキーボード、プログラミング、コーラス担当の渡辺翔さんが担当しています。
「ここにいたい」に続く形でエンディングテーマを担当することになったsajou no hana。
第15話「やくそく」で流れた挿入歌「ここにいたい」についてはこちらの記事で熱く語っています。
電子音が多めなfripSideと比較して、シンプルなバンドサウンドが魅力の楽曲。
タイトルの"青嵐"は春の終わりと夏の始まりを告げる、青葉の頃に吹く風のことです。
歌詞はまるで青嵐のような"君"の姿を追う、"僕"の気持ち。
普通、歌詞には使われない句読点が本作の歌詞にはしっかりと使われています。
例え十年先も二十年先も、きっと、ずっと、忘れられないんだよ。
手を繋いで誓った、幼い約束を。
夏の終わりを告げるような微温い風とともに、
淡い紅掛けの空の色に染まっていくよ。
出典: 「青嵐のあとで」/ sajou no hana
この句読点が"僕"の気持ちをより際立たせており、漂う郷愁感を強めています。
青嵐と対比になる"微温い風"という表現も素敵ですし、"淡い紅掛けの空の色"は非常に写実的です。
永遠には続かないからこその美琴たちの幸せな今が感じられる、エンディングにふさわしい心が暖かくなる楽曲でした。
おわりに
『とある科学の超電磁砲S』から『とある科学の超電磁砲T』まで7年の時間を要した本シリーズ。
原作は現在、「天賦夢路(ドリームランカー)」編の次のお話、「獄門開錠(ジェイルブレイカー)」編の途中。
もしかしたら次のアニメ化も7年後ぐらいかもしれませんが、気長に待ちましょう。
ちなみにタイトルについているSはSecond=2、TはThird=3を表していると言われています。
次はFでFourth=4になることはほぼ間違いないかと思いますが、5もFifthでFになってしまうなあと余計な心配が止まりません。
天賦夢路編今までで一番面白かった!
最終話でドリーのその後が描かれて嬉しかった!
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