PRETENDER。
意味合いとしてはコンフィデンスマンと近しい、すなわち詐欺師を意味する単語です。
詐欺で悪者からお金を巻き上げ、そのお金をふんだんに使ってより一層大きな詐欺を働いていく痛快、爽快感。
そんなコンゲームの魅力がたっぷりつまった名作、
『GREAT PRETENDER』をネタバレなしで、紹介していきたいと思います。
『GREAT PRETENDER』とは
TVアニメ「GREAT PRETENDER」(グレートプリテンダー)メインPV第2弾
あらすじ
ターゲットは悪人のみ!騙して騙して騙しまくる!?
ロサンゼルス、シンガポール、ロンドン、上海、そして東京…
世界を股にかけた壮大な<コン・ゲーム>、ここに開幕!!!自称“日本一の天才詐欺師”枝村真人。
その日も相棒の工藤と2人で浅草観光に来ているフランス人に詐欺を仕掛けてひと儲け…のはずが、逆に騙され大金を奪われてしまう。その男はローラン・ティエリー、マフィアさえ手玉に取るコンフィデンスマンだったのだ。
世界を舞台に仕掛ける桁違いの騙し合いに、枝村は巻き込まれていく…!!
スタッフ
監督:鏑木ひろ『君に届け』『となりの怪物くん』『鬼灯の冷徹』
脚本・シリーズ構成:古沢良太『アシ!』『リーガル・ハイ』『コンフィデンスマンJP』
キャラクターデザイン:貞本義行『ふしぎの海のナディア』『フリクリ』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』
サブキャラクターデザイン・総作画監督:加藤寛崇
総作画監督:浅野恭司
デザインワークス:奥田明世・清水慶太・石橋翔祐
コンセプトデザイン:丹地陽子
副監督:益山亮司
美術監督:竹田悠介
美術設定:藤井一志
色彩設計:小針裕子
撮影監督:出水田和人
編集:今井大介
音楽:やまだ豊『東京喰種トーキョーグール』『ヴィンランド・サガ』『バビロン』
音響監督:はたしょう二
ミュージックエディター:千田耕平
アニメーション制作:WIT STUDIO『進撃の巨人』『甲鉄城のカバネリ』『恋は雨上がりのように』
キャスト
枝村真人役:小林千晃
ローラン・ティエリー役:諏訪部順一
アビゲイル・ジョーンズ役:藤原夏海
ポーラ・ディキンス役:園崎未恵
おすすめポイント
最期の一瞬までわからないハラハラドキドキな展開
本作は全23話が、4つの物語に分かれています。
ドラッグに関する詐欺を描きながら、主要人物の人間性や関係性を描く、
第1編「Los Angeles Conection」。
色仕掛けや、大胆不敵な八百長など規模感の大きなエアレースを題材にした、
第2編「Singapore Sky」。
詐欺師だって人間、情愛・憧憬など人間味たっぷりに絵画の世界を描いた、
第3編「Snow of London」。
最後にして最大、もはや展開が一切読めない人身売買について描いた、
第4編「Wizard of Far East」。
どれも独立したお話になっているため、どのお話も非常に見やすいのはもちろんのこと、1編1編積み重ねてきた感情や人間関係がその続きの編にしっかりと活かされる素晴らしい構成です。
映画として作ることも可能な内容ではありますが、長い話数を書いて描くことでより一層感情移入できる、"テレビアニメの強み"も強く発揮されています。
脚本を『コンフィデンスマンJP』でおなじみ古沢良太さんが担当しているため、詐欺に関するストーリーのどんでん返し感はピカイチ。
一体誰をどこまで信じていいのか、自分の常識さえ疑わないといけない展開は、見ていて非常にハラハラドキドキが止まりませんでした。
超豪華スタッフ
脚本に関しては先ほども記載しましたが、『コンフィデンスマンJP』でおなじみ古沢良太さん。
ちなみにですが、『コンフィデンスマンJP』より先に本作の脚本を手掛けています。
古沢さんにとっては、初めてのアニメ作品での脚本。
普段アニメを見ていない方でも、安心して見ることが出来るかと思います。
そしてキャラクターデザインが、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』などでおなじみ貞本義行さん。
老若男女、そして様々な国籍の人物が登場しますが、一人一人の書き分けが個性的で素晴らしい。
