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『名探偵ピカチュウ』もしポケモンが現実世界にいたら?原作への愛とリスペクトが盛りだくさんの名作【あらすじ・感想】

 先日、『名探偵ピカチュウ』が金曜ロードショーで地上波初放送されました。アニメ版『ポケットモンスター』もゲームも各シリーズしっかり追っており、レート対戦もしていた自分ですが映画館に見にいっておらず、今回初見でこの映画を拝見しました。

 "ピカチュウ"がハリウッドで初の実写映画化!ということで、期待と不安を感じながら見ましたが、原作への愛とリスペクトに溢れた名作でした。

 ストーリーの根幹となる部分には触れていませんが、視聴後にこの記事を読むほうが絶対にお勧めできます。一応ネタバレ注意ということで、よろしくお願いします。

 

 

 

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『名探偵ピカチュウ』とは

あらすじ

 かつてポケモンのことが大好きな少年だったティム(ジャスティス・スミス)は、ポケモンに関わる事件の捜査へ向かったきり、家に戻らなかった父親・ハリーとポケモンを、遠ざけるようになってしまった。

 それから年月が経ち、大人になったティムのもとにある日、ハリーと同僚だったというヨシダ警部補(渡辺謙)から電話がかかってくる。

 「お父さんが事故で亡くなった―」。

 複雑な思いを胸に残したまま、ティムは人間とポケモンが共存する街・ライムシティへと向かう。

 荷物を整理するため、ハリーの部屋へと向かったティムが出会ったのは、自分にしか聞こえない人間の言葉を話す、名探偵ピカチュウ(ライアン・レイノルズ)だった。

 かつてハリーの相棒だったという名探偵ピカチュウは、事故の衝撃で記憶を失っていたが、一つだけ確信をもっていることがあった……。

 「ハリーはまだ生きている」。

 ハリーは何故、姿を消したのか? ライムシティで起こる事件の謎とは? ふたりの新コンビが今、大事件に立ち向かう! 

引用元:『名探偵ピカチュウ』公式HPイントロより

スタッフ

監督:ロブ・レターマン

脚本:ダン・ヘルナンデス、ベンジー・サミット、ロブ・レターマン、デレク・コノリー

原作:任天堂、ポケモン、クリーチャーズ『名探偵ピカチュウ』、田尻智『ポケットモンスター』

製作:メアリー・ペアレント、ケイル・ボイター、片上秀長、ドン・マッゴーワン

製作総指揮:ジョセフ・M・カラッシオロ・Jr、アリ・メンデス、石原恒和、大久保賢司、宮原俊雄、松岡宏泰、植田浩史

音楽:ヘンリー・ジャックマン

撮影:ジョン・マシソン

編集:マーク・サンガー、ジェームズ・トーマス

製作会社:ワーナー・ブラザース、レジェンダリー・エンターテインメント、ポケモン

配給:ワーナー・ブラザース、東宝

キャスト

名探偵ピカチュウ:ライアン・レイノルズ / 西島秀俊(日本語吹き替え) / 大谷育江(ピカチュウの鳴き声)

ティム・グッドマン:ジャスティス・スミス /竹内涼真

ルーシー・スティーヴンス:キャスリン・ニュートン/飯豊まりえ

ヒデ・ヨシダ:渡辺謙

ハワード・クリフォード:ビル・ナイ/中博史

ロジャー・クリフォード:クリス・ギア/三木眞一郎

セバスチャン:オマール・チャパーロ/三宅健太

アン・ローラン博士:リタ・オラ/林原めぐみ

ジャック:カラン・ソーニ/梶裕貴

ティムの祖母:ジョゼット・サイモン/犬山イヌコ

DJ:ディプロ/石川界人

おすすめポイント

 子供の頃、誰しもポケモンが現実世界にいたら?なんて空想をしますよね。

 もちろん、アニメ版『ポケットモンスター』シリーズもポケモンと人間が共存している世界観ではありますが、この作品は実写ということもあり、よりポケモンが現実世界にいたら確かにこうなるかも!と思わせてくれるシーンが多数あります。

