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『映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』いろいろな経験を元に人は成長していく、さよならはさよならじゃない【あらすじ・感想】

 先日、「スター☆トゥインクルプリキュア オフィシャルコンプリートブック」の紹介記事を描いたら、この作品への想いが止まらなくなってしまって、また記事を書き始めてしまいました。

 これから成長していくお子さんにも、成長を見守る保護者の方にも、経験によってこんなにも人は大きく変わるんだと実感させてくれる、僕が世界で一番好きな映画の紹介をしたいと思います。

 

 

 

www.precure-movie.com

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『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』本予告(前売券発売中)

『映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』とは

あらすじ

ある日突然、プリキュアの元にやってきた不思議な生き物ユーマ。

言葉が通じないユーマに、ひかるとララは振り回されっぱなし…。

ユーマと気持ちを通じ合わせる方法、それは<うた>!?

<うた>を通じてユーマとの絆を育んでいくひかるたち。

しかし、突如謎の宇宙人ハンターが現れ、大ピンチ!

さらには、ユーマとはいずれ離れ離れになることが告げられてしまう…。

ユーマを、そしてみんなの想いを守るため、プリキュアが立ち上がる!!

『映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』公式HP:ストーリーより

スタッフ

原作:東堂いづみ

監督:田中裕太

脚本:田中仁

音楽:林ゆうき、橘麻美

総作画監督・キャラクターデザイン:小松こずえ

作画監督:松浦仁美、中谷有紀子

美術監督:今井美紀

CGディレクター:大曽根悠介

色彩設計:竹澤聡

撮影監督:高橋賢司

製作担当:澤守洸、井桁啓介

映画スター☆トゥインクルプリキュア製作委員会:東映アニメーション、東映、ABCアニメーション、バンダイ、ADKエモーションズ、マーベラス、木下グループ

キャスト

星奈ひかる/ キュアスター:成瀬瑛美

羽衣ララ/キュアミルキー:小原好美

天宮えれな/キュアソレイユ:安野希世乃

香久矢まどか/キュアセレーネ:小松未可子

ユニ/キュアコスモ:上坂すみれ

フワ:木野日菜

プルンス:吉野裕行

 ゲスト声優&映画主題歌歌唱:知念里奈

おすすめポイント

 ひかるとララの元に現れたユーマ、最初ユーマはひかるにしか懐かず、ララに反発していましたが、ララの本当の気持ちを知り、心を許すようになりました。

 3人は世界中の絶景や不思議スポットを回りながら絆を深めていきます。

 しかし、ユーマの正体は「スタードロップ」という星の種で、超高額で取引されるため、ハンター達が「スタードロップ」を狙おうと集結し、強い悪意をユーマは浴びてしまいます。

 そんなユーマを救いつつ、仲良くなったユーマとの別れと向き合うというのが今作の本筋です。

 以下の3つのポイントからこの作品の魅力に触れていきたいと思います。

 

・ひかるとララとユーマの絆を深めた冒険、星となったユーマ

・出会いや別れ、様々な経験の中で成長していくララ

・さよならはさよならじゃない、「Twinke Stars」に込められた想い

ひかるとララとユーマの絆を深めた冒険、星となったユーマ

 えれなさんとまどかさんが修学旅行で沖縄に行っており、「沖縄に行きたい」と願ったひかるの想いを感じとって、ひかるとララを連れてユーマは沖縄にワープします。

 ララとユーマのすれ違いはあったものの、沖縄を満喫した後、3人でイグアスの滝やヤスール火山、ナスカの地上絵、ウユニ塩湖等を冒険します。

 その冒険は3人にとって初めての冒険で、特に生まれたばかりのユーマの心に深く刻まれます。

 

 スタードロップであるユーマが悪意に触れ暴走してしまい星になり、ひかるとララがユーマの星を訪れると、悪意によって黒く染まった部分と、3人で冒険した各地の景観がそのまま星の一部となっていました。

