「音楽」×「ロボット」、最高のアニメが生まれると思いませんか?
本作はあの『カゲロウプロジェクト』を手掛けたじんさんと、『交響詩篇エウレカセブン』を手掛けた佐藤大さんで組む、ロック史の伝説をモチーフとしたロボットアニメです。
今回はそんな『LISTENERS』の魅力を語っていきたいと思います。
『LISTENERS』とは
©1st PLACE・スロウカーブ・Story Riders/LISTENERS製作委員会
あらすじ
この世界は【ミミナシ】と呼ばれる謎の生命体により、人類はその生活を脅かされていた。
ミミナシに対抗することができるのは、戦闘メカ【イクイップメント】とプラグインし、操ることのできる【祈手(プレイヤー)】という能力者のみ。
スクラップの街「リバチェスタ」で暮らす少年・エコヲは、10年前、ミミナシと祈手(プレイヤー)との大きな戦い【フェス】で伝説を残した祈手(プレイヤー)・ジミを目撃して以来、密かに祈手(プレイヤー)に強い憧れを抱きつつも、燻り生きてきた。
しかしある日、いつものようにゴミ山で採掘仕事に励んでいたエコヲは、記憶喪失の少女・ミュウと出逢う。 腰にインプットジャックが空いた彼女もまた、祈手(プレイヤー)の一人だった。
やがて二人は、彼女の出自や、フェスの中心人物でありながら謎多き人物・ジミを追う旅に出る──
スタッフ
原案:1st PLACE
原作:1st PLACE・スロウカーブ・Story Riders
企画・プロデュース:スロウカーブ
監督:安藤裕章『亜人』
ストーリー原案:じん/佐藤大/橋本太知
シリーズ構成:佐藤大『交響詩篇エウレカセブン』『超速変形ジャイロゼッター』『怪盗ジョーカー』
脚本:じん/佐藤大/宮昌太郎
キャラクターデザイン:pomodorosa
アニメーションキャラクターデザイン:鎌田晋平
サブキャラクターデザイン、総作画監督:小泉初栄/高原修司
メカニックデザイン:寺尾洋之『ストライクウィッチーズ』『ばくおん!!』
色彩設計:末永絢子
美術監督:谷岡善王
撮影監督:柳田貴志
CGI監修:川原智弘
CGIディレクター:後藤泰輔
3DCG:しいたけデジタル
編集:武宮むつみ
音響監督:小泉紀介
音響効果:西村睦弘
音響制作:dugout
楽曲プロデュース:じん『カゲロウプロジェクト』
音楽:L!th!um
音楽制作:DMM music/清水聖太郎(EDWORD RECORDS)
アニメーション制作:MAPPA
キャスト
エコヲ・レック:村瀬 歩
ミュウ:高橋李依
ニル:釘宮理恵
ロズ:花澤香菜
殿下:諏訪部順一
リッチー:上村祐翔
ライド:八代 拓
ジャニス:上田麗奈
ロバート:銀河万丈
ホール:下野 紘
キム:田中敦子
ウェンディ:本名陽子
リサ:ゆかな
レオ・マーシャル:千葉 繁
アイン・ノイバウテン:大原さやか
シュテュル・ノイバウテン:日笠陽子
ツェンデ・ノイバウテン:黒沢ともよ
スエル・レック:佐藤利奈
マッギィ:チョー
サリー・シンプソン:島袋美由利
トミー・ウォーカー:中村悠一
エース元帥:大塚芳忠
ビリン・ヴァレンタイン:水樹奈々
ケヴィン・ヴァレンタイン:山寺宏一
ジミ・ストーンフリー:福山 潤
おすすめポイント
『カゲロウプロジェクト』、実はギリギリ世代じゃなくて、『メカクシティアクターズ』のアニメを見ただけのにわかです。
いつもゲームをしている年下の仲間たちはみんな『カゲロウプロジェクト』を良く知っていて、学校でも流行っていたと言っているのでその時代に学生でいたかったなあと思います。
そんな『カゲロウプロジェクト』のじんさんも携わったこのアニメの魅力を、以下の3つのポイントから紹介していきたいと思います。
・ミミナシ、祈手(プレイヤー)、ジミ、謎だらけのままの素敵な二人の旅路
・ロック好きにはたまらない、作り込まれた世界観
・毎話変わるその話数を象徴するEDテーマ
ミミナシ、祈手(プレイヤー)、ジミ、謎だらけのままの素敵な二人の旅路
スクラップの街、リバチェスタで暮らす主人公エコヲ。ある時ゴミ山から記憶喪失の少女・ミュウを見つけます。
ミュウの出自にも関係があり、エコヲが憧れている伝説の祈手(プレイヤー)、ジミを探して二人は旅に出ます。
道中では謎の生命体、ミミナシに襲われたり、敵対する祈手に襲われたり、その旅路はかなり波乱万丈なものになります。
最初はミミナシの正体も、祈手(プレイヤー)の役割も、ジミの素性もわからないまま旅が始まり、エコヲとミュウもあまりお互いのことを理解し合っていませんでした。
