異世界×お仕事。
異世界に行ってある程度強くなると、国の運営をしたり、お店を開いたりして商業的な成功を収める作品は多くありました。
『社長、バトルの時間です!』は異世界転生して即社長になる珍しい設定。
会社経営の難しさなど小ネタも多かった本作の魅力について語っていきたいと思います。
『社長、バトルの時間です!』とは
©KADOKAWA・でらゲー・PREAPP PARTNERS/「シャチバト!」製作委員会
あらすじ
今度の「異世界」は一味違う職場です。
世界の中心、ゲートピア…。
かつて世界は果てしない荒廃が続くばかりの魔境だった。
そこへ天から女神が舞い降り、天空に巨大な「門」が出現。
人々は「門」の中に世界を維持する奇跡のエネルギー、キラクリが存在することに気づく。
月日は流れ、ゲートピアは都市として発展。
「門」のダンジョンの中で専門的にキラクリを採取するトレジャーハンターが登場。
世界を維持する奇跡のエネルギーは。キラクリハンターの手にゆだねられている。
主人公・ミナトはある日突然、幼馴染のユトリアに呼び出される。
淡い期待をもって向かったその場所で、ミナトはユトリアに告げられる――
「わたし、あなたのこと…社長に向いていると思ってたの!」
こうして先代の後を継ぎ、ミナトの冒険社長ライフが始まったのだった。
スタッフ
原作:KADOKAWA・でらゲー・PREAPP PARTNERS
監督:池下博紀
シリーズ構成・脚本:猪原健太『幼女戦記』『慎重勇者 ~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~』
キャラクターデザイン・総作画監督:渡邊敬介『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』
衣装デザイン:後藤望
総作画監督:齋藤温子
モンスターデザイン:有澤寛『ビビッドレッド・オペレーション』『ガンダムビルドファイターズ』『彼方のアストラ』
キーアニメーター:松尾信之
総動画監修:髙橋知也
美術監督:瀬川孟彦(スタジオちゅーりっぷ)
美術設定:池田勉(スタジオちゅーりっぷ)
色彩設計:高木雅人
背景:スタジオちゅーりっぷ
プロップデザイン:水村良男
3Dディレクター:向純平
撮影監督:小野寺正明
編集:柳圭介
音響監督:伊藤巧(HALF H・P STUDIO)
音響効果:北方将実(フィズサウンドクリエイション)
音楽:橋本由香利
音響制作:HALF H・P STUDIO
音楽制作:日本コロムビア
アニメーション制作:C2C
制作:「シャチバト!」製作委員会
キャスト
ミナト:堀江瞬
ユトリア:市ノ瀬加那
アカリ:和氣あず未
マコト:青山吉能
ガイドさん:堀江由衣
ライバー:八代拓
ヴァル美:上坂すみれ
スバル:茜屋日海夏
おすすめポイント
アニメを見ている層は会社経営や、お金の話を嫌っている人が多いイメージで、ある意味"禁断のテーマ"を取り扱った本作。
あまりにリアルな会社経営の話は実写でやればいいですからね。
そんな"禁断のテーマ"を扱いつつも、ファンタジー要素との兼ね合いで絶妙なバランス感覚を見せてくれました。
オタクの年齢層が上がっていくにつれて、こういう作品は増えるかもしれないですね。
そんな『社長、バトルの時間です!』の魅力を以下の3つのポイントからお話していこうと思います。
・異世界ファンタジーのワクワク感と会社経営のリアリティの融合
・ムチムチして可愛い、絶妙に愛着がわく魅力的なキャラクターデザイン
・和氣あず未待望の初タイアップとふんわり優しい気持ちになれる両主題歌
異世界ファンタジーのワクワク感と会社経営のリアリティの融合
ある日、幼馴染のユトリアに異世界へ呼び出され、社長になって欲しいと提案を受けるミナト。
