お金持ちが庶民的なものを好きになってしまう。
富豪やお嬢様が出てくる作品の鉄板ネタではありますが、細かいところをどう魅せてくれるかは作品次第。
『富豪刑事』ならではの面白さ、かっこよさ、可愛さが詰め込まれた鉄板ネタが見られた第5話について、今回は語っていこうと思います。
『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』とは
©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥
「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」本PV(オープニング・テーマ「NAVIGATOR」使用&7月16日放送開始ver.)
あらすじ
ケタ外れの資産をもつ神戸家の御曹司・大助が赴任したのは、
警視庁で問題を起こした人間だけが送り込まれる
「現代犯罪対策本部準備室」、通称「現対本部」。
そこで大助は情に厚い男・加藤 春とバディを組まされる。
人の命すら値踏みする大助に対して「世の中金じゃねぇ」と反発する加藤。
対立する2人の前に立ちはだかる、様々な事件と謎。
常識を超えた捜査が今、始まる――!
スタッフ
原作:筒井康隆『富豪刑事』 (新潮文庫刊)
ストーリー原案:TEAM B.U.L
監督:伊藤智彦『世紀末オカルト学院』『ソードアート・オンライン』『僕だけがいない街』
シリーズ構成・脚本:岸本 卓『うさぎドロップ』『ジョーカー・ゲーム』『はねバド!』
キャラクターデザイン:佐々木啓悟『閃光のナイトレイド』『青の祓魔師』『七つの大罪』
サブキャラクターデザイン:田辺謙司
美術設定:藤瀬智康/曽野由大/末武康光
美術監督:佐藤 勝/柏村明香
色彩設計:佐々木 梓
メカデザイン:寺尾洋之
CG監督:那須信司
撮影監督:青嶋俊明
編集:西山 茂
音楽:菅野祐悟『図書館戦争』『PSYCHO-PASS サイコパス』『ジョジョの奇妙な冒険』
音響監督:岩浪美和
音響制作:ソニルード
スタイリングアドバイザー:高橋 毅
ガジェットコーディネート:ギズモード・ジャパン
アニメーション制作:CloverWorks
キャスト
神戸大助:大貫勇輔
加藤 春:宮野真守
神戸鈴江:坂本真綾
清水幸宏:塩屋浩三
仲本長介:神谷 明
亀井新之助:熊谷健太郎
佐伯まほろ:上田麗奈
湯本鉄平:高橋伸也
武井克弘:小山力也
星野 涼:榎木淳弥
ヒュスク:興津和幸
第4話「空っぽのポケットほど、人生を冒険的にするものはない」
『レ・ミゼラブル』の著者、ヴィクトル・ユーゴーの有名な名言がサブタイトルの由来となっています。
あらすじ
非番の日、訳あって屋敷を飛び出してしまった大助。
そこに加藤からの呼び出しが入る。
迷子の犬を探している小学生に泣きつかれ、手助けが欲しいというのだ。
ところが、大助は屋敷に財布もガジェットも忘れてきた事に気がつく。
いつもの手法が使えず、迷子犬の捜索は難航。
そのうえ家には帰りたくないという大助を、加藤は仕方なく自宅に招く。
スタッフ
絵コンテ・演出:池田愛彩
作画監督:山村俊了、二宮奈那子
総作画監督:佐々木啓悟
ピックアップポイント
犬を探す加藤たち
©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥
加藤に呼び出された大助。
迷子の犬を探している小学生に泣きつかれ、やむなく犬の捜索を開始します。
捜索開始直後は、
「犬は嗅覚も良く、利口だから家に帰ったに違いない。」
と子供に告げ、一刻も流行く捜索を終わらせようとする大助の姿が描かれます。
お金の受け取りを断る大助
©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥
犬は見つからず一旦お開きとなった帰路。
大手牛丼チェーン店の前でお腹の音がなってしまう大助。
お金を持っていない旨を加藤に告げると、加藤は1,000円を渡そうとし、これで家に帰れと提案します。
ところが大助は、
「帰るわけにはいかないんだ。」
と受け取りを拒否。
大助がどうしても帰りたくない理由とはなんなのか。
庶民の生活を味わう大助
©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥
超大富豪の大助にとっては、加藤の生活全てが驚きの連続。
スーパーでの買い物。
ちょっとぼろめのアパートでの生活。
自分で作る料理。
印象的だったシーンは、販売されている牛乳の消費期限を加藤が見ているシーン。
自分本位な大助は消費期限が長いものを選んでいると当然考えますが、
他者本位な加藤は廃棄にならないよう、消費期限が短いものを選んでいました。
ちょっとしたエピソードですが、二人の正義感の違いが現れた大切なシーンです。
いつもスーツを着てオールバックが基本の大助が、ダボダボのパーカーを着て髪を下ろしている貴重なカットも。
©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥
いつもしっかりしている人の抜けてる姿ってめちゃくちゃ"くる"ものがありますよね。
ごちそうさまです。
一緒に作ったカレーを二人で食べ、晩酌タイムに。
1,500円もする生ハムをおつまみに出しますが、大助の口には合わない模様。
「生ハムはハモン・イベリコ・ベジョータしか食べない。」
ハモン・イベリコ・ベジョータというのは、
ドングリを食べて育ったイベリコ豚の生ハム
と言う意味で、ニュアンスで分かる通り、大変高級な生ハムのことです。
想像よりお値段が張っていて、大変驚きましたが結構おいしそうで食べてみたい気もします。
悔しがった加藤はツナ、もやし、わさび、かつお節などを使った、
加藤家特製ツナもやしを提供!