そんな二人が、学園都市を訪れ学園の謎を解決したり、人生で初めてのアルバイトをしたり、色々な経験を経て絆を深めていきます。
エコヲとミュウの他人と呼ぶには近すぎて、パートナーと呼ぶには少し遠い、絶妙な関係性の進展が旅と共に描かれます。
そんな中で、ミミナシとはいったい何なのか、祈手(プレイヤー)がすべきことは何なのか、そしてジミにたどり着く手がかりが少しずつ明かされていきます。
まるでRPGのゲームをプレイしているように、世界の全体像が少しずつ見えていくのがとても気持ち良いです。
そして物語の終盤、二人は旅の終着点にたどり着きます。
それは全く持って二人が望んだ形ではなく、二人がはぐくんできた関係性は一度完全に壊れてしまいます。
一度距離が離れてエコヲは、本当は自分は何がしたかったのか、自分が自分として何ができるのか、旅で得た色々な経験や気持ちを元に考えを深め、改めてミュウに正面から向かっていく"ロック"な最終回は圧巻です。
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- 発売日: 2020/07/29
- メディア: Blu-ray
ロック好きにはたまらない、作り込まれた世界観
キャラクター名、戦闘メカのイクイップメント、各話サブタイトル、全てに元ネタがあります。
ニル:アメリカのグランジバンド、「ニルヴァーナ」から。
ロズ:「ピンクフロイド」のメンバー、「ロジャー・ウォータース」から。
殿下:アメリカのミュージシャン、「プリンス」から。
リッチー:「セックス・ピストルズ」のベーシスト、「シド・ヴィシャス」の本名「ジョン・サイモン・リッチー」から。
ライド:セックス・ピストルズのボーカル、ジョニー・ロットンの本名ジョン・ライドンから。
ジャニス:アメリカのブルースロックシンガー、「ジャニス・ジョプリン」から。
ロバート:アメリカのブルースシンガー、「ロバート・ジョンソン」から。
ホール:「ニルヴァーナ」の「フロントマン・カートコバーン」の妻である「コートニーラブ」の所属バンド、「ホール」から。
キム:「ソニック・ユース」のメンバー、「キム・ゴードン」から。
ウェンディ:元「プリンス&ザ・レボリューション」のメンバーで、1987年にデビューしたデュオ「Wendy & Lisa」から。
リサ:元「プリンス&ザ・レボリューション」のメンバーで、1987年にデビューしたデュオ「Wendy & Lisa」から。
レオ・マーシャル:「マーシャル・アンプリフィケーション社」の創業者「ジム・マーシャル」と、楽器メーカーの「フェンダー社」の創業者「レオ・フェンダー」から。
アイン・ノイバウテン:ドイツのノイズバンド、「アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン」から。
シュテュル・ノイバウテン:ドイツのノイズバンド、「アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン」から。
ツェンデ・ノイバウテン:ドイツのノイズバンド、「アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン」から。
マッギィ:「クリエイション・レコーズ」の設立者「アラン・マッギー」から。
サリー・シンプソン:「ザ・フー」のアルバム「トミー」の登場人物、「サリー・シンプソン」から。
トミー・ウォーカー:「ザ・フー」のアルバム「トミー」の登場人物、「トミー・ウォーカー」から。
エース元帥:「ザ・フー」のアルバム「四重人格」を元に製作された映画「さらば青春の光」の登場人物であるモッズのカリスマ、「エース・フェイス」から。
ビリン・ヴァレンタイン:「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン」のメンバー、「ビリンダ・ブッチャー」から。
ケヴィン・ヴァレンタイン:「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン」のメンバー、「ケヴィン・シールズ」から。
ジミ・ストーンフリー:「ジミ・ヘンドリックス」と彼の楽曲、「ストーンフリー」から。
引用元:Wikipedia「LISTENERS リスナーズ」登場人物より
全然元ネタわからん!って人もいれば、聴いたことある!という人もいる感じですね。
