『アイドリッシュセブン』。
数ある男性アイドル作品の中でも、シリアスなストーリー、鬱展開が大きな特徴の作品です。
辛い分だけ、そこを乗り越えた先のカタルシスも大きいんですが、辛いものは辛い。
今回はそんな『アイドリッシュセブン』の中でも、特に辛いエピソード、IDOLiSH7全体がギクシャクする第7話「滲む不協和」について語っていきたいと思います。
『アイドリッシュセブン Second BEAT!』とは
【放送再開決定PV】TVアニメ「アイドリッシュセブン Second BEAT!」
あらすじ
TRIGGERと競い合った「ブラック・オア・ホワイト」での勝利を経て新たな一歩を踏み出したIDOLiSH7。
存在感を示したことでレギュラー番組も決まりさらに知名度を高めていくチャンスを手にする。
だが、活躍の場が広がるほど、担う責任や寄せられる期待は大きくなっていく。そんな時、共演したトップアイドル・Re:valeが示したのはエンターテイナーとしてのプロフェッショナルな姿。
誰かを笑顔にしたい、幸せにしたい――。
その想いを貫くために、どう在るべきなのか?
陸たちはそれぞれに自らと向き合っていく……。
スタッフ
原作:バンダイナムコオンライン / 都志見文太
監督:別所誠人
シリーズ構成:関根アユミ『枕男子』
スーパーバイザー:あおきえい『GIRLSブラボー』『Fate/Zero』『ID :INVADED イド:インヴェイデッド』
キャラクター原案:種村有菜
アニメーションキャラクターデザイン:深川可純『ゾンビランドサガ』『体操ザムライ』
総作画監督:猪股雅美
美術監督:葛琳
色彩設計:篠原真理子
2Dデザイン:高橋清太(FUETE)
撮影監督:津田涼介
CGディレクター:ヨシダ.ミキ
3Dワークス:井口光隆
編集:右山章太
音楽:加藤達也『けんぷファー』『最遊記RELOAD BLAST』『Dr.STONE』
音楽制作:ランティス
音響監督:濱野高年
アニメーション制作:TROYCA
製作:アイナナ製作委員会
キャスト
和泉一織:増田俊樹
二階堂大和:白井悠介
和泉三月:代永翼
四葉環:KENN
逢坂壮五:阿部敦
六弥ナギ:江口拓也
七瀬陸:小野賢章
八乙女楽:羽多野渉
九条天:斉藤壮馬
十龍之介:佐藤拓也
百:保志総一朗
千:立花慎之介
小鳥遊音晴:千葉進歩
大神万理:興津和幸
小鳥遊紡:佐藤聡美
八乙女宗助:小西克幸
姉鷺カオル:川原慶久
岡崎凛人:古川慎
第7話「滲む不協和」
あらすじ
偶然聞いてしまったファンの声にショックを受ける三月。
陸も一織のファンからSNSで批判され、一織にギクシャクした態度をとってしまう。
その様子を心配する壮五だが、自分にも環について気がかりなことがあった……。
スタッフ
脚本:関根アユミ
絵コンテ:井出安軌
演出:伊福覚志
総作画監督:猪股雅美
作画監督:大塚八愛、藤 裕子、渡辺浩二、奥田 淳、加藤里香
ライブパート絵コンテ・演出:別所誠人
ライブパート作画監督:奥田 淳
ピックアップポイント
ファンの声にショックを受ける三月
レギュラー番組『キミと愛なNight!』で持ち前のMC力を発揮する三月。
誰よりも喋って、みんなから話題を引き出す潤滑油的な役割を担っていました。
ところがある日、心無いファンの声を聴いてしまいます。
「でもさ、三月邪魔じゃない?」
「人気ないくせに、もっと空気読んで欲しいよ。」
IDOLiSH7のためにやっていたことなのに、ファンからの冷たい批判。
いつも前向きな三月も落ち込みムード。
そんな雰囲気を察してナギが声を掛けますが、放っておいてくれの一点張り。
ナギはこういうところ、本当に気が回りますね。
比較されギクシャクする陸と一織
体調不良の陸に代わり、一織がセンターを務めることになった「Perfection Gimmick」は過去一番の売上。
もちろん陸自身もIDOLiSH7自体の人気が上がっていることはわかっているはずですが、それでも自分よりも一織がセンターを務めた方が良いのかもという不安は隠せません。
誰よりも陸に歌ってほしいと思っていた一織にとっては非常に複雑な心境。
二人の関係は非常にギクシャクしたものになってしまいます。
この画像の陸が目を逸らすシーンは非常に印象的。
陸の胸中でざわめく色々な感情が痛いほど伝わってきます。
IDOLiSH7全体もギクシャク
7人中3人がこんな状態ではユニットとしての調和を取ることも難しい。
『キミと愛なNight!』の企画会議も、どこか上の空。
「周りの声は気にするな、俺たちは俺たちにできる範囲でそこそこ頑張りゃいい。」
しっかりと空気を感じ取って、完璧なアドバイスをする大和。
しかしその声は、心のモヤモヤまでは晴らすことが出来ませんでした。
「Perfection Gimmick」のライブと争うファン
ちょっと話は逸れるんですがこのライブ会場「Zepp Tokyo」は数年内に閉館予定。
もちろん、『アイドリッシュセブン』はドームを埋められる規模なのでここでライブをすることはありませんが、聖地が無くなるのはちょっと悲しい気持ちになりますね。
ついでなのでもう一個小ネタ。
