『アルテ』逆境に立ち向かうまっすぐな主人公！努力している人夢を追いかけている人こそ見て欲しい最終回【あらすじ・感想】

　男だから・女だから、お金持ちだから・貧乏だから、オタクだから・ウェイ系だから、自分や相手をカテゴライズして、

　「自分がこんなことをやるのはおかしいかも。」

　「男のくせにこんなこともできないのか。」

　と自分の行動を制限したり、相手を見下してしまうこと、ありますよね。

　今回はそんな逆境をはねのけるまっすぐな主人公を描く『アルテ』について語っていきたいと思います。

『アルテ』とは
配信情報
おわりに

『アルテ』とは

arte-anime.com

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Ⓒ大久保圭/コアミックス,アルテ製作委員会

TVアニメ「アルテ」PV第2弾　2020年4月4日放送開始！

あらすじ

　舞台は16世紀初頭イタリア・フィレンツェ。
　絵画や彫刻などの芸術が盛んなルネサンス発祥の地。
　そんな活気ある華やかなる時代に、貴族の娘として生まれたアルテは、物心ついた頃から絵を描くことに夢中となった。
　しかし女性がひとりで生きていくことに理解がない時代、好きなことをまともにすることも許されなかった。
　結婚してまともな生活をしてほしいと願う母親に反発し、アルテは画家になるべく工房への弟子入りを志願する。
　同じ後悔なら自分の望むことをして後悔したい―
　時代の流れに抗って、画家になる道を選んだ少女・アルテの物語が始まる。

引用元：『アルテ』公式HP STORYより

スタッフ

監督：浜名孝行『テニスの王子様』『図書館戦争』『魔術士オーフェンはぐれ旅』
シリーズ構成：吉田玲子『カレイドスター』『けいおん!』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
設定考証：鈴木貴昭『ストライクウィッチーズ』『ガールズ＆パンツァー』『ハイスクール・フリート』
キャラクターデザイン／総作画監督：宮川智恵子『もしドラ』
サブキャラクターデザイン：宮地聡子
プロップデザイン：岡戸智凱・岩畑剛一
美術設定：吉原一輔
美術監督：SCOTT MACDONALD
美術：スタジオちゅーりっぷ
レイアウト監修：益田賢治
色彩設計：舘絵美子
撮影監督：能代拓也
特殊効果：福田直征
編集：関一彦
音響監督：えびなやすのり
音響効果：川田清貴
音響制作：グロービジョン
音楽：伊藤ゴロー
音楽制作：フライングドッグ
アニメーション制作：Seven Arcs

キャスト

アルテ：小松未可子

レオ：小西克幸

アンジェロ：榎木淳弥

ヴェロニカ：大原さやか

ダーチャ：安野希世乃

ウベルティーノ：秋元羊介

ユーリ：鳥海浩輔

カタリーナ：Ｍ・Ａ・Ｏ

ソフィア：田中理恵

ダフネ：戸松遥

おすすめポイント

　以前、第6話「同業組合」について語った記事はこちら。

www.tadahome.info

　こちらの記事では熱心な気持ちや、たゆまぬ努力が自分や周りを変えていくのが『アルテ』の面白さだとまとめました。

　大きな軸は同じですが、アニメの後半では、前半と大きく異なったテーマが描かれており、そこも非常に大きな魅力だと感じています。

　改めて、『アルテ』を最終回まで見たうえでの感想を以下の2つのポイントで説明していこうと思います。

・人生の追い風と向かい風の中でも努力し続ける勇気をもらえる作品

・希望が詰まった名主題歌、フライングドッグの本気

人生の追い風と向かい風の中でも努力し続ける勇気をもらえる作品

　16世紀初頭イタリア・フィレンツェが舞台の本作。

　貴族の娘として生まれたアルテは、絵を描くことに夢中になり、画家になるべく工房への弟子入りを目指します。

　しかし当時のフィレンツェは、女性がひとりで生きていくことに対する理解がなく、

「女のくせに画家になろうなんてふざけている！」

「画家は貴族様が遊びでやるようなことじゃないんだよ！」

　と、強い非難を浴びます。

　"貴族生まれの女性"という立場が、画家を目指すアルテにとって、とてつもない向かい風になっていました。

　そんな向かい風の中でも、アルテは人一倍努力し、どんな非難にあっても、どんなにひどい仕打ちを受けても、自分の気持ちをまっすぐ持ち、努力し続け段々と周りの人間から認められるようになっていきます。

