『白猫プロジェクト』。
誰もが知っている大人気スマートフォンゲームの、前日譚が描かれる本作。
第7話「山菜取り」から急転直下していく展開に毎週目が離せませんでしたが、ついに最終回を迎えました。
今回はそんな『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』について語っていきたいと思います。
『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』とは
© COLOPL/Shironeko Animation Project
TVアニメ『白猫プロジェクトZERO CHRONICLE』第3弾PV「—約束—」
あらすじ
ずっとずっと昔の時代、天空には白の王国が、地上には黒の王国があり、〈均衡〉を保ちつつ〈循環〉していた。
ある時、黒の王国で魔獣に襲われ壊滅した村で、少年が墓を掘っていた。
その少年の元へ、先代の闇の王候補者スキアーズが現れる。
スキアーズに見出された少年は、闇の王子となってこの世界を変える事を決意する。一方、白の王国の守護神である光の王 アイリスは、光と闇の均衡が破られる事を懸念していた。
そこへ均衡を乱す存在バール出現の知らせが入る。
黒の王国の闇の王は、目障りなバールを討つために盟約を申し入れる。光の王 アイリスは、黒の王国からの使者闇の王子と出会い、共に平和な世界をもたらそうと〈約束〉する。
だがふたりの〈約束〉は、闇の王によって踏みにじられる事となる。
ふたりが交わした〈約束〉と、世界を滅ぼした始まりの罪。
〈根源〉(ゼロ)へと至る物語が幕を開ける―――
スタッフ
原作:白猫プロジェクト ゼロ・クロニクル 〜はじまりの罪〜(コロプラ)
監督・脚本:神保 昌登『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』『異世界食堂』『ド級編隊エグゼロス』
企画:浅井 大樹
スーパーバイザー:角田 亮二(コロプラ)
キャラクターデザイン:奥田 陽介『ご注文はうさぎですか?』『ブレンド・S』『CONCEPTION』
音楽:岩崎 琢『天元突破グレンラガン』『魔法科高校の劣等生』『コップクラフト』
アニメーション制作:project No.9
キャスト
闇の王子:梶 裕貴
光の王 アイリス:堀江 由衣
ファイオス:バトリ勝悟
シーマ:中村 ちせ
テオ:岩端 卓也
アランティア:松井 謙典
ヴァルアス:三浦 勝之
グローザ:渚 兎奈
スキアーズ:宮崎 敦吉
アデル:高梨 謙吾
闇の王:赤城 進
バール:飯塚 昭三
おすすめポイント
ついこの前、第7話「山菜取り」の記事を書いたと思ったらあっという間に最終回を迎えてしまいました。
「山菜取り」について熱く語った記事はこちら。
白の王国と黒の王国の対立が描かれ、愛や平和を願う気持ちが戦争を収めることができるのか。
期待と不安に胸を膨らませながら見た『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』を以下の2つのポイントから紹介していきたいと思います。
・戦争、休戦、そして戦争。終わらない憎しみの連鎖
・作品のテーマをズバリ歌った西川貴教+ASCAと安田レイの激熱主題歌
戦争、休戦、そして戦争。終わらない憎しみの連鎖
空に浮かぶ大陸で優雅な生活を送る白の王国と、陽の光が当たらない地面で貧しい生活を送る黒の王国。
二つの王国は非常に絶妙なバランスで均衡の関係を保っていました。
そのあまりに違い過ぎる環境が故に、黒の王国側が白の王国を疎ましく思っている気持ちは爆発しないまでも、そう簡単に抑え続けられるものではありません。
白の王国も黒の王国も破壊しようとする第三勢力、バールが現れ、二つの王国はバール討伐のために一度手を組むことを誓います。
激しい戦闘の末、何とかバールを退けたもののどちらの王国も疲弊しきってしまいます。
そんな中、白の王国を憎んでいるはずの黒の王国からの停戦申し入れが。
お互いの国の相互理解を深めるため、黒の王国一行は一時的に白の王国に滞在します。
光の王アイリスと、闇の王子、その側近の使者たちで服を交換しあったり、山菜取りに行ったり、平和な時間を過ごします。
黒の王国一行は、白の王国の豊かな自然や、人の暖かさを知りました。
白の王国一行も、今まで触れてこなかった黒の王国の人や文化に触れ、2つの王国は互いの良さを認め合い、和平への一歩を踏み出そうとしていました。
しかし、黒の王国一行が国へ帰る日、事件は起きてしまいます。
黒の王国一行の一人、アデルは光の王アイリスに問います。
黒の王国はなぜ永遠に、白の王国の影の中にい続けなければならないのか。
アイリスは答えます。
「それが天と地、白と黒の均衡を保つ、世の初めよりの理なのです。」
黒の王国の人からしたら納得できるはずがないですよね。