 このシーンに非常にハッとさせられたのを覚えています。僕らの人格形成には子供の頃に見聞きしたもの、経験や体験が本当に大きくかかわっていると改めて感じました。

 人の善意に触れ、有益でポジティブな成功体験を子供の頃に体験すればするほど、その子はより健全に成長するでしょう。

 その一方で、人の悪意に触れ続け、狭い世界の中で閉塞感であったり、ネガティブな体験を繰り返してしまうと歪んだ感性を育んでしまう恐れもあります。

 もちろん、良し悪しある体験から子供が何を受け取って、どう成長していくかは本人の受け取り方次第ではありますし、良い経験だけさせればいいというものでもないかもしれません。

 ただ、より良く子供が成長していくために、環境を選択してあげるのも大人の重要な責務だなと、ちょっと大きい話になりますが、これが"教育"の本質なのかなと思いました。

 もちろんこれは、子供に限った話ではありません。僕自身ももっと色々な経験、体験を積み重ねて多様な価値観を受け入れて吸収していけると思いますし、世の中のもっともっといろいろな楽しいことを経験してみたいとワクワクしたのを覚えています。

 

 終盤のシーンで、ユーマがひかるとララの姿に似た姿で登場したのも印象的です。

 ひかるとララが愛情いっぱいでユーマと触れ合ったからこその姿なので、ストーリーとしても号泣してしまいます。

 その一方で、「他人は自分を映す鏡」ということわざが自分の脳裏にはよぎりました。もし、悪意溢れるハンターたちに育てられたなら、ユーマも美しい星になることはなかっただろうし、ひかるとララ以外と冒険に出たならきっとまた別の姿だったでしょう。

 私たちは人生の中で運命的に他人と出会い、絆を深めていきます。きっとどこかで選択が一つ違ったら出会わなかった人がいっぱいいるはずです。

 そんな運命的な出会いを大切にして、一人一人としっかり向き合っていこう、そんなメッセージもこのシーンから感じ取りました。

出会いや別れ、様々な経験の中で成長していくララ

 ちょっと前の項では大きな話になりすぎましたが、映画を見終わった後の最初の僕のツイートはこちらでした。

  『プリキュア』シリーズの映画は、基本的に登場する全プリキュアがしっかり活躍して、最後はみんなで巨大なボスに立ち向かうというのが基本的な構成になっていました。

 ところが、『映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』では「ダブルヒロイン」構成を取っており、基本的にひかるとララの話にフィーチャーされています。

 さらに、ひかるはアニメ本編と同様、いつも前向きで笑顔を振りまく元気な女の子で、割と完璧な姿で描かれています。

 「大人っぽく」いなきゃいけないと考えるララが、ひかるの影響を受けて、自分の好きなことを大切にしたいと考えている時期だからこそ、この映画ではララの成長がとても大きく描かれます。

 

 ユーマと出会ってすぐ、ララは好き勝手に行動するユーマにきつい言葉で注意をします。ユーマとしてはそんなララの姿が自分に敵意を向けているように見えて、なかなかララと心を打ち解けることができませんでした。

 しかしララは、同じ異星人として別の星で生きていくことの難しさを知っているからこそ、ユーマにきつい言葉で注意していたのです。ララ自身も感情的になってしまったところや、きつい口調になってしまったところを反省して、ユーマと無事打ち解けることができました。

 この姿は初めて子供の親になった人が、子供を叱りすぎてしまう姿と重なる部分もあって、ご覧になった保護者の方々にも強く刺さる部分だったのではないかと思います。

 

 ユーマがスタードロップであるという事実を知り、お別れをしなければならなくなったシーンでは、ララは全力でお別れを嫌がります。同じ異星人同士の友達でもありますし、一緒に色々なところを冒険した仲間です。別れたくないというララの気持ちが痛いほど伝わってきます。

 むしろあのシーンはお別れを受け入れられる、ひかるの広大で強大なメンタルに敬意すら覚えます。「ひかるは寂しくないルン!?」とひかるに問い詰めるのも納得です。

 もちろん、ひかるだってつらい気持ちでいっぱいだったとは思いますが、ひかるはその後の未来の希望を見ていたんですよね。

 ハンター達をやっつけ、ユーマの暴走も止まり、再び再開するひかるとララとユーマ。また、再びお別れの決意をしなければならない時が来ますが、ララはお別れを受け入れることができました。