自分も『グランド・セフト・オート』シリーズでちょっと洋楽に興味を持った時期があるのでかろうじて少しわかるぐらいです。
戦闘メカであるイクイップメントも、アンプの名前や曲名、バンド名、メーカー名、アルバム名など様々なものをモチーフにしています。
アンプが変形して戦闘メカになるという発想がめちゃくちゃ良いですよね。
音を武器にしたり、シールドケーブルを飛ばしたり、「音楽」×「ロボット」ならではの戦闘シーンもたまりません。
メカニックデザイナー、寺尾洋之さんの匠の技が光ります。
サブタイトルも「Oasis」の「Live Forever」や、「The Stone Roses」の「I Am the Resurrection」、「The Beatles」の「Tomorrow Never Knows」など、歴史に名を連ねる名曲たちの名前が使われています。
学園や街も、ありきたりで平凡な場所はなく、展開もやることなすことも全て"ロック"。
一貫したテーマがしっかりと支柱にある、素晴らしい世界観の作品です。
洋ロックが好きな方は絶対楽しめること間違いなしです。
毎話変わるその話数を象徴するEDテーマ
主題歌全楽曲の作詞・作曲・プロデュースをじんさんが務め、EDテーマは全てミュウ(CV:高橋李依)が歌唱しています。
1話ごとにED変わるのめちゃくちゃ豪華ですよね。ミュウが歌ってくれるのでそれぞれの楽曲への思い入れもひとしおです。
ED映像もその話数のプレイバックになっており、聴くだけでこの作品を思い出すことができます。
最終話まで全てのノンクレジットED映像がYoutubeにアップされていますが、全て貼ると記事が重くなってしまうので個人的におすすめの楽曲3曲をピックアップして紹介いたします。
1曲目は第4話EDテーマ「Slip out!」
『LISTENERS リスナーズ』第4話ノンクレジットED/「Slip out!」ミュウ(CV.高橋李依)
訪れた学園都市「フリーク・シーン・アカデミー」の何でもあり感が歌に詰まっていて、聴いているだけで楽しくなってしまう楽曲です。
なんというかヤク中感がありますよね。(?)
ミュウの強気で、エコヲを引っ張っていく天真爛漫な雰囲気が詰まっていて素晴らしいです。
2曲目は第6話EDテーマ「Top of ocean」
『LISTENERS リスナーズ』第6話ノンクレジットED/「Top of ocean」ミュウ(CV.高橋李依)
先ほどの「Slip out!」とは大きく変わって心に深く残るバラード。
傷ついたジミを連れて姿を消したノームの民を探し、見つけた海の上に浮かぶノームの国。
そこで明かされるノームの民の過去とミミナシの正体。切ないお話にぴったりなEDテーマとなっています。
第6話に登場する花澤香菜さん演じるロズは本作で一番印象に残ったキャラクターです。
3曲目は第12話EDテーマ、「Listeners」
『LISTENERS リスナーズ』第12話ノンクレジットED/「Listeners」ミュウ(CV.高橋李依)
アニメタイトルそのものがついたこの楽曲は、『LISTENERS リスナーズ』で伝えたかったテーマがしっかり歌詞に表現されており、失敗も多かった二人の旅路がフラッシュバックします。
改めてこの作品を見て音楽は、僕らに希望を与えてくれる大切なものだなあと実感しました。
第12話の結末と相まって、『LISTENERS リスナーズ』を締めくくる本当のEDテーマという感じです。
実はこの曲の後に"あの曲"が流れますが、それは本編を見てのお楽しみということで、毎週変わるEDを楽しみながら見ていただければと思います。
配信情報
Amazonプライムにて独占配信中です。
通好みの隠れた名作、特に洋ロックが好きな方にはぜひ見て欲しい作品です。
無料体験期間もありますのでぜひお試しください。
おわりに
基本的にアニソンしか聴いてこなかった人生なので、もっと多くの音楽に触れて感性を豊かにしたいなあと思う今日この頃。
こういった作品で自分があまり知らないジャンルに一歩踏み出せるきっかけをくれるのもアニメの良いところですよね。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。もし記事が良かったなと思ったらSNSへのシェア、Twitterのフォロー等、ぜひともよろしくお願いいたします。
今後もアニメに関する記事を毎日投稿していきますので、ぜひご覧ください。
また次の記事で!