名言は、誰かが"これは名言だ"と言うから名言になる。
100年を超える日本アニメ史の中で、数々の名言が生まれてきました。
誰が聴いても名言だなあと思うもの。
そんなセリフが名言なの?と少し疑問に思うもの。
色々な名言がありますが、共通して言えるのは、
誰かが"これは名言だ"と言ったということ。
今回は2020年春アニメの中から、自分が名言だと感じたセリフを4つ厳選してお届けしたいと思います。
名言の選定基準
名言を絞り込んでいくうえで、自分の中の基準があったのでそれを先に明記しておこうと思います。
基準なんか興味ないわ!という人は、自分だったらどんな名言を選ぶか考えながら読んでいってください。
印象的であること
いきなりめちゃくちゃ抽象的な基準で申し訳ないですが、"印象的であること"。
初めてそのセリフを聴いた時に、
うわ、めちゃくちゃかっこいいな~。
と素直に思える、最初の印象がやっぱり一番大事かなと思います。
めちゃくちゃ印象的ならある程度意味不明でもいいとさえ自分は考えています。
君の銀河はきっと輝く!
『STAR DRIVER 輝きのタクト』ツナシ・タクト
1文ないし2文程度の短い内容であるもの
100文字を超えるような長い内容のものを名言と呼ぶ人も結構いると思うんですが、そこまでいくともう"名シーン"なんじゃない?
と思ってしまうのが正直なところ。
覚えやすく、誰が使っても間違えないような、短くシンプルな言葉が自分は好きです。
こっちは全部賭けてんだよ
『3月のライオン』桐山零
誰に対してもいつでも刺さる汎用性のあるもの
"名言"と呼ぶからには、
「座右の銘は?」
と聞かれたときに答えられるような、汎用性があるといいですよね。
その作品を見ていなかったら全くその意味合いが伝わらないのは、日常的に使いにくいかなと思います。
ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん
『交響詩篇エウレカセブン』アドロック・サーストン
アニメでさらにその良さがわかる作品やキャラクターに寄り添ったもの
作品を見ていなくてもある程度伝わる前提で、
作品を見ていればよりその良さがわかる"名言"
めちゃくちゃいいですよね。
オタクの合言葉的な側面もあって、それが通じただけで共通の趣味を持っているという関係を築くことができます。
"青春ぜんぶ懸けたって強くなれない"?賭けてから言いなさい
『ちはやふる』 原田先生
2020年春アニメ "名言"4選
ちょっとだけ前置きが長くなりましたが、"名言"4選発表していきたいと思います。
その"名言"がどのようなシチュエーションから生まれたかというのを重視して解説しています。
物語の核心に触れるネタバレも含む可能性がありますので、ご注意ください。
『イエスタデイをうたって』第10話より
人生ってわかんね~……
『イエスタデイをうたって』魚住陸生
©冬目景/集英社・イエスタデイをうたって製作委員会
大学時代から陸生がずっと片思いをしていた榀子。
過去に一度告白して玉砕した陸生が、巡り巡って再び榀子と出逢い、仲良くなっていく。
微妙な距離感はありつつも陸生の想いに答えた榀子が、
「お正月に一緒に過ごさない?」
と誘ってくれた、帰り道のシーンです。
過去に告白して玉砕した時は、同じこの場所で自転車で派手に転んだ陸生。
大きく息を吸って、お正月を一緒に過ごせる喜びを叫ぶのかと思いきや、
「人生ってわかんね~……」
とボソッとつぶやく陸生。
大きな夢、恋愛が成就しかかっている嬉しい瞬間なのに、ゴミ箱の脇で控えめに喜ぶ。
『イエスタデイをうたって』で描く、泥臭い人間らしさが如実に表れた素晴らしい名言でした。
見た人の多くが、確かに人生ってわかんないもんだなあと思ったことでしょう。
まさか、最終回で榀子とあんな展開になるとは誰も思わなかったわ!やっぱり人生ってわからん!
という皮肉的な意味も込めて選ばせていただきました。
ぜひ、あまりにも嬉しいことが起きた時は「人生ってわかんね~……」とつぶやいてみてください。
『イエスタデイをうたって』の詳しい感想記事はこちらをご覧ください。
『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』第8話より
地に堕ちてから物を言え!!!
