2020/5/24、『神様になった日』の特番がTOKYO MXにて放送されました。
これまでの麻枝准さんの経歴、天才的な才能を紐解くとともに、今まで関わってきたスタッフやキャストのインタビューや、『神様になった日』制作に込めた思いが語られました。特に気になったのは「原点回帰」というキーワードです。
『神様になった日』とは
【制作決定】TVアニメ「神様になった日」2020年10月より放送開始 !!
あらすじ
神として目覚めた少女・ひなは
「世界の終わり」を予見する。
そこで彼女はひとりの少年を選ぶ。
その終わりまでを過ごし、
見届けるお供として――引用元:『神様になった日』公式HP STORYより
キャスト
ひな:佐倉綾音
スタッフ
原作・脚本:麻枝准(VISUAL ARTS/Key)
キャラクター原案:Na-Ga(VISUAL ARTS/Key)
監督:浅井義之
アニメーション制作:P.A.WORKS
おすすめポイント
麻枝准×P.A.WORKSのオリジナルアニメーション3作目ということで、
2010年 『Angel Beats!』
2015年 『Charlotte』
2020年 『神様になった日』
という歴史がここに刻まれようとしています。
『Angel Beats!』から10年はなかなか衝撃的ですよね。自分も当時、生徒会室で毎週毎週『Angel Beats!』の話をしていたし、『リトルバスターズ!』のゲームを生徒会室のPCでやっていたのを今でも鮮明に覚えています。
特に印象深いのは新聞の一面に、でかでかと『Angel Beats!』の広告が載ったときですね。
出典:読売新聞にドデカゆりっぺ@Angel Beats!(エンジェルビーツ)の宣伝力 : 鷲宮らき☆すた聖地巡礼レポ えるるのえるろぐ様
これから一体何が始まるのか、今まで見たことないとんでもないアニメを見ることができるじゃないか、そんな期待に胸を膨らませていました。
そんないつも僕たちを楽しませてくれる、天才クリエイター「だーまえ」こと麻枝准さんに焦点を当てつつ、特番の内容に触れながら、『神様になった日』がどんな作品になるのか、以下の3つのポイントから考えていこうと思います。
・5年の期間を経て再度集結したキャスト&スタッフ
・マルチクリエイターとして脚本・音楽どちらでも魅せる麻枝准
・麻枝准の"原点回帰"
5年の期間を経て再度集結したキャスト&スタッフ
『神様になった日』の監督は、『Angel Beats!』では絵コンテを、『Charlotte』では監督、絵コンテ、演出を担当された浅井義之さん。
キャラクター原案は、同じく2作から続投のNa-Gaさん。
そしてメインヒロインのヒナを演じるのは『Charlotte』でもメインヒロイン友利奈緒を演じた、佐倉綾音さんとなっています。
2作連続でメインヒロインを同じ声優に演じてもらうことってなかなかないと思いますし、それだけ佐倉綾音さんの演技を信頼しているということでしょう。
実際、友利奈緒というミステリアスな一面も持ちつつ、仲の良い有宇達の前では人懐っこく、くだけた感じで話すギャップは、佐倉綾音さんでなければ演じられなかったかもしれません。
『夢喰いメリー』の頃から佐倉綾音さんの成長を見守っている1人のオタクとしても、この信頼関係なしではありえないキャスティングは非常に嬉しい気持ちになりました。
浅井義之さんが監督をされた『Charlotte』は、めちゃくちゃありきたりな感想を言うと2クール欲しかったという感想がどうしても最初に出てきてしまいます。
特殊能力の設定も、それを生かした展開や、各キャラクターの生い立ち等非常に魅力的な要素がたくさん詰まっていましたがやっぱり尺が足りなかった…
シナリオライターとして、ゲームを前提としたシナリオに特化している分、良く言えば一人一人のキャラクターを凄く掘り下げて考えていらっしゃると思いますし、悪く言えば1クールで広げた風呂敷を畳むという点では、アニメ脚本家の方々よりも不得意に感じているのかもしれません。
現段階では『神様になった日』が1クールなのか2クールなのかそれとももっと長尺なのか情報はありませんが、麻枝准さんの素敵な脚本を最後まで駆け足にならずに堪能できることを非常に楽しみにしています。
マルチクリエイターとして脚本・音楽どちらでも魅せる麻枝准
アニメ・ゲーム業界において、脚本・音楽どちらも非常に高いレベルで相乗効果を生み出す、日本で最も著名なマルチクリエイターと言えば、誰もが麻枝准の名前を連想するでしょう。
