2020年8月7日、20時『米津玄師 2020 Event / STRAY SHEEP in FORTNITE』が開催されました。
米津玄師さんのファンも、フォートナイトのファンも集う凄い不思議な20分間でした。
今回はそんなオンラインライブの模様についてセトリと一緒に語っていきたいと思います。
『米津玄師 2020 Event / STRAY SHEEP in FORTNITE』とは
8月5日に発売された米津玄師さんの5thアルバム「STRAY SHEEP」リリースを記念して、フォートナイト内のパーティロイヤルという会場で行われたオンラインライブです。
現在、3億5000万人を超えるユーザーがプレイしている世界中で大人気のゲーム『フォートナイト』。
ゲームの中で、ライブを楽しめてしまうという最先端の取り組みが行われています。
今までもマシュメロさんやトラヴィス・スコットさんなど多くの超有名アーティストがライブを行ってきましたが、日本人でライブを行うのは米津玄師さんが初めて。
開催前から多くの注目を浴びていました。
過去のライブについてはこちらの記事でまとめています。
セットリスト
『米津玄師 2020 Event / STRAY SHEEP in FORTNITE』セットリスト
— りつ@ブログ毎日更新中 (@ulotti) August 7, 2020
1.迷える羊
2.感電
3.砂の惑星
~MC~
4.パプリカ
5.Lemon
日本人アーティストとして初のフォートナイトでのステージ、とっても嬉しかったです、最高の20分間でした!!#フォートナイト #Fortnite #米津玄師 pic.twitter.com/6oSSJFzpJJ
Twitter上でも多くの方から、
「やっぱりいい曲だな。」
「最高だった!」
「見逃しちゃって悔しい!」
など多くのコメントを頂きました。
僕は米津玄師さんではないですが、非常に嬉しい気持ちでいっぱいです。
1曲1曲、フォートナイト内での演出も含め、振り返っていきましょう。
迷える羊
作詞・作曲:米津玄師 編曲:米津玄師・坂東祐大
「カロリーメイト」CMソング。
新約聖書の「マタイによる福音書」にも記述があり、アルバムタイトルでもある「STRAY SHEEP」の日本語訳が「迷える羊」です。
まさにそのタイトルにふさわしい、非常にダークな雰囲気が魅力なこの楽曲。
イントロからAメロBメロまで不穏なギターの音が鳴り響きます。
新型コロナウイルスの影響で、本来あったポジティブな内容のアルバムのリリースや、ライブツアーが中止になった米津玄師さん。
米津さん自身も含め、誰もが不安に迷う混沌とした世の中の雰囲気が端的に表れています。
そんな世の中で自分に出来ることは歌を届けることだけだと言わんばかりに、サビでは迷いを抱えながらも開放感に包まれるメロディ。
「千年後の未来には 僕らは生きていない
友達よいつの日も 愛してるよ きっと」
引用元:「迷える羊」/ 米津玄師
迷いながらも今、自分が出来ることを精一杯やっていこう、そういったメッセージが感じ取れる歌詞です。
フォートナイト内でもサビ以外はダークな雰囲気のライトを、サビでは無重力状態になり、楽曲にぴったりな演出がされていました。
感電
作詞・作曲:米津玄師 編曲:米津玄師・坂東祐大
TBS系金曜ドラマ『MIU404』主題歌。
今一番注目されている新曲、「感電」を2曲目に持ってくる素晴らしいセットリストの組み方。
ライブを見ていたほかのプレイヤーも、
「感電」きた!!!!
と興奮している方が多く見受けられました。
綾野剛と星野源、W主演の機動捜査隊員2人の物語を描く、『MIU404』。
どこまでも作品に寄り添った歌詞が非常に魅力的な楽曲です。
ドラマ本編を1秒も見ていない自分であっても、この二人の主役の絶妙な関係性が伝わってきます。
稲妻の様に生きていたいだけ
お前はどうしたい? 返事はいらない
引用元:「感電」/ 米津玄師
この歌詞を見たうえでのタイトル、「感電」。
言葉を交わさずとも、心の奥底でつながった二人の関係性が見えてきます。
韻の踏み方も非常に美しく、「犬のおまわりさん」モチーフであろう、"ワンワンワン"、"ニャンニャンニャン"という歌詞には米津さんの遊び心も垣間見えますね。
フォートナイトのライブ中は電気が走るような演出が多く見られ、ドラマを見ていない人であっても楽曲のカッコよさと演出で大いに盛り上がりました。
砂の惑星
ハチ MV「砂の惑星 feat.初音ミク」HACHI / DUNE ft.Miku Hatsune
作詞・作曲・編曲:ハチ
初音ミク「マジカルミライ2017」テーマソング。
「STRAY SHEEP」のアルバムに収録されていない楽曲も歌うことが事前に告知されていた今回のイベント。
その枠を飾ったのはまさかの「砂の惑星」。
まさか、「砂の惑星」が聴けるとは思わなくて僕自身もめちゃくちゃ感動しました。
ハチというのは米津玄師さんのボカロP時代の名前。
今となってはハチという名義は知らないけれど、米津玄師さんなら知っているという方も多いのではないでしょうか。
代表曲は「マトリョシカ」や「パンダヒーロー」。
そこまでボカロにハマらなかった自分でも知っている名曲です。
2010年に「マトリョシカ」、2011年に「パンダヒーロー」を発表し、ボカロPとして大成します。
その後、2013年に米津玄師としてソロデビュー。
段々とボカロ業界から離れていった米津さん。
2013年に発表した「ドーナツホール」以来4年ぶりの楽曲が、この「砂の惑星」でした。
楽曲のテーマは「ボーカロイド業界」。
かつて米津さんが活躍していた時代から、視聴者数も減り、楽曲を発表する人間もガラッと変わってしまったこの業界を「砂漠」として捉えた、非常にメッセージ性が強く、視聴者に刺さる楽曲となっています。
「メルト」が起こした"メルトショック"。
「マトリョシカ」の印象的なフレーズ、"あなたと私でランデブー?"
