児童文学。
主に0歳~12歳の子供たちが読むことを想定した、その人の人生を大きく変えると言っても過言ではない大切な書物です。
皆さんの心に一番残っている児童文学は何ですか?
それは、『かいけつゾロリ』ではないですか?
ということで、今回は同シリーズの13年ぶりの新作アニメ『もっと!まじめにふまじめ かいけつゾロリ』について語っていきたいと思います。
『もっと!まじめにふまじめ かいけつゾロリ』とは
あらすじ
キツネのゾロリと、ふたごのイノシシ、イシシ・ノシシの大冒険の物語!
ゾロリの夢は「いたずらの王者」になること!
そのために、弟子のイシシ・ノシシといっしょに、いたずら 修行の旅をしているよ。
ゾロリたちは行く先々で、たくさんいたずらを仕掛けるけれど、いつも失敗ばかり。
でもゾロリはどんなことがあっても、くじけない!
するどいひらめきと発明で、ピンチをきるぬけるぞ!
みんなもゾロリといっしょに、冒険の旅にでよう!!
スタッフ
原作:原ゆたか(「かいけつゾロリ」シリーズ/ポプラ社刊)
監督:緒方隆秀
ストーリー監修:藤森雅也『トライブクルクル』『ブレイブビーツ』『終末のイゼッタ』
シリーズ構成:冨岡淳広『ポケットモンスターシリーズ』『バトルスピリッツ シリーズ』『デジモンアドベンチャー:』
キャラクターデザイン:船越英之『ちびまる子ちゃん』
音楽:田中公平『勇者エクスカイザー』『武装錬金』『新サクラ大戦 the Animation』
アニメーション制作:BNピクチャーズ・亜細亜堂
制作・著作:「もっと!まじめにふまじめ かいけつゾロリ」製作委員会
キャスト
ゾロリ:山寺宏一
イシシ:愛河里花子
ノシシ:くまいもとこ
ビート:梶裕貴
ローズ:早見沙織
自分の『かいけつゾロリ』の思い出
自分が『かいけつゾロリ』の原作を読んでいたのは、小学生の頃。
教室の学級文庫にあったのが、読み始めたきっかけでした。
今でもしっかり覚えていますが、読んだのは『かいけつゾロリぜったいぜつめい』というどくきのこを食べるお話まで。
2000年12月に発売されたらしいので、20年前のお話ですね。
読んだ記憶はあるんですが、友達と『かいけつゾロリ』の話をしたことはない気がするので、どれくらい人気なのか主観的にはよくわかりません。
調べた情報によると、小学生は昔みんな読んでたらしく、かなり認知度も高いそう。
もしよかったら皆さんの『かいけつゾロリ』のエピソードを聞かせてください。
アニメに関しては、アニマックスかキッズステーションでやっていた再放送を子供の頃にちょくちょく見たことがあるだけで、今回がほぼ初見。
ゾロリたちが実際に喋ってアニメーションとして動くのは非常に新鮮でした。
長編映画も5本製作されており、機会があったら見てみたいです。
ピックアップポイント
不快にならない程度の下ネタと絶妙なパロディ
普段から真面目な文章を書いている気がするので、納得していただけるかと思うんですが、自分結構下ネタが苦手なんですよね。
AVとか性癖とか、そういう話は大丈夫なんですが、子供っぽい下ネタは基本的に口にしないし、作中に出てきてもちょっと不快指数があがるぐらい。
年齢によるところもあるのかもしれないですが、一般男性の平均よりはかなり下ネタが苦手だと思います。
『かいけつゾロリ』の原作は結構下ネタが多いイメージだったんですが、アニメはかなり控えめ。
おならネタ以外はほとんどないと言っても過言ではありません。
こんなご時世なので、過激な下ネタは怒られてしまうから控えめになっているのかもしれませんね。
そのおかげか、非常に良い塩梅の下ネタで最後まで楽しく見ることが出来ました。
パロディに関しても、原作のやりたい放題感は大分薄れており、アニメで放送できるギリギリのラインがしっかり守られていた印象です。
最終回付近で登場した、巨大ロボット「ガンダブー」はもちろん『機動戦士ガンダム』のパロディですが、大河原邦男さんがデザインを担当するこだわりっぷり。
子供は見てもわからないかもしれないけれど、大人が見れば一目でわかる小ネタの数々は思わずクスッとしてしまうものが多かったです。
やっぱり憎めないゾロリとイシシ、ノシシ
指名手配犯であり盗みや潜入など怪傑として悪さもするゾロリは、教育上良くないんじゃないかなとも思うのですが、やっぱり憎めない素晴らしい主人公。
人知れず世界の平和を守っていることはもちろんですが、やっぱり困っている人を助けずにはいられない精神は今見てもかっこいい人間像です。
特に本作では正義感溢れるオリジナルキャラクターの熱血漢・ビートとの戦いが多く描かれました。
ビートが主張する正義はもちろんですが、ゾロリが人のために嘘をついたり潜入したりする考え方も良くわかる。
やり方は違うものの、人のためになることを考える二人の対比関係は非常に見ごたえがありました。
ゾロリの子分であるイシシとノシシ。
ゾロリの声優が山寺宏一さんであることは知っていたんですが、イシシとノシシが愛河里花子さんと、くまいもとこさんであることは本作で改めて認識して、こんなに可愛いキャラクターだったんだなと驚きました。
脳内でイメージしていたのは男性の低音ボイスだったので、行動一つ一つのお茶目さが段違い。
ゾロリのために一生懸命ではありつつもドジなところは本作でも健在ですが、そのドジなところがアニメで見るとより一層可愛らしい。
きっと原作しか読んだことない人には、この二人がここまでマスコット的に可愛いイメージはないと思うので、ぜひ一度アニメを見ていただきたいです。
オープニングテーマ「もっと!もっと!かいけつゾロリ」/ ゾロリ(山寺宏一)
歌うのはもちろん、山寺宏一さん演じるゾロリ。
作詞は藤林聖子さん、作曲は田中公平さん、編曲は根岸貴幸さんという伝説の「ウィーアー!」、「ウィーゴー!」、「爆アツ!ガイストクラッシャー」を手掛けた3人が担当しています。
前々作『かいけつゾロリ』の「ハッスル」、
前作『まじめにふまじめ かいけつゾロリ』の「あじゃぱー」、「ゼッコーチョー!」、「あっちゃこっちゃゴー!」から続く伝統的な布陣です。
最初の一音から最後の一音にいたるまで、どこを切り取っても田中公平さん×根岸貴幸さんだとわかる二人の特徴が良く表れた楽曲。
きっと作曲や編曲という概念を知らないお子さんであっても、この曲を聴いただけで、
どこかで聞いたことがある気がする…
と思うこと間違いなし。
それほどわかりやすくキャッチ―で気持ちの良い楽曲です。
歌詞はダジャレが満載で韻の踏み方が心地良い。
"ぴょんぴょんピョーン"のところは歌詞と一緒に、音も気持ちよく跳ねていく細かい仕掛けもあって、子供が聴いて直感的に楽しいと思える作りになっています。
これからゾロリたちの冒険が始まるぞと、期待感をMAXにさせてくれる素晴らしいオープニングテーマです。
原作を読んでいた時、夢中になって探していたゾロリママがこうやって出てきてくれるのも非常に粋な計らい。
配信情報
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