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『あひるの空』第33話「LIFE」涙なしには見られない母との別れ、ありがとうが詰まった最高のシーン【あらすじ・感想】

 2020/5/27、『あひるの空』第33話「LIFE」が放送されました。第25話「埋もれた才能」から9話に渡って描かれてきた新城東和学園との試合に決着がつきました。

 2020年、もっとも僕が泣いた最高の5分間がここにはあります。

 

 

『あひるの空』とは

ahirunosora.jp

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©日向武史・講談社/「あひるの空」製作委員会 ・テレビ東京

あらすじ

 バスケットボールでは決して有利ではない小柄な体格の車谷 空。

 身長を理由にスタメンに選ばれることのなかった空は、高校バスケ部に期待を膨らませて九頭龍高校、通称クズ高に入学。
 ところがバスケ部はほとんど機能停止状態。とてもバスケをできる環境ではなかった。

 しかし、空はバスケへの熱量で、クズ高バスケ部メンバーとぶつかり合いながらも、共に成長していく。次々に直面するあらゆる困難に、クズ高バスケ部メンバーはどのように立ち向かって行くのか…!?

引用元:『あひるの空』公式HP イントロダクションより

スタッフ

原作:日向武史(講談社『週刊少年マガジン』連載)
総監督:草川啓造『いぬかみっ!』『アスラクライン』『ハッピーシュガーライフ』
監督:玉木慎吾『アホガール』
シリーズ構成:雑破 業『恋姫†無双』『帰宅部活動記録』『神田川JET GIRLS』
キャラクターデザイン:本多美乃『風夏』
プロップデザイン:槙田路子
バッシュデザイン:福島秀機
美術監督:高橋麻穂
色彩設計:砂子美幸
撮影監督:大竹洋子
編集:小島俊彦
音響監督:明田川仁
音楽:堤 博明『メガネブ!』『みだらな青ちゃんは勉強ができない』『sin 七つの大罪』
音楽制作:キングレコード
アニメーション制作:ディオメディア
製作:「あひるの空」製作委員会

キャスト

車谷 空:梶 裕貴
花園百春:内田雄馬
花園千秋:小西克幸
夏目健二:谷山紀章
茂吉 要:宮野真守
安原真一:八代 拓
鍋島竜平:堀井茶渡
茶木正広:KENN
薮内 円:千本木彩花
七尾奈緒:谷口夢奈
車谷由夏:遠藤 綾
千葉真一:中井和哉
常盤時貴:斉藤壮馬
蒲地太郎:福山 潤
香取真吾:古川 慎
高橋克己:浪川大輔
児島幸成:吉野裕行
白石 静:櫻井孝宏
八熊重信:梅原裕一郎
不破 豹:松岡禎丞
上木鷹山:上村祐翔

 

第33話「LIFE」


あひるの空「LIFE」short movie

あらすじ

 クズ高と新城の試合が終わった。

 母・由夏の容態が悪いと知らされ病院へ向かった空。

 「大きく産んであげられなかった」と謝る由夏に、空はバスケを通じて出会った素晴らしいプレーヤーたちについて熱く語る。

 ここまで頑張れたのは自分の身長が小さかったからだ、と。空は由夏に感謝を伝えるのだった。 

引用元:『あひるの空』公式HP STORYより

 スタッフ

脚本:雑破 業
絵コンテ:青山 弘
演出:木暮 理
作画監督:槙田路子、Mubon Hyeongjun、Jeon Hyunjin、Kim Jieun、Lim Soogyeong、Kim Kwansik

おすすめポイント

 Aパートの約5分間で身体中の全ての水分が眼から抜けていってしまいました。ここまでの32話はこの5分間のためにあったと言っても過言ではないでしょう。

 上に貼ったshort movieの動画だけで死ぬほど泣けます。

 もはや、解説する必要もないかもしれませんが、ポイントを以下の2点で振り返っていこうと思います。

・小さく産んでくれてありがとう

・saji「明日の空へ」

小さく産んでくれてありがとう

 空の母親、由夏は病を押して、空が活躍する新城戦を見にいっていました。もう自分の命が残り少ないことがわかっていたのかもしれません。

 病状は急激に悪化し、いつ亡くなってもおかしくない状態、そこに試合を終えた空がやってきました。

 病気のため、神奈川の国立病院に入院している由夏を追って、空は九頭龍高校を受験しました。しかし、由夏には神奈川に来ていることを内緒にしていたので顔を合わせるのは入院後初めてです。

 空は自分の身長のせいで、バスケでレギュラーになれなかったこと、ほかのプレイヤーに敵わないことに憤りを感じていて、かつてはバスケをやめようと由夏に冷たく当たったこともありました。