 自分も小学生の頃、『ポケットモンスター』が流行した世代なので、この映画でめちゃくちゃ興奮してしまいました。

 以下の三点からこの作品の魅力について触れていきたいと思います。

・ところせましと駆け回るポケモン達、ポケモンと人間の共存関係

・原作への愛とリスペクトが盛りだくさんの本編、そしてエンディング

・海外における『ポケットモンスター』の認識、人気ポケモン

ところせましと駆け回るポケモン達、ポケモンと人間の共存関係

 この映画ではピカチュウはもちろんのこと、初代から変わらぬ人気を持ち続けるコダック、メタモン、リザードン、ヒトカゲ、ゼニガメ、プリン、バリヤード、カメックス、ゲンガー、コイキング、ギャラドス、フシギダネ、ミュウツー、カイリキー、カビゴン、ガーディ、ウインディ、フシギバナ、ピジョット、コラッタ等の第1世代から上映当時最新の第7世代まで本当に多くのポケモンが描かれています。

 どのシーンにどのポケモンがいるか、合計何種類のポケモンがいるのか確認するだけでもきっとこの映画を楽しめると思います。

 

 たこ焼きを焼くオクタン、中華鍋に火を入れるヒトカゲ、ポップコーンの売り子をしているヤンチャム、カフェで働くルンパッパや消火活動をするゼニガメ等、この世界では多くのポケモンが人と協力し合いながら生活しています。

 もちろん、仕事を手伝ってもらうだけではなく、一緒にご飯を食べたり、一緒に散歩したり、ポケモンとの時間の過ごし方は人それぞれ。

 自分だったらどのポケモンを相棒ポケモンにして、何をして遊ぼうかそういう妄想も膨らむ作品になっています。

 ちなみに僕の一番好きなポケモンはアブソルなので永遠にモフモフしていたいですね。しかしながら、劇中に出てきたタブンネがあまりに可愛すぎてこの記事を書きながら3時間ぐらいリピートしてタブンネのシーンを見ています。

 

 一番ポケモンが生き生きと活躍してるなと思ったのはバリヤードのシーン。事件の手がかりを知っているバリヤードに対して、ティムとピカチュウが尋問をするのですが、バリヤードは一切喋らずパントマイムでそれに応えます。

 ティムはバリヤードに合わせて、パントマイムでバリヤードの領域に入り見事バリヤードから手掛かりを教えてもらいます。実写映画ならではの演出だと思いましたし、ティムがポケモンのことを大好きなのも伝わってきました。

 ピカチュウの「このポケモン野郎!」という罵倒も非常に面白かったですね。 

原作への愛とリスペクトが盛りだくさんの本編、そしてエンディング

 愛とリスペクトが詰まりすぎててどこから話せばいいのか悩ましいですが、吹き替え声優の話をします。

 

 視聴されている多くの方がお気づきだとは思いますが、アニメ『ポケットモンスター』シリーズでムサシ等を演じた、林原めぐみさん、コジロウ等を演じた、三木眞一郎さん、ニャース等を演じた犬山イヌコさん、サカキ等を演じた三宅健太さん、シトロン等を演じた梶裕貴さん、カキ等を演じた石川界人さん達が吹き替え声優を担当しています。

 これまでアニメ『ポケットモンスター』シリーズを見てきた我々にとっては過剰すぎるサービスとなっています。

 また、ピカチュウ役の大谷育江さん、コダック役の愛河里花子さん、キモリ役のうえだゆうじさん、プリン役のかないみかさん等、アニメでポケモンの声優をしていた方がそのままこの映画でもポケモンを演じてくださっています。

 聴き馴染みのある声が、ハリウッド版の実写映画からも聴けるのは本当に素晴らしいですね。

 

 そしてやはり、この作品は『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』をリスペクトしている部分が非常に多いと皆さんも感じたことと思います。

 『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』は国内の人気はもちろん、全米興行収入記録は8,000万ドルとされており、アメリカで最も成功した邦画であります。

 遺伝子操作という観点で話が進んでいくのはもちろん、ミュウツーの境遇としてもかなり『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』に近しいところが多かったですね。

 終盤のピカチュウとコダックが抱き合うシーンもそれとなく『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』のラスト付近のシーンを連想させます。

