元気玉。
『ドラゴンボールZ』で描かれた、みんなの想いを力に変える非常にわかりやすい必殺技です。
今まで出てきたキャラクターを登場させやすく、感情描写もしやすいし、視聴者にとっても嬉しい良いとこ尽くし。
今回はいわゆる元気玉展開を用いながらも、キリトとユージオ二人の絆もしっかりフィーチャーして描いたアリシゼーション編の集大成、第20話「夜空の剣」について語っていきたいと思います。
『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』とは
「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」最終章第2弾PV
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
あらすじ
《最終負荷実験》という名の、アンダーワールド全土を巻き込んだ《人界》軍と闇の軍勢の戦争。
戦局は、《光の巫女》アリスの奪取を目論む《ダークテリトリー》軍ガブリエル一派と、
アンダーワールドを守ろうとする《人界》軍アスナたちとの戦いへと様相を変えつつあった。未だキリトが精神世界の奥深くで眠り続ける中、《暗黒神ベクタ》ことガブリエルは、
現実世界から幾万もの米国プレイヤーたちをログインさせ、《人界》軍の一挙殲滅を狙う。
対するアスナたちは、アンダーワールド創世の神の名を冠する3つのスーパーアカウントで抗戦する。《創世神ステイシア》のスーパーアカウントを得たアスナは、
《人界》軍とともに米国プレイヤーと死闘を繰り広げ、
《太陽神ソルス》のスーパーアカウントを得たシノンは、アリスを拉致したガブリエルを追う。
そして、《地神テラリア》のスーパーアカウントを得たリーファも、アンダーワールドへとたどり着く。それだけではない。リズベットの気迫こもった檄に応じた《ALO》のプレイヤーたちが、
鍛えあげたキャラクターを、コンバートし《人界》軍側へ参戦する!この大戦はアンダーワールドの存続だけではない。
究極のAIであるボトムアップ型人工知能、さらには人類の未来をかけた戦いでもある。
そしてその行く末は、 今は深く眠る一人の少年――《黒の剣士》が握っている。
《アリシゼーション》編 、ここに完結!
スタッフ
原作:川原 礫(「電撃文庫」刊)
原作イラスト・キャラクターデザイン原案:abec
監督:小野 学『咲-Saki-』『魔法科高校の劣等生』『学戦都市アスタリスク』
助監督:佐久間貴史
キャラクターデザイン:足立慎吾、鈴木 豪、西口智也、山本由美子、戸谷賢都
総作画監督:鈴木 豪、山本由美子、戸谷賢都
プロップデザイン:早川麻美、伊藤公規
モンスターデザイン:河野敏弥
アクション作画監督:菅野芳弘、丸山大勝
美術監督:小川友佳子、渡辺佳人
美術設定:森岡賢一、谷内優穂
色彩設計:中野尚美、
撮影監督:脇 顯太朗
モーショングラフィックス:大城丈宗
CG監督:織田健吾
編集:近藤勇二
音響監督:岩浪美和
効果:小山恭正
音響制作:ソニルード
音楽:梶浦由記『魔法少女まどか☆マギカ』『Fate/Zero』『鬼滅の刃』
プロデュース:EGG FIRM、ストレートエッジ
制作:A-1 Pictures
製作:SAO-A Project
第20話「夜空の剣」
ソードアート・オンライン アリシゼーション WoU 第20話「夜空の剣」予告映像
あらすじ
アリスとともに、フラクトライトをイジェクトするためのコンソール《ワールド・エンド・オールター》――《果ての祭壇》へと向かうアスナ。
キリトは2人がその場所へたどり着くまでの時間を稼ぐため、虚無と漆黒の化身となったガブリエルと対峙する。
限界加速フェーズが始まるまでにガブリエルを倒し現実世界に戻らなければ、キリトはその後200年もの間を《アンダーワールド》で過ごすことになる。
焦る気持ちを抑えながら、奇怪な姿へと変貌したガブリエルと剣を交える。
スタッフ
脚本:中本宗応
絵コンテ:大塚健
演出:小原正和
総作画監督:鈴木豪
作画監督:中野繭子、古住千秋、徳岡紘平、板垣彰子、久松沙紀、中田知里、チョン・ヨンフン、世良コータ、りお、茂木眞一、鈴木豪、山本由美子
アクション作画監督:菅野芳弘
ピックアップポイント
果ての祭壇へ向かうアスナたちとガブリエルと対峙するキリト
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
限界加速フェーズが刻一刻と迫るアンダーワールド。
アスナたちはフラクトライトのイジェクトを、キリトはガブリエルを打ち倒さなければなりません。
間に合わなければキリトたちはアンダーワールドで200年の歳月を過ごさなければならない。
復活したキリトを見てこみ上げてくる感情を抑えながら、アリスとアスナは果ての祭壇へ向かいます。
ついに最終決戦という雰囲気がひしひしと伝わってくる、緊張感のあるアバンです。
キリト vs. ガブリエル
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
右手には"夜空の剣"、左手には"青薔薇の剣"、背中にはアルヴヘイム・オンラインの羽を携えたキリト。
アリシゼーション編のシステムコールも駆使しながら戦う姿はまさに『ソードアート・オンライン』の集大成。
軽めのサーカス作画を見せながら、二人の戦いが始まります。
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
暗黒神ベクタのスーパーアカウントでダイブしているガブリエル。
キリトを以ってしても、時間を稼ぐことすら困難なほどチート級な強さを誇ります。
それに加え、ガブリエルは真意の力を操り、漆黒の天使に。
キリトはあっという間に窮地に追い込まれます。
「お前の感情、記憶、心と魂の全てを今食らってやるぞ!」
石田彰さんの邪悪な演技はやっぱり本当に素晴らしい。
「そんなところに心も記憶もあるものか…身体なんかただの器だ…思い出はいつだって…リリースリコレクション!」