お味のほどは…
©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥
何も言わずにパクパク食べ進める大助。
素直になれない二人のこの絶妙な空気感がたまりません。
ちなみにノイタミナショップ&カフェシアターではこちらをモチーフにしたフードメニューも提供中。
追加料金を払えば芋焼酎ロックまでついてくる。
こういうところがノイタミナショップ&カフェシアターさんの素晴らしいところですね。
折を見て食べに行きたいと思います。
TVアニメ『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』コラボメニューが登場!ノイタミナショップ&カフェシアター オリジナルメニュー|ノイタミナグッズ販売のノイタミナショップ 公式サイト
©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥
酔っぱらいながら刑事ドラマを見る二人。
普段の凛々しい姿の欠片も見られないのがたまりません。
ティッシュペーパーではなく、トイレットペーパーを使っていたり、
柄の揃っていない湯飲みを使っていたり、
大助だけ割りばしで袋を折って箸置きにしていたり、
こういう細かいところの描かれ方も男の一人暮らし感が溢れています。
翌日、いなくなったシロの兄弟を買ってくる大助
©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥
一日かけて捜索するも見つからないシロ。
夕方、シロと思しき犬を連れてやってくる大助。
実はこの犬はシロではなく、近所のブリーダーさんが飼っていたシロの兄弟。
区の保健所に問い合わせたところ、シロは既に事故で亡くなっており、少年のために代わりの犬を買ってきたのです。
お金で解決するという点では、『富豪刑事』らしさもありながら、子供の心に寄り添った行動をする大助。
序盤の捜索を出来るだけ早く終わらせようとしていた心持ちから、大きな心境の変化が読み取れます。
犬の捜索も終了し、帰路に付く大助。
©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥
「電車賃、貸してくれ。」
序盤で一度お金を借りるのを断ったこともあり、二人の絆が深まったのが感じられる一言。
この二人の関係が元々対等ならともかく、超が付くほどの富豪の大助と庶民の加藤。
そんな大助が加藤にお金を貸してくれと頼むのがあまりにもエモすぎる!
やはり筒井康隆先生は天才だなあと思い知らされたのでした。
悪魔の納豆ご飯を披露する大助
©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥
神戸邸に戻ってきた大助。
夜も眠れず心配していた鈴江に悪魔の納豆ご飯を披露します。
「納豆の上にマヨネーズ、半熟卵、そして混ぜる、最後にブラックペッパーを少々。」
大好評の悪魔の納豆ご飯。
美味しいものは値段に関わらず美味しいですね。
庶民の食べ物だからとバカにせず、ドヤ顔で披露する大助の可愛さ。
二人で過ごした庶民らしい一夜は、二人の絆を強くし、大助の心境にも大きな変化をもたらしたようです。
本日の計上費用。
こんなに費用が少ないことはきっと今後ないでしょう。
©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥
おわりに
今までのお話のような、お金の力で派手に事件を解決するような展開ではなかったものの、二人の関係性の進展が見られる非常に大切な回でした。
今後二人がどのように事件を解決していくのか非常に楽しみです。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。もし記事が良かったなと思ったらSNSへのシェア、Twitterのフォロー等、ぜひともよろしくお願いいたします。
今後もアニメに関する記事を毎日投稿していきますので、ぜひご覧ください。
また次の記事で!