このフラワースタンド、IDOLiSH7をバラエティ番組に頻繁に起用してくれるミスター下岡さんから来ていますね。
細かいところにまでこだわりが感じられます。
ライブ終演後、陸と一織のファンによるいざこざが勃発。
ちょっとリアリティがありすぎて、もしかするとドキッとした方もいるかもしれません。
同じユニットを応援している仲間同士で争ってしまうのは非常に残念なことです。
何が好きかを語るのは素晴らしいことですが、それ以外のものを貶めるような発言をするのは自分自身も気を付けなければな、と思うところです。
いざこざはSNSでも。
公式アカウントにリプライ送っているのが最悪ですね。
匿名性が高くなると、それだけ心無い言葉が増えてしまうのもSNSの悪いところ。
もし数人が争っているだけだとしても、公式アカウントのつぶやきにこういうやり取りがくっついていると、ファン全体がそういうことを想っていると錯覚してしまうことだってあります。
でも、ioioiiyoというIDはセンスが良いと思います。
メンバー思いなお兄さん・大和
こんな良くない状態でも、冷静に回りを分析する大和と壮五。
特に大和は三月が求めているものが業界人から認められることではなく、IDOLiSH7のファンから認められることだと見抜いています。
MCをスポットライトに例え、三月の悩みが非常に難しいものである話はとてもわかりやすく、より一層三月に感情移入してしまいます。
環をおだてて、MEZZO"の二人が上手くいくように仕向ける大和。
さすが、IDOLiSH7のお兄さんです。
三月やナギのように、一発でユニット全体の雰囲気を変えることはできませんが、こういう根回しは最年長ならでは。
改めて大和って良いキャラだなあとしみじみ感じました。
素直に喜ぶ環も可愛い。
やれば出来る環
大和の教えを受け、礼儀正しく、言葉もしっかり選んで頑張る環。
環が褒められ、壮五も喜び、二人の仲もさらに進展。
素晴らしいポジティブループです。
環の妹という爆弾を抱えた状態ではありますが、全体がギクシャクしている中のこの二人のやり取りは数少ない癒し。砂漠の中のオアシス。
お願いだから他のメンバーが復活するまでこの爆弾がそのままであって欲しい。
MCを上手く回せない三月
ファンからの批判の声におびえる三月。
出来るだけ自分が目立たないように、上手く会話を回そうと陸や一織に話題を振りますが返ってくる言葉はそっけなく、自分が話さざるを得ない。
これ以上自分が話してしまって大丈夫か、上手く回さなきゃ、上手く回さなきゃと焦る三月はいつものキレのあるMCを全うすることが出来ませんでした。
このシーンは痛いほど気持ちがわかるので、辛すぎて涙が出ます。
もちろん、こんなに多くの人の前でMCをやったことはありませんが、初めて会った人との会話や、どうしても話を繋げなきゃいけない時、きっと誰もがこんな焦った気持ちになったことがあるはず。
批判を受けて気負った状態のMCですから、そのプレッシャーは想像するだけで寒気がします。
画像のような絶望した眼のアップや、震える手・脚など、三月に感情移入せずにはいられない素晴らしい演出でした。
嫌われたくない
番組終了後、逃げる三月を捕まえて、相談に乗るナギ。
情けないこと言ってもいいかな、という前置きの後、三月は涙をこぼしながら想いを打ち明けます。
「嫌われたくない…」
「お前たちのこと好きって言ってくれてる人達にだけは嫌われたくないよ…」
「喜ばせたいよ、ナギ…俺もみんなに喜んで欲しいよ…」
「陸の歌や環のダンスやお前の顔みたいに自分のことで喜ばせたいよ…」
「なあナギ、俺どうしたらいい…俺ここにいて、IDOLiSH7にいていいのかな…」
「俺の役割って何だろう…俺に出来ることって何だろう…」
「街の中にあるたくさんの人の好きっていう気持ちにどうやって答えればいいんだろう…」
「みんなを幸せにしたいのに…」
こんなにも純粋な三月の想い。
自分のためじゃなく、IDOLiSH7のために、ファンのみんなに喜んでもらうために、いったい何ができるのか。
情けないと思いながらも口にした"嫌われたくない"という言葉も、こぼれる涙も、考えに考えた結果、溢れてきてしまったもの。
エンディング後のこの太陽みたいに眩しい笑顔も合わせて、三月に報われて欲しいという気持ちがただただ募ります。
想いは伝わる
もちろん、全てのファンが三月を批判しているわけではありません。
三月の努力はしっかりとファンに伝わっていました。
この一筋の光明をしっかりと三月は掴むことが出来るのか。
Get Back My Song
和やかな雰囲気とBGMがピタッと止まり、映し出されたのはこけら落とし公演のポスターに刻まれた、
「Get Back My Song」
の文字。
日本語にすると「僕の歌を取り戻せ。」。
おそらくゼロの歌をRe:valeがカバーすることに関する何かなのでしょう。
これ以上に悪いことが起きてしまう予感で締めくくられる第7話でした。
配信情報
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