 お別れのその先にある未来の希望を見ることができたから、「さよならはさよならじゃない」から。

 羽衣ララというキャラの成長がこんなにも緻密にしっかりと描かれた本作に感謝しかありません。

さよならはさよならじゃない、「Twinke Stars」に込められた想い

 『スター☆トゥインクルプリキュア』は、歌も非常に重要になってくる作品です。

 もちろん、『スイートプリキュア♪』を筆頭に、音楽の要素が多く入った『プリキュア』シリーズも数多くあり、この作品で初めて歌をテーマにした、ということではありません。

 変身バンクに歌が入ること、そして『映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』では、言葉が通じないユーマと歌で通じ合うというのが本作の非常に大きな特徴です。

 沖縄で出会った「星のうた」のオルゴールをきっかけに、ひかるとララとユーマは歌でコミュニケーションを取ります。

 そして暴走したユーマを止めるために歌われたのが本作の主題歌、「Twinke Stars」です。オルゴールで聴いて、海辺で歌った心地良いメロディが「Twinke Stars」にはふんだんに使われいて、ユーマの心に直接響く、素晴らしい楽曲でした。

 作曲・編曲は、『ドキドキ!プリキュア』から、『魔法つかいプリキュア!』までの劇伴等を担当されていた、高木洋さん。作詞は『キラキラ☆プリキュアアラモード』でも作詞を担当されている、みんな大好き大森祥子さん。

 印象的な歌詞について触れていきましょう。引用しすぎると著作権的に危ない気がするので本当は全ての歌詞について触れたいですが、特に映画のテーマとぴったりだなと思うところをピックアップしています。


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「淋しい」はどこから来るの?「会いたい」想いが連れてくる

「会いたい」はほら、ふれあいで積もる気持ち 未知との遭遇

引用元:映画主題歌「Twinkle Stars」より

 未知との遭遇をし、その中で触れ合いがつもり、「会いたい」が生まれ、「会いたい」想いが「淋しい」 を生みます。

 ララがユーマとお別れをしなければいけないという時に感じた気持ちは、まさにこの「淋しい」だと思います。

 でも、もしユーマと出会っていなかったらこの「淋しい」気持ちになることはなかったし、「会いたい」と想うことも無かったでしょう。

 「淋しい」は、新しいものと出会って、触れ合っていけば必ず生まれる感情だと思えば、凄いポジティブな言葉にも感じられますよね。

 「淋しい」気持ちは当然に生まれるもので、悪いものではなく、その気持ちとどう向き合っていくかというのはこの映画の本筋でもあると思います。

 

遥かなプレゼント きみとの記憶が

未来で希望、ちからになる

だから離れても ずっと一緒 大丈夫

きみも同じだといいな

引用元:映画主題歌「Twinkle Stars」より

 いつまでも一緒にいて仲良くし続けるだけじゃない。一緒に過ごした思い出を自分の心の支えにして、それぞれの未来へ踏み出そう。そういった強いメッセージが汲み取れる歌詞です。

 ひかるがユーマとの別れを最初に受け入れられたのもこの想いがあったからですし、ララが最後には別れを受け入れられたのもきっとこの想いに気付いたからです。

 「離れてもずっと一緒」は、「さよならはさよならじゃない」の言い換えのような表現になっています。

 

心ならひとつ さよならはさよならじゃない

We're Twinkle Stars!!!!!!

引用元:映画主題歌「Twinkle Stars」より

 これは『スター☆トゥインクルプリキュア』48話、それぞれのお別れの話にも通じる内容ですが、それぞれが煌めく星としてそれぞれの空で輝き、その線を結べば星座と言う名の絆になる。

 だからこそ、「さよならはさよならじゃない」んですよね。

 最後の「!マーク」が6つなのも、ひかる、ララ、えれな、まどか、ユニ、そしてユーマの6人を現していて「!マーク」を見るだけで泣いてしまいます。

おわりに

 何度読み返してもこの作品の本当の良さが1mmも伝わってないような気がして、なんだか情けない気分になってしまいますが、運命的にこの記事を読んだあなたが、この作品に興味を持ってくれると大変うれしいです。

 最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。もし記事が良かったなと思ったらSNSへのシェア、Twitterのフォロー等、ぜひともよろしくお願いいたします。

 今後もアニメに関する記事を毎日投稿していきますので、ぜひご覧ください。

 また次の記事で!