　これが『アルテ』の前半のお話でした。

　後半では、アルテがヴェネツィアの貴族、ユーリにスカウトされフィレンツェからヴェネツィアへ舞台が移ります。

　貴族の肖像画を描くためにヴェネツィアへ行ったアルテ。

　勉強もかねて工房の見学に行くと、そこでは多くの徒弟が画家の下働きとして雑用をこなしていました。

　彼らはどんなにつらい仕事を何年こなしていても画家として見込まれることはほとんどないのです。

　そんな徒弟の一人にアルテはこう言われます。

「貴族出身で、教養もおありで、珍しい女性画家ということは本当に素晴らしいことです、羨ましいです。」

　"貴族生まれの女性"という立場だからこそ、肖像画を描くという画家としての仕事をもらえたと考えるアルテ。ここでは立場が追い風になっていました。

　アルテはそんな、実力に伴ってない仕事を任されているという状態が自分で許せず、さらに努力を重ねます。

　努力しすぎてちょっと一波乱あるのですがそれはそれでとてもアルテらしい、お話になっています。

　努力を重ねた結果、アルテはさらなる成果を出していくのですがそれはぜひ実際に見てお確かめください。

　この作品を通して心を打たれたのは、立場が追い風になっても向かい風になっても努力し続ける、アルテの姿です。

　自分のやっていることを根本から否定されたり、そもそも成果も見てもらえない、結果が出ないとなると、多くの人は心が折れてしまうと思います。

　自分がやりたいからやっていることなのに、周りからの評価や目をどうしても気にしてしまう。

　何か新しいことに挑戦しようと思うとそんな壁が僕らの前に立ちはだかります。

　逆に自分が追い風に吹かれている時は、その状況、立場に甘えて努力をやめてしまいがちですよね。

　自分が少し得意だと思ってることはあまり調べなくなってしまうし、現状に満足してしまいます。

　そんな環境に満足せず、もっともっと上を目指して努力できる人はそう多くないでしょう。

　でもアルテは、そういった状況でもまっすぐに、一直線に頑張り続けるのです。

　そんなアルテの姿を見て、周りの人間もどんどんと変わっていき、アルテがピンチになったときはみんなが助けてくれる。

　努力の大切さと、努力の結果が非常にわかりやすい、それでいて説教臭くない素晴らしい作品です。

　ぜひ、夢や目標を持って頑張っている人は、この作品を見てアルテから前に進み続ける勇気をもらってほしいです。

アルテ１巻 (ゼノンコミックス)

作者:大久保圭
発売日: 2015/06/08
メディア: Kindle版

アルテ VOL.1 [Blu-ray]

発売日: 2020/06/10
メディア: Blu-ray

希望が詰まった名主題歌、フライングドッグの本気

　本当に主題歌がめちゃくちゃ良い。希望が詰まっています。

　OPテーマは、

「クローバー」/ 坂本真綾(作詞：坂本真綾作曲：水口浩次編曲：河野伸)

TVアニメ「アルテ」ノンテロップOP　毎週土曜22:00からTOKYO MXほかにて好評放送中！

　歌詞が本当にわかりやすく『アルテ』に寄り添っていて、めちゃくちゃ感情移入してしまいます。

　Aメロ、Bメロはアルテが立ち向かう、様々な困難や苦難な日々の象徴となっています。

　きっと誰しも悲しいことがあって落ち込んで、もう寝るしかない。そんな夜を過ごしたことがきっとあると思います。

　そして朝を迎えても、別に何も変わっていない、憂鬱な気持ちになってしまったり。

　でも、昨日と今日は違う、毎日新しい自分に生まれ変わるんだから、ありえないことなんてないんだから、前を向いて頑張っていこう。

　そんなサビの強いメッセージに心を打たれます。

　アルテも前を向いて努力し続けて、普通じゃ考えられないような運命的な出会いをします。

　きっとつらかったことを引きずって、下を向いて歩いていたらありえなかった出会いです。

　『アルテ』にぴったりな歌詞でもあり、聴く人一人一人が元気づけられる素晴らしい歌詞でもあります。自然に前向きになれるメロディも素敵ですね。

　作中に出てくる「クローバー」について、坂本真綾さんはこう語っています。

　クローバーって、集団で生えてますよね。

　三つ葉でも四つ葉でも五つ葉でも、きっとクローバーたちはお互いを比べたり差別したりしていない。

　目線は常に頭上の広い宇宙に向いていて、もっと大きなサイズの野望を抱いているのかもしれないなって思うんです。

　私たちもそれぞれに違い、それぞれに特別。そんなつもりでこのタイトルをつけました。

　アルテという素敵なキャラクターとともに、皆様に届けば嬉しいです。

引用元：『アルテ』公式HP SPECIALより

　「クローバー」に男、女、貴族、平民みたいな『アルテ』の重要な要素のニュアンスも持たせているなんて発想が無くて、坂本真綾さんはやはり凄いなあと思いました。

　2020年春アニメを代表する名曲です。

　EDテーマは、

「晴れ模様」/ 安野希世乃(作詞：西直紀、山本玲史作曲：山本玲史編曲：h-wonder)

TVアニメ「アルテ」ノンテロップED　毎週土曜22:00からTOKYO MXほかにて好評放送中！