2020年1月から始まった『A3!』、春組のストーリーが先日完結しました。
制作の遅れや、新型コロナウィルス等、数々の問題があって放送延期が続いた本作。
放送開始から5か月経って迎えたひとまずの終着点は、ここまでの努力が実った素晴らしいエピソードでした。
TVアニメ『A3!』PV~SEASON SPRING~本PV
『A3!』とは
あらすじ
東京郊外の町・天鵞絨街には『ビロードウェイ』と呼ばれる通りがあり、多くの劇団が拠点にし、劇団員の聖地となっている。
そんな街に、一通の手紙を頼りにMANKAIカンパニーを訪れた立花いづみはその劇団は父親が立ち上げたものだと知る。
しかし父は不在、くわえてお客はゼロ、借金もあり、劇団員は1名という事実を知る。
いづみはそんな劇団を立て直すため、主宰兼『総監督』となり奔走することになる。
はたして、MANKAIカンパニーの運命は――
引用元:『A3!』公式HP INTRODUCTIONより
キャスト
立花いづみ:名塚佳織
スタッフ
原作:『A3!(エースリー)』(リベル・エンタテインメント)
キャラクター原案:冨士原 良
監督:中園真登、篠原啓輔
シリーズディレクター:迫井政行
シリーズ構成:ハヤシナオキ
キャラクターデザイン:小松真梨子
キャラクターデザイン・総作画監督:橋本浩一
サブキャラクターデザイン・総作画監督:金丸綾子
総作画監督:飯田恵理子、有我洋美
美術デザイン:石口 十
衣装デザイン:あきづきりょう
美術監督:田辺浩子(草薙)
色彩設計:津守裕子
HOA:トライスラッシュ
グラフィックアート:荒木宏文
撮影監督:鈴木麻予(T2 Studio)
編集:土居秀充
音響監督:濱野高年
音楽:横山 克・橋口佳奈
オープニング主題歌制作:大石昌良
音楽制作:ポニーキャニオン
プロデュース:インフィニット
アニメーション制作:P.A.WORKS×Studio 3Hz
第6話「The Show Must Go On !」
あらすじ
ついに旗揚げ公演初日を迎えた新生春組。それぞれの想いを胸に、新たな「MANKAIカンパニー」の幕が上がる。
引用:『A3!』公式HP STORYより
スタッフ
絵コンテ:西田正義、篠原啓輔
演出:中園真登
総作画監督:橋本浩一、蟹谷憲正、林あすか
作画監督:Hong Yu-mi、Seo Soon-Young、Song Jin-Hee、Shim Min-Hyeon、Jo Eung-Yeong、Kim Gang-Won
ゲームリリース後わずか2年で650万DLを達成した大人気ゲームのアニメ化ということで、発表時点から非常に注目を浴びていた作品でした。男性の自分からしても『A3!』、『アイドリッシュセブン』、『あんさんぶるスターズ!』の3作品が女性に大人気な新生3大ソシャゲ!みたいなイメージだったので、ついに来たなあという感じで楽しみにしていました。
そんな楽しみな気持ちにストレートで解答をくれた、春組最終回第6話を以下の2つのポイントで振り返っていきたいと思います。
・現実の事情も相まってより深まった苦悩と花開いた春組メンバー
・素晴らしい改変でキャラクターにぴったりな劇中劇「ロミオとジュリアス」
・OPアレンジを中心に舞台を彩った名劇伴
おすすめポイント
現実の事情も相まってより深まった苦悩と花開いた春組メンバー
『A3!』のキャラクターは他作品に比べて、キャラクター自身の癖が強く、入団前や入団して間もなくは、本当にこのメンバーで演劇ができるのか?という印象でした。
素直で頑張り屋だけど演技の素質が低い咲也、主人公が大好きすぎてあまりに協調性がない真澄、面倒見が良すぎて苦労性の綴、重度のゲームオタクの至、ムードメーカーだけど演劇に大事な日本語がいまいちなシトロン、どう考えてもこのままでは演劇どころではありませんでした。
そんな彼らがたくさんの稽古や主人公とのやり取り、多くの壁を乗り越える姿を5話に渡って描き、ついに迎えたのがこの第6話、演劇当日です。
