共依存。
依存症者に必要とされることに存在価値を見いだし、ともに依存を維持している周囲の人間の在り様。
人間は社会的な生き物なので、大小様々ありますが他人に依存しながら生きています。
依存される側もそれを心地良いと感じ、その関係を継続させてしまうのが共依存。
今回はそんな"共依存"状態に近しい関係であるヒッキー、雪乃、結衣の3人の関係性がまた大きく動き出す、
第8話「せめて、もうまちがえたくないと願いながら。」について語っていきたいと思います。
『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』とは
©渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。完
Copyright© 1995-2020, Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved.
あらすじ
過去のトラウマと、独自のひねくれた思考回路によって
「ぼっち生活」を謳歌しているように見える比企谷八幡は、
ひょんなことから生活指導担当教師、平塚 静に連れられ「奉仕部」に入部する。
同じ部に所属する息を呑むほどの完璧美少女・雪ノ下雪乃や、
クラスの上位カーストに属するギャル・由比ヶ浜結衣とともに、
クラスメイトの人間関係の問題の解決から生徒会の手伝いに至るまで、
数々の案件をこなす毎日をすごしていた。
季節は移ろい、春。
雪乃から最後の依頼を受けた八幡と結衣。
3月の卒業式を控えた中、いろはからプロムの協力を求められ…。
――本物を求めた八幡は3人の関係を変えていく。
果たしてこの先、彼の高校生活はどんな結末を迎えるのか!?
スタッフ
原作:渡 航(小学館「ガガガ文庫」)
キャラクター原案:ぽんかん⑧
監督:及川 啓『みなみけ おかえり』『アウトブレイク・カンパニー』『ウマ娘 プリティーダービー』
シリーズ構成:大知慶一郎『金色のコルダ Blue♪Sky』『ヒナまつり』『五等分の花嫁』
キャラクターデザイン:田中雄一『LAST EXILE』『とある魔術の禁書目録』『スクールガールストライカーズ Animation Channel』
美術監督:池田繁美、丸山由紀子
美術背景:アトリエムサ
色彩設計:岩井田 洋
撮影監督:中村雄太
編集:平木大輔
音響監督:本山 哲
音響制作:デルファイサウンド
音楽:石濱 翔(MONACA)、高橋邦幸(MONACA)
音楽制作:NBCユニバーサル・エンターテイメント/マーベラス
制作スタジオ:feel.
キャスト
比企谷八幡:江口拓也
雪ノ下雪乃:早見沙織
由比ヶ浜結衣:東山奈央
一色いろは:佐倉綾音
比企谷小町:悠木 碧
戸塚彩加:小松未可子
葉山隼人:近藤 隆
材木座義輝:檜山修之
平塚 静:柚木涼香
雪ノ下陽乃:中原麻衣
三浦優美子:井上麻里奈
海老名姫菜:ささきのぞみ
川崎沙希:小清水亜美
戸部 翔:堀井茶渡
第8話「せめて、もうまちがえたくないと願いながら。」
あらすじ
ダミープロムの公式サイト用写真を撮影するため、三浦、海老名、結衣と浜辺に来た八幡。
海老名の協力もあり撮影を終え、公式サイトが立ちあがる。
「これをうまくリークしてほしいんです」
八幡が相談を持ちかけたその相手とは…?