特番でも「鳥の詩」でゲームソング業界にデビューしたLiaさんへのインタビューと、Girls Dead Monsterの楽曲から始まり、いまや「紅蓮華」で一般人にも広く知られるLiSAさんからのメッセージが紹介されていました。
麻枝准さんの楽曲はどれも麻枝准さんらしさがありつつも、一通りでない、時代のトレンドや、作風に合わせてどんどん進化していくのが魅力だと感じています。
シンプルで心にまっすぐ響く楽曲もあれば、転調や変拍子が多用され複雑で耳から離れない中毒的なメロディ。
Girls Dead MonsterやHow-Low-Helloのアルバムは何回リピートして聴いたかわかりません。
そして、独特な単語や言い回しを使いつつも、聴く人の頭にしっかりと情景を思い浮かばせる作詞力。1曲1曲にストーリーが盛り込まれているのが本当に凄いなあといつも感心します。
特に自分が原作の作品の楽曲においては、誰よりもその作品を知って、誰よりもその作品を愛しているからこそ書けるであろう歌詞がバンバン出てくるので太刀打ちできません。
マルチクリエイターとして、業界のトップを走り続けられるのはこの
脚本×音楽
という非常にハイレベルで、誰にも真似できない掛け算があるからだと思います。
特番では、
「音ナシでプレイしてみろ 絶対泣けんから」
というよく言われる意見について、
「音楽の力で泣かせてる部分があるんで」
と言い切っています。
これは本当にゲーム、あるいはアニメという、文章だけではない、音楽と映像込みのメディアを、どうやってうまく活用するかという点を非常に重要視しているからこそできる断言だと思います。
かくいう自分も、感動していなくても挿入歌が流れるだけで、涙が流れるタイプの人間なので、いつもいつも挿入歌に負けたなあと思いながらアニメを見ています。
今回の特番においても、特発性拡張型心筋症から奇跡的に生還した麻枝准さんのお話と共に、やなぎなぎさんの「Before I Rise」が流れていて普通に泣いてしまいました。
一応、現段階では『神様になった日』の音楽担当は発表されておらず、劇伴、主題歌についても不明です。新情報の発表が待たれますね。
麻枝准の"原点回帰"
特番においても公式HPでも、この"原点回帰"というワードを非常に強調しています。
麻枝准さんの軌跡を振り返るという意味で、『Kanon』、『AIR』、『CLANNAD』に特番で触れていましたが、やはりここでいう"原点"とは、これらの作品を指すようです。
公式HPの麻枝准さんからのコメントにもこのような内容がありました。
自分は『Angel Beats!』や『Charlotte』で、戦闘やバンドや異能力といったエンターテインメントとして放り込める要素はすべて放り込む、というゲーム制作の時とは違うシナリオを描いていました。
その「原点回帰」の意味について特に深く話し合ったわけではないのですが、自分なりに『Kanon』や『AIR』の頃のような、ただ純粋に感動できるお話を求められているのだな、と解釈し、脚本を書き上げました。
引用元:『神様になった日』公式HP SPECIALより
改めて落ち着いて考えてみると、やはり『Angel Beats!』や『Charlotte』は非常にお祭り感が強く、恋愛や登場人物の生い立ちは要素の一部ではあるものの、ストーリーの根幹かと言われればそうでもないように思えます。
僕がPSPの待ち受けを月宮あゆちゃんの画像にして、たい焼きを食べながら「うぐぅ」と言っていたのも、「色んなことがあったけど、辛かったり、苦しかったりしたけど……、私、頑張って良かった!」と夏休みをなんとか乗り越えた時も、「それと便座カバー」と語尾につけまくっていた学生時代も、古き良きKey作品がテーマが絞られた内容で、純粋に感動できるお話だったからです。
コンテンツが溢れ、色々目移りしがちなこの時代だからこそ、"原点回帰"した麻枝准さんの純粋に感動できるお話が非常に楽しみです。
配信情報
この記事で紹介した麻枝准さんの作品はどれもU-NEXTにて好評配信中です。
特に原点と呼ばれる『Kanon』、『AIR』、『CLANNAD』あたりが未履修な方は、ぜひ放送前におさえておきましょう。
おわりに
全然関係ないことなので、本文には記載しませんでしたが、『神様』の名を冠するアニメは名作の法則があるので非常に楽しみです。
『神様はじめました』、『神様のメモ帳』、『神様のいない日曜日』、『神様ドォルズ』、『神様家族』etc…
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また次の記事で!