現実の事情として、本当に放送されるのかどうか、我々視聴者も非常にヒヤヒヤしながらこの作品を見守ってきました。
制作スケジュールの問題で急遽決まった第4話放送延期と、第1話再放送。遅れても3週間ぐらいかなと高を括っていたら、蔓延する新型コロナウイルス。制作スタッフさんの健康、安全が第一ですから遅れるのは仕方ないと思う一方、こんな大人気コンテンツがこのまま終わってしまうのかと残念に思う気持ちもありました。
そしてついに、第3話放送から3か月が経ち、第4話、第5話と放送されました。
演劇当日に向け必死に頑張ってきた春組メンバーと、アニメを絶対に完成させるんだと強い熱意で作りぬいてくれた制作スタッフ皆さんの努力。千秋楽公演を見終わった後、不意に涙がこぼれてきてしまいました。
素晴らしい改変でキャラクターにぴったりな劇中劇「ロミオとジュリアス」
まず題材が「ロミオとジュリエット」という誰でも知っている作品というのがありがたいですよね。これまでも多くの作品の文化祭で「ロミオとジュリエット」が演じられ、その作品の個性に沿った形で改変され発表されてきました。
大体の作品では、当日の思い付きやドタバタでシナリオが変更になり、なんとかアドリブでその場を乗り越えると観客が拍手喝采!みたいなご都合展開になります。僕自身ご都合展開は大好きなので全然良いんですけど、ちょっと無理あるんじゃない?と思うことも無くはないです。
今回の改編の一番良いところは、友達との離別という綴の過去の経験をモチーフに「ロミオとジュリエット」が改変されているところです。何故そうやって改変されたかという話ってあまり出てくる話ではないのでさすが演劇アニメだなと思いました。
5人の配役もこれしかないというぐらいぴったりはまっていて、演劇のレベルも非常に高かったです。
至が足にケガを負いながら迎えた千秋楽公演、春組みんなでカバーしあいながら無事に公演を成功させ、満席の観客はスタンディングオベーションで褒めたたえます。
「なんか今、今までの人生でないくらい自分が熱くなってて、笑えるだけ。」と泣きながら語る至の姿に、楽な道に逃げずに一生懸命成功を目指して突き進む素晴らしさを強く感じました。
OPアレンジを中心に舞台を彩った名劇伴
そもそも「Act! Addict! Actors!」が名曲すぎる。
君とパッと咲かせよう 夢の物語
主役もわき役もそんなの関係ないさ
きっと誰もが生まれながらに主人公
引用元: 「Act! Addict! Actors!」歌詞より
作・編曲、作詞は今やアニソン界を牽引する大石昌良さん。タイトルをそのまま冠する楽曲にふさわしい、『A3!』というコンテンツの主題が短い歌詞に凝縮され、聴いているだけで幸福感に包まれる楽曲になっています。
そんな素晴らしい楽曲を多彩にアレンジするのが、数多くの作品で劇伴を担当してきた横山克さん。そしてタイミングや入り方、音量の強弱も非常にエモーショナルに仕上がっています。これは音響監督の濱野高年さんの力によるところでしょう。
濱野高年さん、実は今までそんなに意識してこなかったのですが、『アイドリッシュセブン』、『あんさんぶるスターズ!』、『アイドルマスター SideM』等の音響監督も担当されていました。言われてみると主題歌アレンジが入ったり、ライブシーン以外でも劇中曲を使ったりすることが多いような気がして、今後の活躍も楽しみな音響監督さんです。
配信情報
U-NEXT他、各種見放題配信サービスにて配信中です。 地上波と同時タイミングで配信開始しています!
おわりに
本当に最高の春組最終回でした。果たして夏組の放送スケジュールがどうなるのかわかりませんが、春組編が好評のうち完結したので、きっとなんとか放送枠を捻出してくれると思います!楽しみに待ちましょう!
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また次の記事で!