ミナトは行方を晦ませた父親に代わって、倒産寸前のキボウカンパニーの社長になることを決意しました。
財政難の会社を救うため、先代社長が博物館に寄贈してしまった財産を引き取ろうと考えます。
ところがその財産を引き取るためには、多額の相続税が必要に。
相続税のために、賞金レースや、一獲千金の宝探しに出かけます。
無事に相続税分の資金を調達し、経営難を何とか脱したキボウカンパニー。
その後もレアアースを求めて機械化ダンジョンへ入ったり、世界を維持する奇跡のエネルギー「キラクリ」を求めてさらに難易度の高いダンジョン攻略に挑みます。
とにかく利益を上げて"会社を大きくしていきたい"という目標に突っ走っていくため、より大きな報酬が得られるところにどんどんチャレンジしていく姿は大変理にかなっているなあと感じられます。
キボウカンパニーの中でも、利益を上げる方法について、一人一人考え方が違うという描写があります。
危険を冒してでもどんどん難易度の高い仕事にチャレンジしていこうという意見。
安全に堅実に少しずつでもいいから慎重にお金を稼いでいこうという意見。
そういった複数の意見を取りまとめて、会社の方針を決定するミナトは、穏やかで優しく、それでいて的確な判断ができる理想の社長として描かれました。
第7話「中間決算」では、会社の経理を担当するガイドさんのお話が描かれました。
山積みになった書類を超スピードのタイピングで片付けていくガイドさん。
ミナトに依頼した少しの書類にも間違いを見つけ、的確に修正指示を出していました。
ファンタジーの世界観でも紙媒体の書類と闘わないといけない、経理の悲しい性を見て、同じく会社で経理をしている自分も思わず涙してしまいました。
社長や他の社員も経理が何をやっているかはよく理解しておらず、気が付いたら中間決算も終わっていた。
決算業務を手伝うことはないけれど、賞与にはやたらと食いついてくるキャラクター。
思わず苦笑いしてしまうリアリティがあって非常に面白かったです。
その一方で、業務内容がダンジョン探索、マジューの討伐、お宝の回収と一つ一つの仕事が大変魅力的でした。
これが飲食事業とか不動産売買とかあまりにリアルすぎる内容だったらちょっと辛くて見られなかったかもしれないですね。
ちょくちょく出てくる、社会人に役立つ知識もためになったものもありました。
仕事が辛いなあと思っている人に程見て欲しい、羨ましくなってしまうような異世界会社経営ファンタジーです。
ムチムチして可愛い、絶妙に愛着がわく魅力的なキャラクターデザイン
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』などで活躍しているアニメーター、渡邊敬介さんがキャラクターデザインを担当する本作。
主人公のミナトからはじまり、どのキャラクターも妙にムチムチしていて非常に可愛らしかったです。
お酒を飲んでいる描写も多かったので、会社勤め成人女性特有の肉付きを表していたのかもしれません(?)。
©KADOKAWA・でらゲー・PREAPP PARTNERS/「シャチバト!」製作委員会
市ノ瀬加那さんが演じるメインヒロインのユトリアさん。
輪郭の丸っこさも可愛いし、太もものムチムチ感もめちゃくちゃ良いですよね。
上半身はYシャツのようなしっかりとした服に小さい赤いネクタイがチャームポイントです。
下半身は逆に巫女服みたいな特徴的なデザインで、リアリティとファンタジーの融合を表しているのかもしれません。
頭についている頭の悪そうなアクセサリも絶妙に可愛いです。
こんな同僚が欲しいキャラクターランキング堂々の第1位。
©KADOKAWA・でらゲー・PREAPP PARTNERS/「シャチバト!」製作委員会
和氣あず未さん演じる猪突猛進戦士系女子のアカリさん。
え、初〇ミクさん!?