 今思うと、1998年の段階で遺伝子操作というテーマを扱い、クローン技術や差別問題、本当の自分とはなにかという問いかけを残した『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』がいかに革新的な作品だったか考えさせられます。

 

 ストレスで頭痛を起こすと「ねんりき」を発生させるコダックや、「うたう」で人を眠らせるマイクを持ったプリンは初代のアニメを見ている人だったら誰もが懐かしいなあとサトシ、カスミ、タケシたちの冒険を思い出すことでしょう。

 

 違法に行われていたポケモンバトルのシーンも、「きゅうしょにあたった!」「こうかはばつぐんだ!」のような表現が多くされており、ゲームをプレイしたことのあるプレイヤーなら思わずニヤリとしてしまいます。

 コイキングがはねるしかできない状況からギャラドスに進化してリザードンを圧倒するシーンも、我々のイメージ通りという感じで非常に熱かったです。

 

 最後まで見るとより一層染み渡る、冒頭のカラカラをゲットしようとするシーン。母親の骨を頭にかぶるカラカラと母の死と向き合えていなかったティムの体面を冒頭に持ってくるのは非常に良くできた構成だなと感じました。

 

 そして極めつけはエンディング。みんな大好き『ポケットモンスター 赤・緑』のメインテーマアレンジに乗せて、コミックをイメージした構成でポケモン達のアニメーションイラストがバンバンと流れてきます。後ろのコミックに記載されている文字も日本語で、こんなにもポケモン愛が深いスタッフたちが作ってくれたんだなあと思うと涙が出てきてしまいますね。 

海外における『ポケットモンスター』の認識、人気ポケモン

 きっと皆さんも思ったことでしょう、ゲッコウガ人気すぎでしょ(笑)と。

 序盤の屋台のシーンから終盤の研究所のシーンまで、出ずっぱりだった気がしますし、良い面も悪い面もたくさん見せてくれました。

 日本でも、アニメでサトシゲッコウガになる等、非常に人気で、レート対戦においても良く使われているポケモンですが、やはりアメリカは忍者が大好きなんだなあと改めて実感しました。

 研究所でルーシーがいたところに戻ると、そこにルーシーの姿はなく、上から降ってくる液体に目を向けると天井に張り付いたゲッコウガとルーシーが…!みたいな展開は洋画でよく見かける演出でかつ、忍者っぽさも出ていて和洋折衷って感じでしたね(?)。

 

 さっきまで歩いていた地面が急に動き出したと思ったらドダイトスの背中だった!のシーンは容易に想像できますが、ワクワクしてしまいますね。こういう大きいスケールの展開をするのはハリウッド映画ならではだなと思います。『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』のドダイトスの図鑑には、

おおむかしの ひとびとは だいちの したには きょだいな ドダイトスが いると くうそう していた。

 という記載もあり、子供心をくすぐる素晴らしいポケモンだなと改めて思いました。アニポケでは弱かったけど。

 

 そして一番かっこいい活躍をしたポケモンはなんといってもメタモンでしょう。変身しても眼が変わらないという特徴を残しつつ、ドゴーム、ルーシー、カイリキー、カラカラ、ウォーグル、バッフロン、リザードンと変身し、ティムを追い詰めていく姿は圧巻でした。MARVELヒーローのようなあの立ち回りはきっと海外でも大人気のはずです。

 

 ディアルガ、パルキア、アルセウスも像として登場しており、テレビシリーズよりも劇場版のほうが海外ではポピュラーなのかなと想像したり、モフモフ系のポケモンが非常に多く登場していたり、日本と海外で微妙に異なる『ポケットモンスター』の認識を考えながら見るのも非常に楽しかったです。

配信情報

 各種サービスにて配信中です。金曜ロードショーを見逃してしまった方はぜひこちらからチェックしてみてください!

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おわりに

 あまりアニメの実写化に好印象を持っていない自分でしたが、めちゃくちゃ楽しむことができました。今後は食わず嫌いせず、実写化作品にも手を出していきつつ、感想記事を描けたらと思います。

  最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。もし記事が良かったなと思ったらSNSへのシェア、Twitterのフォロー等、ぜひともよろしくお願いいたします。

 今後もアニメに関する記事を毎日投稿していきますので、ぜひご覧ください。

 また次の記事で!