白の王国は豊かな暮らしを送っているからいいですが、黒の王国は貧しい暮らしを強いられているわけです。
同じ人間なのにあまりにも違う環境、上からの目線で言われる均衡なんて下の人から見たら均衡でも何でもない、ただの呪縛です。
「地に堕ちてから物を言え!!!」
アデルは光の王アイリスに切りかかりますが、そんなアデルを闇の王子が切り捨てます。
アイリスは殺害こそされなかったものの、白の王国としてはもう許せることではありません。
白の王国と黒の王国の終わりのない戦争が再び始まってしまうのです。
2つの王国の対立を通じて格差社会、人種差別、不平等、真の平和など、色々なテーマが投げかけられる作品です。
そんな終わりのない戦争の果てに白の王国と黒の王国はどんな結末を迎えるのか。
ぜひ、その目で確かめていただければと思います。
自分はゲーム未プレイなので、詳しいことはそこまでわかりませんが、プレイしたことのある人なら楽しめるであろう描写もたくさんありました。
闇の王子が使っている剣の話は結構意味深に語られていて、きっとゲーム本編につながる"何か"があるんだろうなあと興味をそそられました。
ゲーム内で「スキル」的なもので使われてそうな技やエフェクトも多く、バトルが魅力の『白猫プロジェクト』の良さを引き出していたと思います。
アニメオリジナルも非常に好評で、「山菜取り」の話は完全アニメオリジナルらしく、ゲームだけでは味わいきれない『白猫プロジェクト』の魅力がアニメで感じられるでしょう。
最終回の意味深なラストは、ワクワクする雰囲気だけ感じましたが、きっとプレイしたことのある人にはとてつもないご褒美だったのかもしれません。
挿入歌として流れる「やさしき闇の詩」には思わず自分もうるっと来てしまいました。
ゲームをプレイしたことのある人はもちろん、ゲームをプレイしたことのない人でも一つの物語として楽しむことができ、ゲームもやってみたくなること請け合いです。
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- 発売日: 2020/06/26
- メディア: Blu-ray
作品のテーマをズバリ歌った西川貴教+ASCAと安田レイの激熱主題歌
戦闘描写のカッコよさもさることながら、主題のカッコよさもピカイチです。
OPテーマは、
「天秤-Libra-」/ 西川貴教+ASCA(作詞:RUCCA 作曲・編曲:菊田大介)
バカカッコいい。男女デュエットのアニソン自体そこまで多くないですし、きっと長くアニソンシーンで歌い継がれていく名曲です。
西川貴教さんとASCAさんのデュエットにすることで黒と白が非常にわかりやすく分かれており、黒の王国と白の王国の対立を描く本作をここまでわかりやすく表現する方法はないんじゃないかなと思います。
「光と闇」、「空と海」、「白か黒」、「月と太陽」、「穢れと美しさ」などお互い交わることのない対立する2つのものが歌詞にもふんだんに使われており、どんなに頑張っても解消されることのなかった2つの王国の間にある大きな壁を感じさせます。
タイトルの「天秤-Libra-」も、白の王国と黒の王国の絶妙な均衡関係そのものを表しています。
天秤のようにギリギリの状態で保たれた平和や安寧は、些細な出来事で一瞬でどちらかに傾いてしまいますよね。
『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』のテーマにぴったりと合った、最高のアニメタイアップだと思います。
EDテーマは、
「through the dark」/ 安田レイ(作詞:安田レイ 作曲・編曲:Jeff Miyahara、Kuraaki Hori)
安田レイ 「through the dark」×『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』Collaboration Music Video
こちらは光の王アイリスの気持ちを歌ったバラード。
この歌でいう「あなた」は、闇の王子のことでもあり、黒の王国そのもののことかもしれませんね。
最後まで黒の王国との和平を願ったアイリス。その強い想いもこの歌から感じ取れます。
とはいえ、やはり主題は闇の王子への想い。
お互いに思い合っていたアイリスと闇の王子だけに、国家間の対立のせいで叶わぬ愛なのが非常に悲しいです。
それでも、希望が僅かでも、いつか結ばれると信じて、暗闇の中でも闇の王子を想い続けた、一途な想いが伝わってきます。
EDテーマにぴったりな情感あふれる素晴らしいバラードでした。
配信情報
dアニメストア、AbemaTV、U-NEXT、Hulu、FODなど各種見放題サービスにて絶賛配信中です。
ゲームをプレイしている方はもちろん、名前だけは知ってる!という方にもぜひ見てゲームを始めるきっかけにして欲しい作品です。