スタッフ
脚本:大知慶一郎
絵コンテ:池端隆史
演出:鈴木龍太郎
作画監督: 五十子忍、川島尚、五十子忍、川島尚、立田眞一、林信秀、細田沙織、劉云留
総作画監督:清水慶太、柳川沙樹、穂積彩夏
ピックアップポイント
王道を行く葉山と邪道を行くヒッキー
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クラスの中心人物で成績優秀、人望も厚く、部長を務め、誰からも愛される葉山。
どこまでもヒッキーと正反対の人間として描かれる葉山に、
プロムの当て馬企画への協力を依頼するところから第8話は始まります。
飲んでいるコーヒーも王道のブラックコーヒーと邪道のマックスコーヒー。
かつて雪乃が孤立していた時、全力で助けるべきだったと後悔する葉山。
あくまで遠回しに、共依存じゃないことを証明しながら助けようとするヒッキー。
葉山の圧倒的な正しさがあるからこそ、ヒッキーのヒッキーらしさが際立ちます。
そんな正反対の二人が、それでもちゃんとわかり合っている雰囲気には青春を感じずにはいられません。
HPの完成
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結衣とあーしさんと海老名さんの非常に絵になる一枚がトップページ。
写真撮影に戸惑うヒッキーにカメラの使い方を伝授する海老名さんは、やっぱり腐女子だからそういうことにも精通しているということなのでしょう。
当て馬企画としては高すぎるクオリティのHP。
後はこれをいかに保護者側にリークするかが肝。
どうやらヒッキーには当てがあるようで…
共依存
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当てというのは雪乃の姉、陽乃。
リークに関しては協力的な姿勢を示してくれたものの、ヒッキーと雪乃と結衣の関係性についてはグサグサ痛いところをついてきます。
キーワードはやはり「共依存」。
雪乃はあくまで協力を求めておらず、ヒッキーが勝手にやっている行動が実質的に協力になっているという回りくどいやり方は、どうしようもなく「共依存」な関係性なのかもしれません。
雪乃の母・再
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当て馬の案に対して、保護者から意見が出ていると話を持ってきた雪乃の母。
いくら当て馬があろうと、既存のプロム案が改善されようと、保護者に納得してもらえるかどうかは別の話。
ヒッキーは雪乃の母の口から保護者を説得するようにしてもらえないかと、お願いをします。
そのために使うカードは、懐かしき入学式の日の交通事故。
雪ノ下家の車に轢かれたことを利用し、その罪悪感に付け込むヒッキーらしいまさに最後の手段です。
全てを見通したうえで、雪乃の母は承諾。
最強のクイーンとの勝負は、理想の形で終幕を迎えます。
悩む結衣
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陽乃との話し合いが終わった後、再度陽乃の元を訪れていた結衣。
何かしてあげたい、
辛そうだったら応援してあげたい、
ずっと一緒にいたいから側にいて助けてあげる。
それは当たり前のことで「共依存」なんかじゃないと主張します。
「共依存」なら、こんなにも胸が痛むはずがない。
3人の関係性をどう見るかはきっと一人一人の視聴者の経験によっても変わってくるでしょう。
個人的には、やはりどんなに言葉を尽くしても自分の存在意義を他人に見出している現状は「共依存」と呼ぶべき関係性なのかなと感じています。
ヒッキーと雪乃
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雪乃のプロム案が通ったことを報告しに来たヒッキー。
二人の勝敗は決しましたが、互いの行動を前提とした作戦にどちらかの明確な勝利を謳うことはできません。
同時に、負けた方が相手の言うことを聴くという条件も非常に曖昧。
結局、2人の勝負は"直接的に協力し合っているわけではないという建前"のために必要だった見た目上の勝負でしかなかったのです。
理解したうえで、この曖昧な関係性を、勝負を終わらせるために雪乃のいうことを何でも聴くと答えるヒッキー。
雪乃の願いは、
「由比ヶ浜さんのお願いを叶えてあげて。」
ああ、本当にこの3人は…
お互いにお互いのことを想い過ぎているが故に不器用に進んでいく3人の関係性。
その終わりが一歩一歩、足音を立てながら近づいてきています。
おわりに
第3期の大きな主題であるプロムの準備段階が一応この話をもって終わりを迎えました。
第1期、第2期で描かれてきた3人の関係性があったからこそ、絶妙な距離感だったプロムのお話のもどかしさは心にくるものがありました。
しかしまだまだ本番はこれから。
この関係が終わり、その先に待つ結末はどんな形なのか。
楽しみな気持ちもありつつ、既に胸が痛くて痛くてたまりません。
ヒッキーたちが紡ぐ言葉1つ1つを噛みしめながら、最終回まで楽しんで見ていきましょう。
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今後もアニメに関する記事を毎日投稿していきますので、ぜひご覧ください。
また次の記事で!