さらに男性には男性らしい魅力が、女性には女性らしい魅力がたっぷり詰まっており、ストーリーと併せてより一層深く感情移入出来ること間違いなし。
表情変化もわかりやすくキャッチ―で、アニメの絵柄の喜怒哀楽になれていない人でも、しっかりと表情から伝わる意図を受け取れることと思います。
そして監督は名作少女漫画『君に届け』、『となりの怪物くん』や、ハードボイルドなオリジナルアニメ『91Days』を手掛けた鏑木ひろ監督が務めています。
特に恋愛が主軸に置かれた「Snow of London」では、鏑木監督らしさが詰め込まれたシーンも散見され、大人の思い、思われ、揺れ動く恋心がとても胸に響きました。
『91Days』の経験が生きているのか、男性同士の距離感・関係性の描写もお見事。
王道カップルであるロー枝を中心に、腐った方の妄想を刺激しつつ、ストーリーとしては男性同士の友情ともライバル関係とも取れる絶妙な関係性を非常に上手く描いています。
オープニングテーマ「G.P.」/ やまだ豊
TVアニメ「GREAT PRETENDER」(グレートプリテンダー)オープニング 「G.P.」ノンクレジット映像
作曲は本作で劇伴も務めているやまだ豊さん。
オープニングテーマとしてはもちろんですが、ここぞという時の挿入歌で流れた時のカッコよさが異常。
作品にぴったりな激しめのジャズで、特にサックスとトランペットが競うように音楽を盛り上げていく展開は聴くたびに心がウキウキします。
オープニング映像も非常に秀逸。
オシャレで抽象的なタッチを用いつつ、しっかりと本作の大筋のストーリーがオープニングを見るだけでわかるようになっています。
インストの音源、キャラクターを押し出さない映像と、普段アニメを見ている層とは違う層にアピールしていることが非常に強く伝わってきますね。
エンディングテーマ「The Great Pretender」/ フレディ・マーキュリー
「GREAT PRETENDER」(グレートプリテンダー)エンディング "The Great Pretender" Performed by Freddie Mercuryノンクレジット映像
Freddie Mercury - The Great Pretender (Official Video Remastered)
エンディングはクイーンのボーカリストとしてもお馴染み、フレディ・マーキュリーさんが歌う、アニメタイトルと同じ「The Great Pretender」。
2つの動画を見比べてもらえればわかると思いますが、エンディング映像はPVをオマージュして登場人物をネコに変えたものになります。
フレディ・マーキュリーさん自身も非常にネコが好きというのは良く知られているエピソードで、そういった意味でのリスペクトも感じられます。
しかしこの映像、ただ単にPVをオマージュしただけではありません。
『GREAT PRETENDER』本編でも様々なネコが登場。
一つ一つ当てはめていくと、エンディング映像に登場するネコがあのキャラクターであることが判明するはず。
本編を見進めていく毎に解き明かされていく、秘密が詰まったエンディング映像なのです。
歌詞は、詐欺師としての自分と、その裏にある本当は寂しがりな自分を描く、まさに本作にぴったりな内容。
脚本の段階でこの歌詞に大きな影響を受けていた可能性もあります。
普段からアニソンしか聴いていない自分にとっては、その心に響く歌声はもちろん、訴えかけてくる素晴らしい歌詞に思わず感動。
最初に聴いてからしばらくは、クイーンの歌を聴き漁る日々が続くほど、このオープニングに大きな影響を受けました。
配信情報
Netflixにて独占配信中です。
おわりに
夏から続く2クールでしたが、思い返してみれば面白すぎて全て一瞬の出来事のよう。
特に第4編「Wizard of Far East」は、展開の読めなさや、個々人の感情描写も非常に素晴らしく、1~3編を見た後だからこその感動もありました。
多くの人に見て欲しい、2020年のアニメを代表する一本です。
興味がわいたので見て見ます!
ここのシーン好きだった!
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また次の記事で!