この髪色でツインテールにしたらどんな顔でもきっとそう見えてしまいますよね。
性格は非常に強気でダンジョン攻略もバトルも大好きな女の子です。
その一方で、可愛いものや甘いものも大好きというギャップが非常に魅力的。
角を思わせる頭のアクセサリと、ピンクのハートのロゴが可愛いポーチ、ハートの形にかたどられたワンピース、色気を感じさせない男っぽいパンツ。
アカリさんの魅力である二面性がしっかりと表現されたデザインになっています。
快活に笑うアカリさんの笑顔には多くのオタクがオトされたことでしょう。
こんな先輩が欲しいキャラクターランキング堂々の第1位。
©KADOKAWA・でらゲー・PREAPP PARTNERS/「シャチバト!」製作委員会
青山吉能さん演じる真面目で心優しい僧侶のマコトくん。
ポーズから何から真面目で素直な雰囲気が感じられます。
僧侶であっても中にしっかりとワイシャツとネクタイを付けるのが『社長、バトルの時間です!』らしさ。
体の大きさに不釣り合いな大きい帽子や、裾をまくったズボンなどショタ特有の可愛らしさが詰まっています。
腰に二つの大きなポーチと、背中に大きいリュックを装備しており、植物好きな少年らしい大きな好奇心がそこには入っています。
劇中でも結構顔を崩して描かれることが多かったのですが、その崩れた表情もまた可愛い。
こんな後輩が欲しいキャラクターランキング堂々の第1位。
他にも男性女性問わず、魅力的なキャラクターが多数登場します。
こんな会社で働きたいなあときっと感じられると思います。
また最近の『ガンダムシリーズ』では、なくてはならない存在になったアニメーター、有澤寛さん。
有澤さんが手掛けるモンスターデザインも非常に個性的で、強そうであり、かつ可愛い面もある各ダンジョンのモンスターにも着目して見てもらえればなと思います。

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和氣あず未待望の初タイアップとふんわり優しい気持ちになれる両主題歌
『ウマ娘 プリティーダービー』のスペシャルウィーク役を筆頭に人気急上昇中の和氣あず未さん。
2020年にアーティストデビューを果たし、そして本作で待望の初タイアップをゲットしました。
そんなOPテーマは、
「Hurry Love」/ 和氣あず未(作詞・作曲:俊龍 編曲:Sizuk)
TVアニメ「社長、バトルの時間です!」OPテーマ「Hurry Love」視聴動画
小倉唯さんの「Baby Sweet Berry Love」、三森すずこさんの「ミライスタート」など数々の名曲を世に送り出してきた、俊龍・Sizukコンビ。
今回の楽曲も非常に心地よい疾走感が感じられるナンバーになっています。
OP映像もサビで一気に加速して、サビ後半のミナトが駆け出すところは非常に気持ち良いですね。
最後のキボウカンパニーの社員がミナトを待って手を差し伸べるシーンはこのアニメの暖かさが詰まっています。
「経験不足」、「イノベーション」、「ベンチャー」、「スキル」など会社経営にまつわるワードも歌詞に散りばめられており、『社長、バトルの時間です!』の世界観にぴったりです。
きっと10年後にこの曲を聴いても『シャチバト』の曲だ!と思い出せることでしょう。
EDテーマは、
「おやすみ」/ ユトリア(市ノ瀬加那)(作詞・作曲・編曲:武田城以)
TVアニメ「社長、バトルの時間です!」EDテーマ「おやすみ」視聴動画
『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。』の「魚心くんソング」や、『アクションヒロイン チアフルーツ』の「情熱☆フルーツ」などコアなファンが多い武田城以さんが担当した楽曲。
絵本チックに描かれるゲートピアの街中やダンジョンへの道中が描かれるED映像。
飛び出す絵本を見ているような感覚と、ユトリアを演じる市ノ瀬加那さんの優しい歌声はまるで子守唄のようです。
歌詞も非常に子守唄のように優しく、
今日も一日お疲れ様、
楽しい一日だったね、
明日も一緒に頑張ろうね。
と背中を押してくれる内容になっています。
お金を稼ぐという目的はあるものの、大きすぎるハプニングもなく、キボウカンパニー一同で毎日楽しく仕事をしてきた日々が思い返されます。
こんな優しい気持ちで毎日出勤出来たらなんて素晴らしいんでしょうね。
絶望に包まれた日曜の夜にはこの曲を聴いて眠りにつくのが良いかもしれません。
配信情報
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仕事に疲れて癒されたい方にぜひおすすめしたい作品です。