『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』。
1998年に公開された、伝説の『ポケットモンスター』劇場版第1作です。
ポケモンを知らない人が見ても楽しめる、自分の存在意義という大きなテーマは国の内外を問わず高く評価され、2019年にはフル3DCGでリメイクされた『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』も公開されました。
そして今回、あのミュウツーがテレビアニメに登場。
サトシが劇場版の記憶を引き継いでいるのかどうかも、放送前から大きな話題を呼んだ、
第46話「バトル&ゲット! ミュウツーの復活」について語っていきたいと思います。
『ポケットモンスター』とは
あらすじ
ポケットモンスター、縮めてポケモン。
この星の不思議な不思議な生き物。
空に、海に、森に、街に、世界中の至る所で
その姿を見ることができる。
これは、ポケモンバトルで
最強を目指す少年“サトシ”と、
すべてのポケモンをゲットするという
夢をもつ少年“ゴウ”の物語である。
サトシのパートナー“ピカチュウ”、
ゴウのパートナー“ラビフット”をはじめとする
たくさんのポケモンたちとともに、
今、無限に広がるポケモン世界への冒険がはじまる。
さぁ…
夢と冒険と!
ポケットモンスターの世界へ!レッツゴー!
スタッフ
総監督:冨安大貴『ピカイア!シリーズ』
監督:小平麻紀
クリエイティブスーパーバイザー:湯山邦彦『魔法のプリンセス ミンキーモモ』『うしおととら』『スレイヤーズ』
シリーズコンストラクション:米村正二『モンスターファーム』『ONE PIECE』『波よ聞いてくれ』
キャラクターデザイン:安田周平
音響監督:三間雅文
音楽:林ゆうき『僕のヒーローアカデミア』『スター☆トゥインクルプリキュア』『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』
キャスト
サトシ:松本梨香
ゴウ:山下大輝
ピカチュウ:大谷育江
サクラギ博士:中村悠一
コハル:花澤香菜
オーキド博士:堀内賢雄
ムサシ:林原めぐみ
コジロウ:三木眞一郎
ニャース:犬山イヌコ
ソーナンス:うえだゆうじ
第46話「バトル&ゲット! ミュウツーの復活」
あらすじ
絶海の孤島・セロアイランドで、ミュウのものと思われるサイコエネルギーが確認された!
サトシとゴウは期待に胸を膨らませ、調査に向かう。
ミュウを求め、ポケモンたちと協力しながら過酷な島を進んでいく2人。
冒険の果てに出会ったのはミュウ・・・ではなく、ミュウツーだった!
サトシとゴウの「夢」をかけたバトルがはじまる!!
スタッフ
脚本:米村正二
絵コンテ:冨安大貴
演出:浅田裕二
作画監督:岩根雅明、志村泉、山崎玲愛、柳原好貴、酒井裕末、高星祐平
ピックアップポイント
いつもと全然違うアバン&ミュウのポケモンしりとり
御三家や各タイプの代表ポケモン、各世代の伝説ポケモンなど今までの『ポケットモンスター』の歴史を振り返るようにして始まったアバン。
サブタイトルはもちろん、すでにこの時点で他の回とは違うただならぬ雰囲気を感じます。
そしてここから要注目。
このカプ・コケコが、
コイルに変身。
「コイル祭り」があったり、ポケモンの歴史を語る上では欠かせないポケモンの1匹です。
そしてコイルがDNAの二重らせん構造を登りながらルカリオに。
ルカリオはオドシシに。
オドシシはシキジカに。
シキジカはカミツルギに。
カミツルギはギルガルドに。
ギルガルドはドラメシヤに。
ドラメシヤはヤミラミに。
そしてヤミラミがミュウに。
ミュウが全てのポケモンのDNAを持っているというわかりやすい表現ですが、
カプ・コケコ→コイル→ルカリオ→オドシシ→シキジカ→カミツルギ→ギルガルド→ドラメシヤ→ヤミラミ→ミュウ
というしりとりになっています。
注意して見ないと見落としてしまう細かい小ネタです。
ちなみにエンディングテーマ「ポケモンしりとり」には、ルカリオ→オドシシ以外の流れは存在しないオリジナル。
スタッフの強いポケモン愛が感じられます。
どうでもいいですが、昔「ポケモン言えるかな?」は、しりとりになっていないのに覚えられていて、「ポケモンしりとり」は覚えられていないことに自分の老化を感じずにはいられません。
サトシとゴウはサクラギ博士からセロアイランドにて、そのミュウの反応があったとの情報を受け取り、調査の冒険へ出発。
海に浮かぶ孤島で二人を待ち受けているものとは。
懐かしの初代『ポケットモンスター』序盤のポケモン達
島に入って早速出くわしたのは、ポッポ、バタフリー、オニスズメ、マンキー。
ゲームでもアニメでも、『ポケットモンスター』序盤のポケモン達と言えばまさにこの並びだろうというメンツが勢揃い。
今回がミュウツー回ということで、久しぶりに見たポケモンファンの心をがっちり掴む素晴らしいラインナップです。
トラブル続きの楽しい冒険
マンキーを一匹捕まえたところ、群れの他のマンキーが怒り出し、サトシとゴウは猛ダッシュで退散。
ところがその先には底なし沼が。