 

 そんな二人の病床での会話は、親子の愛に満ち溢れていました。

 「ちょっとは背伸びた?」

 「ちゃんとご飯食べてる?」

 「虫歯出来てない?」

 静寂の中でのそんな親子のあたりまえの会話がとても愛おしい。

 話はバスケの話に移ります。

 「今日試合だったんでしょ、出れた?」

 由夏は試合を見に行っているのでもちろん出たことは知っていますが、母に内緒で神奈川に来て努力する空を気遣っての優しい、暖かい嘘です。

 「ちゃんと出たよ、スタメンで。」「勝ったに決まってんじゃん!」

 残り数秒、要がファンブルしたボールを新城に決められ、試合は延長戦に突入し、クズ高は敗北していました。それでも母親を励ますためについた空の、優しい、暖かい嘘です。

 由夏は空に告げます。

 「おっきく産んであげられなくて、ごめんね。」

 それを聴いた空は、今日の試合と共に背が小さくてよかったこと、かけがえのないたくさんの仲間ができたこと、敵だけど尊敬できるプレイヤーに出会えたことを話します。

 「小さいからこそ、みんな注目してくれるんだと思うし、小さかったからこそ、ここまで頑張ってこれたんだ。だから、だからさ…母さんにありがとうって言いたかったんだ。」

 子供の頃から背が小さいせいでバスケで活躍できず、バスケが嫌いになってしまい、仲間たちとバスケをすることもかなわなかった、空のこんなにも暖かい言葉。

 どんなに明るく振る舞っても、どんなにアドバイスをしても、おっきく産んであげられなかったことを悔やみ続けていたであろう、由夏にこんなに嬉しい言葉はないでしょう。

 親子の別れにふさわしい最期の最高の名シーンでした。

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©日向武史・講談社/「あひるの空」製作委員会 ・テレビ東京 

saji「明日の空へ」

 最高のシーンを彩ってくれたのが、sajiさんの「明日の空へ」です。

 歌詞としては、親子の愛というよりはもっと普遍的な二人の愛と別れといった内容になっています。

 どこか、優しく包み込むような、壮大で母性が感じられるメロディ。由夏から空へのいっぱいの愛情がこの曲から感じられます。

 包んでくれたキミの手のぬくもり

 引用元:saji「明日の空へ」より

  のところで、由夏が空の頬に手を当ててるのも素晴らしい演出です。

 

 何度も自分に負けそうだった

 それでも君が支えてくれたんだ

 引用元:saji「明日の空へ」より

 ここの歌詞は、どちらの視点でも解釈ができます。

 どんなに身長差で負けてしまい、自分に限界を感じても由夏からのアドバイスや授かったバッシュを翼に変えて、空は誰よりも努力してきました。

 由夏だっていつも明るく振る舞っていますが、病床で辛いこともたくさんあったと思います。きっとそんなとき、空の姿に支えられて、もっともっと活躍する空を見るため、少しでも長生きしようと闘病生活を頑張ってきたはずです。

 そんなお互い思いあう二人の親子愛が歌詞から染み渡ってきます。

 

君に出会えてよかった

交わした約束は守れなかったけれど

愛してくれてありがとう

引用元:saji「明日の空へ」より

 大サビの盛り上がりと共に、空のセリフとシンクロするようにしての、「ありがとう」

 最高のシーンに、最高の楽曲、こんなに素晴らしいアニメを作ってくれて、「ありがとう」。それしかいう言葉が見つかりません。

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©日向武史・講談社/「あひるの空」製作委員会 ・テレビ東京

配信情報

 sajiさんの「明日の空へ」は6/3より各音楽配信サイトにて配信が決定しています。情報が出てき次第、更新いたします。

 『あひるの空』は各種、見放題サービスにて配信中です。

 まだ見ていない方は今すぐ33話まで追いつきましょう、既に見ている方も33話は何度でも繰り返してみたい最高の1話だったと思います。

『あひるの空』を見るなら【フジテレビ公式FOD】

『あひるの空』を見るなら【ABEMAプレミアム】

 

おわりに

 第33話ラストで、再度部室からタバコの不始末で出火したということで、クズ高バスケ部はいったいどうなってしまうのでしょうか。今後の展開にも非常に楽しみです。

 最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。もし記事が良かったなと思ったらSNSへのシェア、Twitterのフォロー等、ぜひともよろしくお願いいたします。

 今後もアニメに関する記事を毎日投稿していきますので、ぜひご覧ください。

 また次の記事で!