「パンダヒーロー」を想起させる、"飛び出せマイヒーロー"
「ワールズエンドダンスホール」を指していると思われる、"あのダンスホール"
「千本桜」から引用した、"光線銃でバンババンバン"
「ボーカロイド業界」を歌ったこの楽曲にふさわしい、業界の歴史が感じられるワードが歌詞に散りばめられています。
畳みかけるように韻を踏むカッコいい楽曲と、考えずにはいられない歌詞から感じるメッセージ。
海外でも大人気のボーカロイド・初音ミクの栄枯盛衰が描かれる背景と併せて、世界中の視聴者に強烈な印象を与えたことでしょう。
MC
新型コロナウイルスの影響でツアーが中止になったこと。
辛い時期だからこそ、自分に何ができるか考え、こういう形でのライブを決定したこと。
集まってくれた多くの視聴者への感謝。
非常に短い時間でしたが、思わず応援したくなってしまう、米津さんの気持ちが端的に伝わってくるMCでした。
パプリカ
米津玄師 MV「パプリカ」Kenshi Yonezu / Paprika
作詞・作曲・編曲:米津玄師
「〈NHK〉2020応援ソングプロジェクト」応援ソング。
MVを初めて見ましたが加藤隆さんのアニメーションがめちゃくちゃ良い。
「ドローイング」という技法だそうなのですが、幻想的なのにリアルに感じるところもあって、楽曲と合わさって非常にノスタルジックな気持ちにさせてくれます。
子供たちが歌って踊れる応援ソングをテーマに制作した楽曲であり、老若男女を問わず、世代や性別を超えて広く愛されている1曲です。
もし新型コロナウイルスの流行がなく、通常通り東京オリンピックが開催されていた場合はこの楽曲がオリンピックのテーマソングになっていたかもしれません。
歌詞も非常に前向き。
無邪気に遊ぶ子供時代の情景が思い浮かぶような歌詞から、夢をもってそれぞれの花を咲かせようという希望がたくさんつまった歌詞となっています。
"パプリカ"というワードも、赤や黄色や緑やオレンジなどそれぞれの色で色鮮やかに輝く美しさを連想させてくれます。
決められた道を進むのではなく、自分だけの夢を追いかけようというメッセージが心地良いです。
フォートナイト内でも、ライブステージが非常に様々な色で彩られ、無重力状態の楽しい雰囲気に包まれました。
いつか、パプリカのダンスがフォートナイト内のエモートで来たら嬉しいですね。
Lemon
作詞・作曲:米津玄師 編曲:米津玄師・室屋光一郎
TBS系列ドラマ『アンナチュラル』主題歌。
不自然死究明研究所を舞台に、様々な不自然死の謎を解き明かしていく、ドラマ『アンナチュラル』。
多くの人間の死に触れるドラマだからこそ、米津玄師さんの包み込むような暖かい歌声が胸に沁みます。
楽曲制作中に米津さんの祖父が他界され、「死」への価値観が変わったこともあり、楽曲制作でかなり苦悩したという話は有名です。
1番は死んでしまった人を見送る側の視点、2番は死んでしまう側の人の視点で歌詞が描かれており、考えさせられます。
自分も数年前に祖父が他界しており、亡くなったときの何とも言えない途方もない喪失感を覚えています。
その何とも言えない喪失感が繊細なワードで表現されており、強い共感を感じずにはいられません。
自分が思うより
恋をしていた あなたに
あれから思うように 息ができない
あんなに側にいたのに
まるで嘘みたい
とても忘れられない
それだけが確か
引用元:「Lemon」/ 米津玄師
ここの部分は何度聞いても涙腺に来ますね。
"好き"や"愛してる"ではなく、"恋をしていた"という歌詞に、尋常ならざるワードセンスを感じます。
"雨が降り止むまでは帰れない"の歌詞にもぴったりな、フォートナイト内の雨の演出も素晴らしかったです。
最後の曲に「Lemon」を持ってきたことで、ただ盛り上がって楽しむだけじゃない、強いメッセージ性のあるイベントとして心に刻まれました。
おわりに
20時の回を楽しんだ後、普通に曲を聴いているだけじゃわからない歌詞の深いところを知りたいなと思いしっかり調べて臨んだ2時の回。
米津さんが1曲1曲に込めた想いをより強く感じることが出来て、一層感動してしまいました。
最高の20分間をありがとうございます。
今後もフォートナイト内で日本人のライブイベントが執り行われたら嬉しいですね。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。もし記事が良かったなと思ったらSNSへのシェア、Twitterのフォロー等、ぜひともよろしくお願いいたします。
今後もアニメに関する記事を毎日投稿していきますので、ぜひご覧ください。
また次の記事で!