『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』アデル
© COLOPL/Shironeko Animation Project
太陽の光を浴びることもできず、貧しい土地で明日を生きるのも精一杯なアデル達、黒の王国民。
いつも太陽に照らされ、豊かな土地で日々楽しい生活を送る白の王国民。
いつも戦争をしていたこの二国が停戦をし、黒の王国民が白の王国を訪れ、一緒に山菜取りなどをして親交を深めていました。
そして黒の王国民が国に帰るその日、アデルは白の王国の王、アイリスに問いました。
「黒の王国は、なぜ永遠に白の王国の影の中にい続けなければならないのか。」
アイリスは答えます。
「それが天と地、白と黒の均衡を保つ、世の初めよりの理なのです。」
そのあまりにも上から目線すぎる解答にアデルは逆上し、
「地に堕ちてから物を言え!!!」
と叫びアイリスを亡き者にしようとしますが、失敗。
以降、黒の王国と白の王国の戦争はさらに激化していってしまいました。
第7話の平穏な山菜取り回とのギャップが凄まじく、その展開の速さに開いた口が塞がりませんでした。
このセリフと行動をきっかけにもう元には戻れない激しい戦争状態に陥ったところも名言ポイントが高いです。
上から目線であるという点と、白の王国が黒の王国の上空にあり、黒の王国を苦しめているという点。
二つの意味で"地に堕ちてから"と言うワードをチョイスしているのもかっこいい。
ぜひ明日から、上から目線であれこれと指図してくる人に対して「地に堕ちてから物を言え!!!」と叫んでみましょう。
『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』の詳しい感想記事はこちらをご覧ください。
『A3!』第11話より
完璧じゃなくても最高の舞台
『A3!』立花いづみ
ⓒA3! ANIMATION PROJECT
夏組の舞台成功に向けて一生懸命頑張ってきたメンバーたち。
特に夏組唯一の舞台経験者であり、リーダーの天馬はなんとしてでも初公演を成功させようと、完璧な舞台を目指して追い詰められた心境でした。
舞台に出演するために映画のオファーまで断った天馬の強すぎる想いと、空回りする実情。
そんな時にカントクちゃんこと立花いづみちゃんが言った一言が夏組メンバーの心境を大きく変化させました。
「完璧じゃなくても最高の舞台」
すぐにはその真意が汲み取れなかった夏組メンバーですが、舞台を1つ1つ成功させていく中で気づいていきます。
1回1回の舞台全てが、アドリブやお客さんの雰囲気で全然別物になる。
その1回1回を心から楽しんで演じれば、それこそが「完璧じゃなくても最高の舞台」なんだ。
夏組メンバーがそのことに気づき、迎えた千秋楽。
それぞれがメンバーを気遣いつつアドリブたっぷりで楽しみながら演じた公演は、大盛況のうちに幕を閉じました。
夏組メンバーだけに限らず、『A3!』のどのお話でも大事になってくるであろうこの考え方。
舞台についてももちろんですが、もっと抽象的に『A3!』を見た人全員に届くような人生を生きる考え方にもつながる"名言"です。
落ち込んだり、失敗したりもするけれど、今自分ができることを精一杯やって楽しく生きていけばいいんだ。
そんなメッセージをくれる人生の心の支えになる素晴らしい一言でした。
『A3!』の詳しい感想記事はこちらをご覧ください。
『かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~』第11話より
うるせぇ ばーか
『かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~』石上優
©赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会
石上の中等部時代。
独りぼっちで毎日を過ごす石上は、自分に声をかけてくれた大友京子という女の子にどことなく救われた気持ちになっていました。
その大友京子に学校でも大人気な荻野コウという彼氏ができます。
しかしその彼氏はとんでもない悪人で、大友京子に酷いことをしようと企んでいました。
そんな彼氏が許せず、大友京子を守るため、石上はその彼氏に暴力をふるってしまいます。
学校は停学になり、親からは激しい叱責を受け続ける日々。
それでも石上は自分のした行動の正しさを貫くため、彼氏を告発して大友京子に悲しい顔をさせないため、反省文をいつまでも書けないでいました。
そんな中、会長を含む秀智院学園生徒会メンバーが石上の潔白を証明し、部屋から出ることもできず、人生のどん底にいた石上を救い出します。
大友京子は石上が暴行事件を起こした後すぐに彼氏と分かれており、大きな問題にはなっていなかったのです。
「頑張ったな石上、お前が書くべき反省文はこうだろう!」
そういいながら会長は、白紙の反省文にとある文字を書き記します。
時は流れて、高等部の体育祭。
応援団に所属して、体育祭を楽しむ石上の前に大友京子が現れます。
大友京子は石上が自分を守るために彼氏を殴ったということも知らず、石上に対して憤慨します。
「あんたが変なことしたからフラれたんだからね!全部あんたのせいだ!」
「何楽しそうにしてんのよ!あんたにそんな権利ないんだから!」
そんな怒りの言葉を聴きながら、会長があの時反省文に書いてくれた、自分に授けてくれた言葉を思い出し、大友京子に一言言い放ちます。
「うるせぇ ばーか」
今までずっと捕らわれてきた誰にも言えない秘密や、過去のつらい思い出。
人からの恨み辛み、そんな負の感情全てを吹き飛ばす最高にシンプルでカッコいい一言。
この言葉の前には、どんなにロジカルに話を詰めてくる人であっても、常識を盾に自分の正しさを主張する人であっても太刀打ちできません。
そんなに全てのことに真剣に向き合わなくていい。
楽しんじゃいけない、反省しないといけないなんて空気は気にしなくていい。
自分が正しいと思ったことを貫いて、それを否定してくる人たちには、
「うるせぇ ばーか」
でいいんです。
一見ちょっと投げやりで、後ろ向きに見えるこの"名言"。
作品と、この言葉が生まれた背景を知れば、自分の人生を楽しく生きるための前向きな言葉なんだと理解できます。
どんなにつらいことがあっても心の隅にこの言葉があれば、また立ち上がって前に進む勇気をもらえるはずです。
『かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~』の詳しい感想記事はこちらをご覧ください。
おわりに
ここまで自分が思う心に強く刻まれた2020年春アニメの"名言"4選を発表してきました。
改めて並べるとこんな感じ。
人生ってわかんね~……
『イエスタデイをうたって』魚住陸生
地に堕ちてから物を言え!!!
『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』アデル
完璧じゃなくても最高の舞台
『A3!』立花いづみ
うるせぇ ばーか
『かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~』石上優
共感する部分はありましたでしょうか?
もし他にこの言葉、心に強く刻まれました~という名言があれば、ぜひリプライやコメントしていただけると幸いです。
今回は2020年春アニメ放送中に思い浮かんだ企画だったので、4選という非常に微妙な数字になってしまいました。
記事を書いていて面白かったので毎クールやっていこうと思います。
次はきっと5選か10選!
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。もし記事が良かったなと思ったらSNSへのシェア、Twitterのフォロー等、ぜひともよろしくお願いいたします。
今後もアニメに関する記事を毎日投稿していきますので、ぜひご覧ください。
また次の記事で!