画面が光に包まれ、記憶解放術が発動するのかと思いきや…
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
メモデフの松岡さんが寝落ちしてて漫画の原稿が書けてないCMへ。
全ての緊張感が一瞬で失われる、最高のCM繋ぎでした。
これが意図的な繋ぎだったらちょっと天才すぎますね…
地上波放送でアニメを見る意義を強く実感できる奇跡がここにありました。
"夜空の剣"の記憶解放術
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
CM明けたら、ちゃんと記憶解放術が発動していました。
"夜空の剣"は記憶解放術を発動すると、神聖力を吸収しエネルギーに変換する力が。
ユージオを縛っていたあの大樹"ギガスシダー"から生まれ、ルーリッドの村の夜空の輝きに似ているというところからユージオが名付けた"夜空の剣"。
最終戦でその記憶解放術という胸熱な展開。
アンダーワールドの空一面にその力が広がります。
寄せられるみんなの想い
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
どこまでも暗く広がる夜空は、ユージオを失った頃のキリトの心のよう。
みんなの想いがキリトを立ち直らせてくれたように、今再びみんなの想い・神聖力が星となって夜空に輝き出します。
ヒロインズはもちろんのこと、ルーリッド村の人たち、ザッカリアの街の人たち、修剣学院のみんな、キリトのために駆けつけてくれた全ての人たちの想いが一つに集結。
みんなの気持ちを一身に受け、再びキリトはガブリエルに立ち向かいます。
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
力をくれる今は亡きアンダーワールドの仲間たち
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
人界との和解を望んでいたシャスターとリピア。
彼らの話が描かれた第4話「ダークテリトリー」は多くの人の印象に強く残っていることでしょう。
殺意に飲まれ計画を失敗してしまったシャスターは、殺意を捨てることをキリトに助言します。
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
悲しい最期を迎えたベルクーリと、アリシゼーション編を代表する強敵・アドミニストレータ。
敵として戦わなければならなかった彼女たちの姿をこういった形で出してくれるのは非常に感慨深いものがあります。
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
アリシゼーション編を語るうえで欠かすことのできないキーパーソン・カーディナル。
アドミニストレータに立ち向かうため、全力で助けてくれた丹下桜さんの優しい声が脳内を幸福にしてくれます。
心意版スターバースト・ストリーム17連撃
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
世界全体の想いを受け、キリトが放つのは、もちろんこの作品を代表する必殺技であり、キリトの代名詞"スターバーストストリーム"。
本来は二刀流で繰り出す16連撃の技ですが、ユージオの力を借り、ユージオと共に17連撃目まで炸裂。
アリシゼーション編で培った二人の絆の結晶とも言える最後の一撃は、ガブリエルを葬り去ります。
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
最後の一撃まで高笑いしながら攻撃を受け続ける、ガブリエルの異常さと超長尺でとんでもない演技を魅せてくれる石田彰さんの凄さを実感します。
キリトを演じる松岡さんの最高の相棒である島﨑信長さんと共に、憧れの声優である石田彰さんを倒すという中の人事情で考えても熱すぎるシーンです。
身体を駆け巡る炎の描写や、戦闘の終わりを派手に演出する最大級の爆発も素晴らしく、一回の視聴でその全てを受け取ることが難しいほど、最上級の情報量が詰め込まれています。
ログアウトしていくプレイヤーたち
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
ガブリエルとの決着がつき、フラクトライトのイジェクトも完了。
プレイヤーたちと次々とログアウトしていきます。
アンダーワールドでの思い出を噛みしめるもの、キリトの境遇を憂うもの、各々が様々な感情を抱きつつ現実と向き合う描写は非常に心象的です。
間に合わなかったキリト
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
果ての祭壇へ行き、アスナとアリスがログアウトできていることを確認したキリト。
これから200年アンダーワールドで暮らすうちに、キリトは現実世界のことをすべて忘れてしまうかもしれない。
せっかく助けに来てくれた仲間達への申し訳なさと、これからの境遇にキリトの目には涙が。
泣いている時の作画も、泣きじゃくる細かい身体の動きがしっかりと描写されており、よりキリトの深い悲しみが伝わってきます。
そんなキリトの前に立つ一人の女性。
それは、ログアウトして現実世界にいるはずのアスナでした。
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
おわりに
アンダーワールドでの決戦もついに終結。
やっぱり集大成の回は元気玉展開が一番キャラクターを登場させやすいし、気持ちも乗せやすくて一石二鳥です。
キリトとアスナは本当にここから200年過ごすのか、現実世界の様々な問題はどういった形で解決を迎えるのか。
広げた風呂敷を如何にして畳んでいくかがここからの見所と言えるでしょう。
スターバースト・ストリームかっこよかった!
懐かしのキャラクターが出てきてくれた!
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また次の記事で!