ヘラクロスのA125の力で、底なし沼から何とか引き上げてもらい一命をとりとめます。
キャタピーの吐いた糸を伝って沼を渡ろうとすると、沼の中からキングラーが。
軽快なBGMに併せてキングラーの攻撃を避けるコミカルな描写です。
沼を渡り、今度は川を渡ろうとして現れたのはギャラドス。
普通の川にこのサイズのギャラドスがいたらビビり散らかしますが、サトシはスーパーマサラ人なので臆することはありません。
ハイドロポンプで弾き飛ばされるも、ジュゴンの背中に乗ってなんとか無事に…
と思いきや、その先は滝。
抵抗むなしくサトシたちは滝から落下し気を失ってしまいます。
ジュゴンとギャラドスと言えば、チョウジジムでの赤いギャラドスのエピソードとジムリーダー・ヤナギさんを思い出す人も多いのではないでしょうか。
ヘラクロスも、キングラーも、ギャラドスも、アニメではサトシの大切な仲間だったポケモン達。
展開上全く違和感なく登場してきて、ノスタルジックな気持ちにさせてくれます。
シンプルな島の冒険感がまた少年心をくすぐるんですよね。
サトシとゴウの前に現れたミュウツー
ミュウツーと言えばこの曲「ミュウツーの目覚め」。
誰もが聴いたことがあるであろうあのBGMと、市村正親さんの太く重たい声。
出てくるとはわかっていても流石の迫力です。
サトシは、ミュウツーの姿を見ると、
「ミュウツー…」
とつぶやきます。
もし『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』の記憶がないなら、ミュウツーの名前を知るはずがないサトシ。
どうやら記憶を保持しているようです。
ミュウツーの面接
ミュウツー「ミュウを探しているのか?見つけてどうする?」
ゴウ「ゲットする、俺全てのポケモンをゲットしてミュウにたどり着くのが夢なんだ。」
ミュウツー「ほう、全てのポケモンをゲットすると何故ミュウにたどり着く?」
ゴウ「ゲットすることが知ることだって俺は思ってる。色んなポケモンをゲットしてもっともっと知りたい。全てのポケモンを知ることが出来れば全てのポケモンの遺伝子を持つミュウにたどり着けるんだ。」
ミュウツーの難しい質問に対して完璧な解答をするゴウ。
中途半端な想いではミュウツーの圧倒的雰囲気の圧迫に言葉を詰まらせていたはず。
ゴウの絶対にミュウにたどり着くんだという想いの強さを感じます。
ミュウツーとのバトル
ミュウツーもポケモン。
ゴウは全てのポケモンをゲットするため、サトシはポケモンの中で最も強いミュウツーと戦ってポケモンマスターに近づくため、ミュウツーにバトルを挑みます。
初手はピカチュウとエースバーンの相棒コンビ。
アイアンテールとブレイズキックではミュウツーに触れることすらできません。
連携して攻撃するも、10万ボルトをシャドーボールで打ち消され、吹き飛ばされるピカチュウ。
劇場版でも見たことがあるアングルで、ピカチュウをかばうサトシの姿が見られました。
人型・二足歩行ポケモン対決
人型・二足歩行ポケモン統一パーティでレートに潜るほど、人型・二足歩行ポケモンが大好きな自分。
二足歩行ポケモン界のレジェンド・ミュウツーに、エースのルカリオ、そして期待の新人エースバーンという、夢のバトルが開始。
このドリームマッチに全ての人型・二足歩行ポケモンファンが歓喜したはずです。
かげぶんしんとでんこうせっかの連携技。
前傾姿勢の走り方が非常に良く似合っています。
エースバーンが突っ込んでる内に、ルカリオははっけいを繰り出しますが、ミュウツーにわずかなダメージを与えることさえできません。
きしかいせいとブレイズキックで再度攻撃を仕掛けるも余裕で止められ、しっぽで薙ぎ払われるルカリオとエースバーン。
それほどまでにミュウツーの壁は高く遠い。
全身全霊のかげぶんしんからのはどうだんと、かえんボール。
この攻撃に最後の望みを託します。
しかし、その攻撃さえもミュウツーには届かず。
超巨大なシャドーボールで、ルカリオとエースバーンだけでなくサトシとゴウごとまとめて戦闘不能に。
気持ち良いほどの完敗です。
「世界は広い、お前たちには想像もできないポケモンもたくさんいる。それでも追えるのか、夢を。」
「「追うさ、追い続ける!こいつらが側にいてくれるから!」」
人間に酷い目をあわされたポケモンを保護していたミュウツー
「お前たちは正しく絆を結んでいるようだ。」
「だが、そうでない奴らもいる。」
「ここは人間の来るべきところではない、だが久しぶりに楽しい時間を過ごせた。」
「弱く儚く未熟な者たちよ、だがそれゆえ無限の可能性を秘めた者たちよ、お前たちの旅はまだ始まったばかりだ。」
二人に大切な言葉を残し、去っていくミュウツー達。
今も昔も、ポケモンという存在を非常に大切に考えるミュウツーの一貫した姿は変わりません。
未来は俺たちの手の中
ミュウツーが気を利かせて、二人をサクラギ研究所まで送ってくれていました。
バトルを振り返り、この貴重な体験を胸に、また明日へ向かって走り出すサトシとゴウ。
未来はいつだって前に進み続ける二人の手の中にあるのです。
配信情報
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